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2011年6月30日 (木)

楽しい熊伏の山歩き⑤―足元に転がる花崗岩

Kakogan9  熊伏山への登り口、青崩峠に立つ「静岡県指定史跡」の標識は、緑と白の2色の石で造られています。これは、もちろん、ここ青崩峠が、日本列島を東西に走る中央構造線が南北に向きを変えるポイントであることを示すもの。

 峠から少し登ると右側に展望が開け、「青崩」の由来となった崩壊地が見下ろせます。さらに目を上にやれば遠山の谷が一望でき、V字谷であることが確認できます。

Misakubo5  中央構造線の北側は、領家変成帯(内帯)と呼ばれています。この「領家」とは水窪の「奥領家」の地名を取って名付けられたもの。三波川変成帯(外帯)の緑色片岩や蛇紋岩を見慣れた私たちにとっては、白っぽい石が多い熊伏山の登山道はちょっと変わって見えます。

 足元に転がる白っぽい石は、高温低圧型の変成を受けた花崗岩や片麻岩。最近私が登った竜頭山、麻布山、岩嶽山、竜馬ヶ岳はすべて内帯の山でしたので、熊伏山の白っぽい石は、ここが確かに中央構造線の外帯に聳えていることを示していたのです。

 石ころだけでは面白くありませんので、登山道から水窪方面を見た写真も紹介します。写っているのは、「瑟平(しっぺい)太郎の墓」や「木地屋の墓」がある辰之戸(たつんど)辺りだと思います。

新しい○印―「ツメレンゲ」の生育地マップ

Tsumerenge6  北遠の「ツメレンゲ」―環境省レッドリストNTのベンケイソウ科イワレンゲ属の「ツメレンゲ」の生育マップに新しい○印。

 決して特別な場所ではありません。誰でも見ることができる国道152号脇の護岸壁です。もっとも、昨年は工事中で迂回していましたので、見つけるのは困難だった場所ですけどね。

 少し食べられた葉があるにはあったのですが、「ツメレンゲ」を食草にしているクロツバメシジミの姿は見えませんでした。

 ●6月20日(金)午後2時ごろ佐久間高校プール南側の…
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水窪での出会い―ミスジチョウの仲間「オオミスジ」

Hoshimisuji3  驚きました。青崩峠の登り口で初めてミスジチョウを撮った日の帰路、同じ水窪の西浦(にしうれ)辺りで蝶の影を感じて車を停めました。

 何だ。さっきのと同じミスジチョウじゃん。

 …と思って帰宅後に確かめてみたところ、ミスジチョウの特徴とは少し違っていることに気づきました。きれいに翅を広げた写真ではありませんので、分かりにくいかも知れませんが、白線と白斑から判断すると、どうやら「オオミスジ」。

 ミスジチョウの仲間には、ミスジチョウ、コミスジ、ホシミスジと「オオミスジ」。白線3本の特徴は同じですが、ミスジチョウの食草はカエデ類、コミスジはクズやフジなどのマメ科、ホシミスジはユキヤナギ、コデマリ、シモツケ、「オオミスジ」はウメ、アンズ、モモ、サクラなどのバラ科と異なります。

 でも、数回羽ばたいて、しばらく広げたまま滑空する飛び方は同じです。多分「オオミスジ」だと思うのですが…。

 蝶の図鑑―INDEX…検索はこちらからお願いします。

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小冊子『川合花の舞しおり』⑤―歴史と伝承

Kodomooni  黄色い小冊子『川合花の舞しおり』(川合花の舞保存会発行)の記述をさらに紹介させていただきます。

 5 “川合花の舞”の歴史と伝承

 神妻神社御由緒

 式内周智郡馬主神社に比定され、宝亀2年(771)辛亥11月勧請関野大明神と称したという。
 祭神呑陀利王大明神に武田信玄の寄進といわれる軍配団扇が奉納されているが定かでない。

 八坂神社鍵取り

 かつて花の舞は土地の旧家で八坂芯神社の鍵取り平賀家の家で行われていたが、事情があって神社境内で行うようになった。“川合花の舞”は神妻神社のそれを継承したものであるが、明治中期頃に大入系(北設楽郡東栄町を流れる大入川流域の花祭)の舞を取り入れたので混合になっている。ただし、鬼の舞だけは神妻系統を守ってきているとされている。

 榊鬼暴れる

 その昔亀七なる者が榊鬼を舞った折、問答中に禰宜野中仙次郎を激しく突き飛ばし、鉞で頭部を突き、森の中を暴れ廻るのを、村人多数で取り押さえて面を外したことがあったという。亀七は「ただ、足は宙に浮き、どうしてやったか自分自身で分からない」といい、村人はこれに恐れをなし、神妻神社神官に願って鬼面を封じ込めたとのことである。

 天王様は蓬、タンポポ、クツワ虫を嫌いなさると伝承されている。昭和初期まで部落には、蓬、タンポポはなく、クツワ虫は今もって棲息しない。

 2011年7月2日(土)、浜松アリーナにおいて開催される浜松市伝統芸能の集い『浜松の祈り 明日への祈り』(入場無料)にも、「川合花の舞」は水窪の「西浦の田楽」と一緒に登場します。

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白い泡々―モリアオガエル?アワフキムシ?

Moriaogaeru8  北遠の山道で見かける白い泡々。どちらかがモリアオガエルの卵ですが…。モリアオガエルの産卵は樹上で行われますが、その泡の下には必ず水があります。
 1枚めの松の枝に見える泡が、モリアオガエルの卵塊です。百古里(すがり)の水路の上で見つけました。
Awafukimushi9  もう1つは、カメムシの仲間のアワフキムシの幼虫が作る泡。排泄物を泡立てた巣の中で育つのだそうです。
 白い泡々を見て、「あっ、モリアオガエルだ!」と思ったことはありませんか?草に作られた小さな泡は、アワフキムシの泡。少し黄ばんだモリアオガエルの泡よりも、キレイな白色です。

2011年6月29日 (水)

シカ食害対策に通電線が効果的 美ケ原で県調査、牧草被害ほぼゼロ

Syokugai  美ケ原高原(松本市、上田市、小県郡長和町)で続くニホンジカによる牧草の食害対策に、通電線が効果的であることが、県の調査で28日までに明らかになった。調査によると、通電線設置前は、多い時で牧草の5割強が食べられてしまっていたが、設置後はほとんど食害がなくなった。

 調査は四つある牧区のうちの一つで実施した。2009年度、県松本農業改良普及センター(松本市)が4平方メートルを高さ1メートルの金網で囲ってシカが食べられない区域を作り、網の内外で牧草の量を重さで比較。牧草の生育が比較的早い7月2~31日は3割、生育が遅い10月2日~11月2日は5割強がシカに食べられた。

 そこで10年7月下旬、牧柵の周囲に45センチの高さで延長約5.1キロの通電線を張り巡らせ、11月上旬まで牧場の管理人が電圧の確認など見回りを実施した。通電線は約7千ボルトの電流が流れており、シカの体が触れると痛みを感じるため、だんだん近寄らなくなる。結果、8~9月は金網の外の牧草と内の牧草は、ほとんど量に差がなかった。

 他に、県農業試験場(須坂市)が自動撮影カメラを通電線内の4カ所に設置。撮影されたシカの頭数は、通電前に1日平均2~18頭だったが、通電中の7~10月はいずれの箇所も4頭に満たなかった。本年度はシカが通電線を飛び越えることも想定、高さを50センチにして調査する。既に設置を終えた。

 ただ、通電線で囲わなかった他の牧区で食害の増加が見られ、県は「より広い範囲での設置を検討する必要がある」。今後は美ケ原で放牧をする美ケ原牧場畜産農業協同組合に通電線を維持してもらいたいとする。

 美ケ原では、近年急増するシカによる牧草の食害が問題になっており、08年に344頭だった牛の放牧頭数は、10年には264頭に減少。本年も約250頭の見込みで、北海道の牧場への預託が増えているという。(「信濃毎日新聞」より)

 先日、相津の道の駅「花桃の里」のすぐ先で、カモシカと出くわしました。カモシカも、とうとうここまで下りて来てしまったようです。山香でも、ニホンザルによる被害が増えているそうです。どこまでも拡大する野生獣による食害は、消極的な方策では根本的な解決はできません。

 山の尾根に近いところのスズタケは、すでに食べ尽くされてしまいました。彼らは、里へ里へと下りて来ています。

梅雨明け間近の猛暑日―天竜で37.1度

 暑かったですね。6月29日(水)午後2時、天竜のアメダスがとうとう37.1度を記録しました。佐久間は同じ時間に36.2度、浜松は午後4時に最高気温の36.4度。

 まだ、梅雨明け前なんて、嘘みたいです。

時間 気温
(℃)
降水量
(mm)
風向
(16方位)
風速
(m/s)
日照時間
(分)
積雪深
(cm)
29日
(水)
17時 35.2 0.0 南西 2 60 ---
16時 36.4 0.0 西北西 1 60 ---
15時 36.7 0.0 西北西 2 60 ---
14時 37.1 0.0 北北西 3 60 ---
13時 35.4 0.0 北北西 2 60 ---
12時 36.2 0.0 西南西 3 60 ---
11時 35.0 0.0 北北西 6 60 ---
10時 34.4 0.0 西北西 3 60 ---
9時 32.4 0.0 西 2 60 ---
8時 30.0 0.0 西北西 1 60 ---

青崩峠の登り口での出会い―ミスジチョウ

Misujicho7  「もう、新しい蝶とは出会えないだろうな」と思っていたのですが、水窪まで足を伸ばすといるものですね。タテハチョウ科の「ミスジチョウ」です。

 あれ?これって初めて?

 はい、コミスジは紹介していましたが、「ミスジチョウ」は初めてだったんです。

 撮影は青崩峠の登り口でしたので、ここなら幼虫の食草はカエデ類はたくさんあります。何と人なつっこい蝶で、私の腕に止まったり、足元にすり寄ったり、挙げ句の果ては、私の開け放した自動車の窓から中へ入ろうとしたくらいです。

 よくよく言い聞かせてお引取りいただきました。

 コミスジよりも明らかに大きくて、前翅の第一条(白線)で区別がつきます。

 蝶の図鑑―INDEX…検索はこちらからお願いします。

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小冊子『川合花の舞しおり』④―演目

Sakakioni  現在、演目は18を数えるが、基本的な舞の構成は1)地固めの舞、2)二ツ舞、3)三ツ舞、4)山見鬼、5)四ツ舞、6)榊鬼、7)おかめの舞、8)湯立の舞、の構成である。地固めの舞は舞処を祓うために太鼓のバチを持って舞われる。このバチを太鼓の叩き手に渡して初めて太鼓が楽に加わることができる。二ツ舞は2人の舞手が採り物を持って舞う。舞いを通じて採り物の基本は、右手に鈴を持ち、左手に八千代(木製刀)、ボウズカ(色紙の飾りが付いた木製刀)、金山(剣)を持つ。それぞれの演目により、舞人により、同様に舞われるが、中に「花の舞」と呼ばれる子供の舞が挿入される。山見鬼の演目では、まず伴鬼2匹が鉞(まさかり)を持って舞った後、山見鬼(「山の神」とも呼ばれる)が登場する。山見鬼は松明を持った者に足先を照らしてもらいながら舞処に入ってきて、ヘンベ(反閉)を踏み、鉞を振り回しながら舞う。天井から吊り下がったハチノスを鉞で叩き落し、乱舞する。

 四ツ舞は4人で舞われ、必ず山見鬼と榊鬼の演目の間に挟まれている。いよいよ榊鬼が登場し、太夫(祢宜)との問答の後、乱舞して、湯釜の火を掻き散らす。おかめの舞はオカメ、翁、ウズメとオタフクの4人による面形の舞いである。4人は手に味噌の付いた御幣餅と草鞋(ワラジ)を持って舞い、一踊りした後、味噌を参詣者に道化てなすりつけ回る。最後は、湯ばやしの舞として4人の男子が手に湯たぶさを持って舞う。ネギが登場し湯釜に向かい火伏せの法を行うと、湯たぶさを持った者が釜の湯を参詣者に向かって振り掛ける。この後、釜の周りにネギ以下、舞手達が並び、ネギが湯立ての行を行う。最後に、神官が神前で湯上げを行いすべてが終了する。

 これが、「川合花の舞」の流れです。どうですか?ますます、見てみたくなったでしょう?

 2011年7月2日(土)、浜松アリーナにおいて開催される浜松市伝統芸能の集い『浜松の祈り 明日への祈り』(入場無料)にも、「川合花の舞」は登場します。

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楽しい熊伏の山歩き④―エゾハルゼミとアサギマダラ

Ezoharuzemi9  熊伏山の登山道を息を切らせながら登っている間、私の耳には、先日竜頭山で覚えたばかりの「エゾハルゼミ」の大合唱が聴こえていました。

 電波反射塔を過ぎた辺りで、耳元近くで鳴き始めた「エゾハルゼミ」の声。少し背伸びをして撮ってみました。ピントは甘くなってしまいましたが、まさに「♪キギギギギギギ…」と鳴いている最中です。

Asagimadara5  それからしばらくして、今度は「アサギマダラ」の登場です。6月の「アサギマダラ」の撮影は初めてです。さて、どこで羽化してここまで飛んで来たのでしょう?

 この「アサギマダラ」とは帰路にも再会。同じ蝶かどうかなんて分からないじゃん!って?同じ顔をしていましたので、間違いなく同じ「アサギマダラ」です。恥ずかしがって顔を隠して、撮らせてくれませんでしたけどね…。

2011年6月28日 (火)

天浜線無人駅に木製アートベンチを 文化芸大などが学生ら対象にデザイン募集

Benchi  都内のシンクタンクや静岡文化芸大などでつくる「ツリー・バイ・アート実行委員会2011」は、全国の学生らを対象に天竜浜名湖鉄道(通称天浜線)の無人駅に設置する木製アートベンチのデザインを募集している。7月7日まで。

 参加資格は全国の大学院、大学、高等専門学校、専門学校、高校の学生、生徒で、ベンチの大きさは幅、高さとも1.8メートル以内、奥行き1メートル以内。無人駅10駅ごとに10作品を募集する。川口宗敏・静岡文化芸大大学院教授ら7人が審査し、選ばれたデザインを基に林業関係者や地元学生らが主に天竜産材を使って制作する。作品は9月下旬に同大学で開催するイベント「シンリン・カンファレンス2011」で展示予定。10月中旬ごろには天浜線の原谷駅、遠州森駅、気賀駅など無人駅10駅に設置する。

 木製ベンチのデザイン募集は、森林とアートをキーワードにして地域活性化を目指すのが狙い。企画の第1弾として、チェーンソーアーティストらが天竜杉で制作したベンチ「天使の椅子」を今年3月、天浜線無人駅「二俣本町駅」(浜松市天竜区二俣町)ホームに設置した。

 実行委員会では「無人駅にアートベンチで潤いをつくる企画。多くの学生の参加を」と応募を呼びかけている。

 デザイン募集の問い合わせは事務局の榊原商店=電053(924)0505=へ。

 締め切り日が近づきました。多くのアイディアが寄せられることを願っています。

 【関連記事】「シンリン・カンファレンス2011」に展示―木製アートベンチ

久根の鉱員住宅跡に広がるコンテリクラマゴケ群生

Konterikuramagoke4  水窪の山で野生化ジギタリスの群生を見かけたのに続き、佐久間の久根で見たのもコバルト色の不思議な光景。

 中国原産イワヒバ科イワヒバ属の「コンテリクラマゴケ(紺照鞍馬苔)」は、明治初期にヨーロッパ経由で渡来したのだそうです。もちろん、もともとは観賞用だったのですが、いつの間にか野生化し、薄暗い林床を鮮やかに彩っているのです。

 久根の山の斜面は、かつて鉱山で働く人々が暮らした階段状の住宅地。今でも、山城のような幾層もの石垣が残り、神社跡や廃屋も。そんな石垣を抜けると、旧大久根小学校跡と思われる門柱の残る段の少し上、宅地跡を埋め尽くすような青い群落です。

Konterikuramagoke1  おそらく、久根鉱山で働いていた人の誰かが栽培していた「コンテリクラマゴケ」が、主をなくして逃げ出したものでしょう。昭和45年(1970)11月に閉山された後、鉱山で働いていた人たちは全国に散らばり、現在、かつては病院もあったし、山神社の祭礼には、有名な芸能人も招かれたという住宅跡には、鉱山施設のタワーなどの遺構が残るだけ。

 あれから40年が過ぎ、久根の山には誰にも鑑賞(干渉?)されることのないコバルト色の群落が静かに広がっていました。

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ウツボグサで癒されるスジグロチョウ

Utubogusa7  シソ科の「ウツボグサ」の花言葉は「優しく癒す」。私にとっては、優しく癒してくれるのは北遠と同じです。

 薬草としても利用されて来た「ウツボグサ」でスジグロチョウが吸蜜。さぞや癒されているんだろうなあ?それとも、消炎、利尿の効果を期待しての訪問?

Ustubo6  これほどきれいなのも、今のうちだけ。花が終れば、きれいな花穂は黒く枯れてしまいます。でも、薬草としての効能は、「夏枯草(カゴソウ)」と呼ばれるようになってから。

 花が咲いている間は、せいぜい優しく癒してもらうようにしましょうね。

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ちょっぴり自慢―北遠の「クロツバメシジミ」

Kurostu8  希少だと言われていますが、私なら、会おうと思えばいつでも会えます。それは、私が北遠の「ツメレンゲ」生育場所を知っているから?

 クックック…。ちょっぴり自慢の北遠の自然と「クロツバメシジミ」です。

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楽しい熊伏の山歩き③―ベニバナノツクバネウツギ

Tsukubaneutsugi8  熊伏山の登山道で、ちょっと変わったウツギを見つけました。スイカズラ科ツクバネウツギ属の「ベニバナノツクバネウツギ」です。

Chichibudodan14 花の時季は過ぎたようでしたが、5枚の萼片が特徴的。プロペラのような萼片が果実になった後もそのまま残り、果実がクルクルと回って落ちる様子が羽根衝の羽根のようだというところから「衝羽根空木(ツクバネウツギ)」と呼ばれています。

 もう1枚は、すでに何度も紹介した「チチブドウダン」ですが、登山道から山頂まであちらこちらで見られました。写真は、標高1,653メートル熊伏山の山頂で撮ったもの。

 これが、6月の水窪の山歩き、楽しい熊伏の山歩きです。

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2011年6月27日 (月)

ジギタリスの群生―水窪の風景

Jikitarisu6  実は最近、園芸種の「ジギタリス」が野生化しているのが気になっていたのです。棚田で知られた大栗安の檜曾礼(ひのきぞれ)でも、「馬乗り馬頭観音」を訪ねた大滝でも、ゴマノハグサ科のピンク色の花が咲いていました。

Jikitarisu3 日本に渡来したのは江戸時代。もともとは薬草として育てられたようですが、園芸用に植えられた一部が野生化してしまったようです。

Jikitarisu0  しかし、水窪の青崩峠に向かう山道の辰之戸(たつんど)辺りの群生は一体何でしょう?

 英名は「foxglobe(狐の手袋)」ですから、もともと山地に馴染む植物なのかも知れません。もともとの栽培地だったのでしょうか?それとも、野生獣の食害から逃れて群生化したのでしょうか?

 キレイです。キレイですけど、薄暗い林床に濃いピンク色の「ジギタリス」が群生する風景はどこか不気味です。

背丈の高い道草「アレチモウズイカ」

Arechimouzuika0  ゴマノハグサ目ゴマノハグサ科モウズイカ属「アレチモウズイカ」の黄色い花を、船明(ふなぎら)の国道152号沿いで見つけました。

 モウズイカの仲間は、明治時代に観賞用としてヨーロッパから伝えられ、1950年代に帰化した植物。以前紹介したビロードモウズイカと比べると花付きが疎らで、花弁が開いています。しかし、ともに草丈は高く、2メートル近くにもなります。

Arechimouzuika00  名前の由来は、雄蕊に毛を密生することから。蕊は「シベ」とも「ズイ」とも読み、雄蕊(ユウズイ)に毛が密生しているので「モウズイカ(毛蕊花)」となりました。

 自動車をUターンさせて道路脇に停車。雑草に向かってカメラを構える私を、通り過ぎるドライバーさんたちは、どう見ているのでしょう?でも、道草大好きです!

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4本脚で虫から吸汁―「イチモンジチョウ」

Ichimonji6  先日、春野町の岩嶽山周辺で出会った「イチモンジチョウ」。あの時には翅表だけの撮影だったのですが、今回、スーパー林道では翅裏を写すことができました。

 止まっていたのは甲虫の死骸。おそらく吸汁をしていたのでしょう。「イチモンジチョウ」は花にも寄りますが、動物の死骸や糞、腐った果実などにも寄ります。

 タテハチョウ科ですから前脚が退化、4本脚のように見えます。この写真なら、よく分かるでしょう?

 子ども相手に「昆虫の脚は6本です!」などと大見得切って断定しないようにしてください。子どもたちの観察眼は、私たち大人よりもずっと優れていますのでね…。

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楽しい熊伏の山歩き②―長野県が見える

Nagano9 熊伏山の登山道は、青崩峠から始まります。青崩峠から登山道を少し登った辺りのガレ場から、すでに何度も紹介した中央構造線のV字谷が見えます。信濃だ~!

 登山道は尾根道ですので、その後も長野県は見えるのですが、何度も何度も急傾斜を登りますので、なかなかゆとりがありません。

 電波反射塔を過ぎ、観音山との分岐で一息入れ、行けども行けども山頂にはたどり着かず、諦めかけた辺りに「熊伏山1653もうすぐ←」の小さな看板に誰かが書き加えた「290m」の文字。

Nagano8 最後の傾斜を一気に登れば、見えた!熊伏山の山頂です。

 さあ、ここからも長野県を眺めてみましょう!

 あれ?ここからは南アルプスが眺望されるはずなんですが、今は梅雨時。聖岳辺りに雲がかかっています。

 でも、まあ足元の山頂だって長野県下伊那郡天龍村。信濃だ~!

2011年6月26日 (日)

お巡りさんと柔道稽古 児童らの教室始まる 水窪

Misakubo_2  天竜署水窪分庁舎の警察官が講師を務める「水窪柔道教室」(浜松市水窪地域自治センター主催)の開講式が22日、浜松市天竜区水窪町の同分庁舎で行われ、児童を対象にした半年間の熱血指導がスタートした。

 柔道教室は青少年の健全育成を目的に、旧水窪署と旧水窪町役場が連携して1972年に始まった伝統行事。本年度は、水窪地域の児童5人が参加し、12月中旬まで週1度分庁舎に通ってけいこに励む。

 開講式で、水窪地域自治センターの塩崎正敏所長は「半年後に見違えるように成長した姿を見るのが楽しみ」と激励。式後には、早速初回の稽古を行い、児童らはあいさつや受け身の基本練習に汗を流した。(「静岡新聞」より)

 柔道ですか。いいですね~。きっと、地域を支える心身ともに強い人間に育ちますよ。

竜頭山からの眺望―瀬尻橋と大輪橋

Sejiribashi9 別名「遠州富士」とも呼ばれる竜頭山の標高は1,352メートル。国道152号を通っての「北遠行」なら、龍山の瀬尻橋辺りから見上げると山頂が間近に迫って見えます。

 …と言うことは、竜頭山からも瀬尻橋が見下ろせるはず。はい、これが、竜頭山展望台から見た天竜川と瀬尻橋です。

 もう1ヵ所、佐久間の大井からも山頂が望めます。

 …と言うことは、竜頭山からも大井が見えるはず。はい、これが佐久間町の天竜川と大輪橋です。

Toguchibashi5 2枚の写真は、ともにクリックすると拡大します。ほぼ中央に白っぽく見えるのが天竜川の遠望です。

 東を見れば遠く富士山、下を見れば間近な大天竜。この眺望の良さが、竜頭山が多くの登山者を集めている理由の1つ。私もそろそろ、スーパー林道「天竜も森」からのお手軽登山を卒業して、平和口からの山登りをする時期かも…?

 富士山頂からも、竜頭山が見えているはずですね。

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スジグロチョウ@オオルリソウ、トラフシジミ@ヒメジョオン

Ooruriso6  旧「龍山北小学校」跡のムラサキ科の青い花「オオルリソウ」が咲き始めました。

 白い「スジグロチョウ」が吸蜜に訪れていたのですが、この「オオルリソウ」に触るとかぶれる毒草だとされています。

Trafusijimi2 いいのかな~?

 同じ場所で、今年初めての春型「トラフシジミ」とも出会いました。こちらは「ヒメジョオン」での吸蜜。さて、どっちの蜜が甘いのでしょうか?

 それにしても、今日の『出かけよう!北遠へ』は、道草ばかりですね。

 いいのかな~?

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黒地にゴールドの鎖模様の「ビロードナミシャク」

Birodonamisyaku9  何とも不思議な翅模様の蛾は、シャクガ科ナミシャク亜科「ビロードナミシャク」でした。幼虫はヤマアジサイを食べて育つとのこと。龍山で見かけましたから、食草には事欠きません。

 蛾というと地味なイメージがありますが、なかなか手の込んだ鎖模様。黒地にゴールドのゴージャスな模様が、「ビロード」の名の由来のようです。

 写真は交尾中ですので、2頭が写っています。

北遠で出会いたい花「ササユリ」

Sasayuri1  この季節、北遠で出会いたい花の1つに、可憐な「ササユリ」があります。

 最近、自生の「ササユリ」が減少してることが問題となっています。私も、草原に群生してるところを見たことがなく、林縁の傾斜地の上の方で淡いピンク色の花を咲かせているわずかな「ササユリ」を見つけるのが精一杯。森林利用の減少が、「ササユリ」の減少の一因になっているとも言われています。

Sasayuri5  横目で「ササユリ」を探しながら北遠を走り、車を停めて斜面を登り、今回紹介できるのは、たったの2輪だけ。

 それでも、会いたい「ササユリ」です。また、出かけてみることにしましょう!

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水窪で咲く「ヤマホタルブクロ」

Hotarubukuro0  「ホタルブクロです」と言いたいところですが違います。これは「ヤマホタルブクロ」。その違いは、すでに紹介済みですが…。

 ホタルブクロの萼と萼との間には、「副萼片」と呼ばれるものが反り返っています。「ヤマホタルブクロ」にはその「副萼片」がなく、萼は膨らんでいるだけ。

 国道152号水窪地内で見かけたこれは、キキョウ科ホタルブクロ属「ヤマホタルブクロ」です。

 水窪らしいでしょう?

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北遠は山野草の宝庫―秋葉山の「カキノハグサ」

Kakinoha0  秋葉山の「カキノハグサ」は、2年前にも紹介していました。今回もたくさん咲いていましたので紹介します。

 一見、マメ科にも見えますが、ヒメハギ科ヒメハギ属の多年草で、名前の由来は葉が柿の葉に似ているところから。確かに葉っぱも柿の葉に似てはいるんですが、花の色も似ています。

Kakinoha8  本州の東海地方以西から近畿地方北部あたりまでに分布する日本固有種とのことで、地域によっては準絶滅危惧種に指定されています。珍しい植物だとは思いますが、秋葉山に登れば見ることができますよ。

 さあ、出かけよう!北遠へ。北遠は山野草の宝庫です。

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2011年6月25日 (土)

楽しい熊伏の山歩き①―レンゲツツジの赤い花

Yamatsutsuji1  「出かけよう!北遠へ」と言いながら、熊伏山(1,653メートル)は長野県下伊那郡天龍村。つまり、北遠ではなかったのですが、ついつい登ってしまいました。

 もちろん登山口である青崩峠は、浜松市と長野県飯田市との境界。尾根道は県境の上だと思いますが、観音山との分岐から先は、完全に長野県。青崩峠を出たのは午前11時40分でした。

Yamatsutsuji2  山頂到着は午後1時18分。片道の所要時間約1時間40分の山登りでしたが、目に付いたのは、シロヤシオの落花と満開のレンゲツツジ。赤と言うよりも、朱色に近い色です。

 下りも道草しながら歩き、登山口到着は約1時間後の午後2時42分。

 今回の楽しい熊伏の山歩きは約3時間の行程。見たもの聴いたものを、いつものように何回かに分けてレポートすることにしましょう。さあ、しゅっぱ~つ!

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秋葉山で出会ったタツナミソウの仲間

Shisoba4  言い訳になりますが、本当のところは良く分かりません。でも、シソ科タツナミソウ属であるには違いありません。1枚めを先日、岩嶽山で見た「シソバタツナミ」、2枚めは「ホナガタツナミ」とさせてください。

Honaga1  撮影したのは、秋葉山のスーパー林道沿い。これで、望みだった「シソバタツナミ」の花も紹介することができました。

 でも、ホントかなあ?まあ、タツナミソウの仲間であることだけは間違いありません。

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竜頭山でキャッチ!「ミヤマカラスアゲハ」

Miyamakarasu3  先日登った竜頭山でのことです。目の前を飛び交う黒い蝶を指差し、「カラスアゲハかな?」と声に出したところ、「ミヤマカラスだね」と応える声がしました。

 私の今年の目標の1つは、「ミヤマカラス」の写真を撮ること。「撮りたい?」と言うが早いか、捕虫ネットが一閃。中には、初めて間近で見る「ミヤマカラス」が捕らえられていました。

 青く輝く翅表は飛翔中に拝むことができましたが、残念ながら写真は翅裏です。少しだけのぞく翅表で、美しい姿を想像いただけるでしょうか?

 はい、これが、初めて紹介する「ミヤマカラスアゲハ」です。さあ、逃がすよ~。

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2011年6月24日 (金)

楽しい麻布の山歩き⑦―キイロスッポンタケ

Kiirosupponntake2  白い茎の上に黄色い笠―遠目にも目立つスマートなキノコ「キイロスッポンタケ」です。とてもキレイなキノコなのですが、スッポンタケの仲間は強烈な臭いを放つようです。

 若い時の傘は緑がかった色をしていますが、次第にオレンジに色を変え、黄色に変わるのは老菌です。

 尖がり頭が格好良く、頭の真ん中には煙突のように穴が開いています。

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小冊子『川合花の舞しおり』③―民俗芸能の展開

Hananomitu  4 民俗芸能の展開

 川合花の舞は佐久間町川合に鎮座する八坂神社に伝承されている湯立神楽である。この地方に多く分布する霜月神楽であり、本来は霜月の厳寒の頃であったが、現在では10月の最終土曜日に行われる。奥三河地方の「花祭」が静岡県側にも伝わり、現在でも佐久間町3か所で、同系統の、鬼が登場する湯立神楽が伝承されている。いずれも芸能自体が「花の舞」と呼ばれ、子供がかわいい花笠を被って踊る「花の舞」という演目があり、この舞が強調され、この名称が冠せられているようである。

 八坂神社の拝殿前には注連縄で区画された2間四方の舞処が設営される。中心に湯立の釜が据えられ、釜の上にはキリコ(切り紙)で飾られたユブタ(湯蓋)が吊り下げられる。舞処内の釜の周りで芸能が演じられる。

 ハマミズ汲みとして湯立の水が用意され、カマバライと称して湯立の釜を祓い、火伏せの祈祷をする。

 黄色い小冊子『川合花の舞しおり』(川合花の舞保存会発行)の記述です。いかがでしょうか?雰囲気が伝わりましたでしょうか?

 北遠の人たちが時代を超えて伝えて来た伝統芸能「花の舞」―次に伝承して行くのが、私たちの世代に課せられた大切な役割です。

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♪キギギギギギギ…エゾハルゼミの合唱

Ezoharuzemi1  ♪キギギギギギギ…と鳴くセミの声を、ヒグラシとばかり思っていました。

 カエルの声にも似ていますが、ここは竜頭山の山頂。カエルの可能性はありません。先日、麻布山でも聴いてはいたのですが…。

 「これは、エゾハルゼミ。捕ってみる?」と、またまた捕虫ネットを一閃。指で押さえて手の上に載せ、「はい。ちょっとヒグラシにも似ているね」。

 名前に蝦夷(エゾ)と付いてはいますが、北海道以外にも分布しています。ハルゼミは松林に生息しますが、「エゾハルゼミ」はブナ、コナラ、クヌギ、カエデなどで構成された落葉広葉樹林を好むようです。市街地では聴いたことがありませんよね?さすがは、北遠です。

 鳴き出しは♪オーギィーオーギィーで、それに続いて♪キギギギギギギ…。別のセミかとも思ったのですが、「エゾハルゼミだよ」とのこと。

 エゾハルゼミの鳴き声.mp3をダウンロード

 はい、逃がすよ~!

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これが「謎の蝶」と言われた「ヒサマツミドリシジミ」

Hisamatsumidori4  昨年、竜頭山で見つけた樹上性のシジミチョウ「ゼフィルス」の名を、「ジョウザンミドリシジミ」ではないかと紹介したことがあります。

 今回、たまたま竜頭山で出会った人の話では「ジョウザンミドリシジミは日本海側がほとんど。ここにはいないはず」とのこと。「おそらく、ヒサマツミドリシジミだったと思うよ」とのことで、「ほら、捕まえた!これだよ」と手の平に載せて見せてくれました。

 なるほど、同じだ。「ヒサマツミドリシジミ」に訂正させていただきます。

 それにしても、こんな希少な蝶をいとも簡単に捕まえてくれるこの人は誰?世界中の蝶を種集して回り、今ではこの「ヒサマツミドリシジミ」だけを追い駆けて日本中を回っているそうです。

 かつては「謎の蝶」「日本産最稀種」と言われた蝶が、竜頭山には生息しているのです。

 ちなみに、「ヒサマツ」とは、この蝶が初めて確認された鳥取県の久松山(きゅうしょうざん)の誤読のよるものとのこと。誤読なら、訂正すればいいのに…。

 みなさん、「ヒサマツミドリシジミ」の名を覚えておいてください!

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「天竜川・杣人の会」7月(第68回)定例会のお知らせ

 NPO法人「天竜川・杣人の会」会員の皆さんへ。事務局から、7月定例会のお知らせです。

 1.日時 平成23年7月20日(水) 19:00~
 2.場所 浜松市民協働センター 第3研修室(旧)まちづくりセンター

 7月(第68回)定例会のお知らせ.docをダウンロード

2011年6月23日 (木)

ミカンの力で猪鼻湖を浄化 今夏、浜松・三ケ日高生が水質改善実験

Mikkabi  浜松市北区の三ケ日高校は群馬工業高等専門学校などと協力して今夏、ミカン炭などを使った水質改善を実験する「三ケ日のミカンパワーによる猪鼻湖の探検とクリーン大作戦」を行う。同高校で事前説明会が行われ、生徒らが取り組みへの関心を深めた。

 科学技術振興機構(JST)の科学コミュニケーション連携推進事業の一環。猪鼻湖に実験用のイカダを設置し、地元三ケ日のミカンの木を焼いたミカン炭と多孔質素材の炭素繊維を水中につり下げて水質改善効果を調べる。また、湖底には水中カメラを取り付け生物調査や湖底の汚れなどを観察し、地域に根ざした環境学習につなげる。

 説明会では、すでに地元のボランティア団体と猪鼻湖で水質浄化実験を行っている同高専の小島昭特命教授から、水中の汚濁物質を吸着する炭素繊維の特性や取り組み方法などについて説明を受けた。生徒らは「話を聞いて炭素繊維のすごさが分かった。自分たちの学校がとても重要なことをやるんだと実感がわいた」などと話した。

 今後の計画では、環境コースの生徒が中心となり、7月末にイカダの組み立て、8月上旬に水中カメラによる湖水、湖底調査など、同下旬にミカン炭を作ってイカダに設置する計画。

 その後も、水質改善の経過観測をしていくという。(「中日新聞」より)

 NPO法人「天竜川・杣人の会」のHPを「だいすき!北遠」へ統合することになりました。「杣人の会」は森林や環境の問題を考えて、今、私たちにできることをやって行こうという団体。今後は、こんな環境に関するニュースも、「出かけよう!北遠へ」のブログで発信していくことにします。

光るキレイな蝿「アシナガキンバエ」

Ashinagakinbae9  ハエ目アシナガバエ科の「アシナガキンバエ」というらしいです。羨ましい名前…。

Kinbae0  腹部が太いのが♀で細いのが♂。金属みたいにキラキラ光る「アシナガキンバエ」の♀のようです。

 もう1枚もキンバエの仲間のようです。「らしい」とか「ようです」とか、気に入らない言葉遣いをお許しください。

 蝿のくせに、キレイですね。

還暦祝いの赤い虫2種

Benikamikiri3  突然飛んで来た赤いカミキリムシ。しばらく私の周り飛び、愛車のボディーに止まりました。カミキリムシ科の「ベニカミキリ」。艶消しの渋い赤色、胸部には5つの黒紋が目立ちます。

Kuroboshitsutsuhamushi3  もう1種は、ハムシ科の「クロボシツツハムシ」です。こちらは、大きなテントウムシみたい。同じ赤色でも、やや朱色がかっています。

 60歳の誕生日を過ぎ、自分で言うのもなんですが、還暦祝いの赤い虫です。

まめに過ごせますように…マメ科4種

 属こそ違いますが、マメ科の植物を4種並べてみます。

 先ずは、クララ属の「クララ」。次に、ミヤコグサ属の「ミヤコグサ」、コマツナギ属の「コマツナギ」とソラマメ属の「クサフジ」です。

 世界中のみんなが「まめに過ごせますように」の願いを込めて、天竜川の河原で撮ったマメ科の写真をどうぞ!

Kurara4 Miyakogusa0
マメ科クララ属クララ マメ科ミヤコグサ属ミヤコグサ
Komatsunagi6 Kusafuji7
マメ科コマツナギ属コマツナギ マメ科ソラマメ属クサフジ

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ユリズイセンで吸蜜するモンキアゲハ

Yurizuisen4  実家の庭にも、祖父が植えた「ユリズイセン」がありました。派手な色彩の花でしたが、まさか帰化植物だとは知りませんでした。

 原産地はブラジル北部だとのことですが、大正末期に渡来し最近では野生化が進んでいます。

 アルストロメリアの原種の1つとも言われている「ユリズイセン」は、東雲名のスーパー林道を少しだけ登った辺りで咲いていました。

 そんな「ユリズイセン」に「モンキアゲハ」が吸蜜に来ていました。黒い翅に白い紋。分かりやすい大型の蝶です。

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「ニワトコ」の真っ赤な実

Niwatoko2  龍山の県道285号沿いで見つけた真っ赤な実。4月には、光明山で咲いた花を紹介したのですが、あれから2ヵ月―「ニワトコ」の実です。

 え~と、ここはどこ?「やすらぎの湯」の隣りです。

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小冊子『川合花の舞しおり』②―舞処の設置と採物

Byakkai2_2  黄色い小冊子『川合花の舞しおり』(川合花の舞保存会発行)の記述をさらに紹介させていただきます。

 3 川合における舞処の設(しつら)え

 舞処の設置と採物

 花の舞は舞処(まいど)の装置から採物、演技、芸態のすべてにわたって宗教的世界観により彩られている。

Yubuta  舞処の中天はザゼチと呼ぶ五色の切り紙と紙垂(しで)で装飾されたビャクカイとユブタの天蓋(てんがい)、そして中央のビャクカイから四方の支柱へ、さらに支柱間に張り渡した縄に吊りつけたザゼチと紙垂のおびただしいまでの装飾によって覆われる。これらはすべて神々をこの場に勧進するための祭場の装置である。

 舞処の中央には大きな湯釜を据え、この湯釜に向って祭文を唱えて神々を勧進する。神事は湯立を中心に行われ、この場をもって祭場を清め、勧進した神々に湯を献じ、舞人や氏子たちをも清め、罪穢れを祓って再生復活を祈祷する。

 舞人が手にする榊、鉾・刀剣などの採り物も一種の依代(よりしろ)であって、これを持って舞うことにより、採り物を清め、祭場の除魔を行って神を降ろし、神の示現を招来するのである。

 釜を据えて湯を沸かし周囲の人にその湯を降りかけて清める「湯立」と、面を被って舞う「神楽」とが伊勢神楽の要素。「川合花の舞」でも、この二つが伝承されています。

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 ●奥三河地域では「花祭り」、ここ佐久間では「花の舞」…
 ●三遠南信の農村、山村には、現在でも古代・中世からの信仰を反映した祭りが…
 ●「花の舞」が舞われる「舞処(まいど)」の中央には…
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これが秋葉の小天狗―テングチョウ

Tengu3  「秋葉山で天狗蝶(テングチョウ)を見てみたい」とは、私が冗談で言っていたこと。もちろん、三尺坊の烏天狗からイメージした話でしたが、「見れるんじゃない?」と感じてもいました。

 その望みが、あっさりと叶いました。

 翅裏の枯葉模様と天狗の鼻のように飛び出した頭部。何頭も何頭も舞い始め、スーパー林道の道路上やコンクリート擁壁に止まります。残念ながら、翅表は撮影できませんでしたが、それは、次の機会にしましょう。

 今年の3月に初めて撮影したのは、神沢(かんざわ)でした。その時にはピントもイマイチだったのですが、今回は4本脚がよく分かると思います。たくさん撮りましたので…。

 さあ、これが、秋葉の小天狗です!

Tengu8 Tengu9

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真夏日の竜頭山、富士山の遠望

Fuji7  太平洋高気圧が張り出し、気温が上昇した「夏至」の昨日(6月22日)、真夏日を記録した北遠でしたが、竜頭山山頂は快適でした。

 西側を見下ろせば天竜川、東を望めば遠く富士山も見えました。真ん中に写っているのが富士山です。

 …と言っても、見えませんよね。山頂でも、「残念だけど、写真には写らないよな」との会話が交わされていましたが、確かに見えていたのです。

時間 気温
(℃)
降水量
(mm)
風向
(16方位)
風速
(m/s)
日照時間
(分)
積雪深
(cm)
22日
(水)
15時 29.8 0.0 西 1 30 ---
14時 32.3 0.0 東南東 2 56 ---
13時 32.9 0.0 南南東 2 50 ---
12時 30.6 0.0 北西 2 34 ---
11時 30.0 0.0 西北西 1 38 ---
10時 29.8 0.0 1 60 ---

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2011年6月22日 (水)

竜頭山のサラサドウダンとチチブドウダン

Sarasa8  6月22日、竜頭山に登りました。と言っても、またしてもスーパー林道「天竜の森」からのお手軽登山。山頂を過ぎ、展望台まで行って来ました。開花が遅れたとはいえ、シロヤシオはとっくに散ってしまっていましたが、「サラサドウダン」が少しだけ残っていましたので紹介しましょう。

Chichibu9  ツツジ科ドウダンツツジ属ですから、近頃紹介している真っ赤な「チチブドウダン」と同じ仲間。いわゆるドウダンツツジや「チチブドウダン」と比べるとやや大きな花です。白地に濃いピンクの縞模様が入ります。

 竜頭山ですから、もちろん自生。すぐ隣りに「チチブドウダン」も咲いていました。

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小冊子『川合花の舞しおり』①―民俗学的意義

Hananomai653  ある朝、妻が自慢そうに出した黄色い小冊子―「欲しかったでしょう?」。

 同じ職場の同僚の娘さんが、佐久間町川合に嫁ぎ、昨年から「花の舞」の話題が出ていたのだそうです。そして、「2冊あったから」と『川合花の舞しおり』(川合花の舞保存会発行)をくれたのだそうです。もちろん、欲しかった1冊。ひったくるようにして手に取り、鬼の面が描かれた表紙を開いてみました。

 目次の順番は前後しますが…

 9 “花の舞”の民俗学的意義と芸能の分布

 民俗学的意義

 佐久間町の花の舞、愛知県北設楽郡の花祭はともに湯立神楽の一種で、舞処の中心に湯釜を据えて湯立てをし、湯清めの舞と祈祷とを行って、一陽来復とともに人間の生まれ清まりを祈願する神楽である。湯釜の真上に吊されたビャクカイ(白蓋)と四方に配されたユブタと称する天蓋風の五色の紙飾りをした装置に神々を招請し、そのもとで祓い・清め・鎮魂などの神事をする神楽の古い形をそのまま演出している。

 花祭の「花」の語義については、稲の花の意であるとか、鎮花祭の花であるとか、花山院を祭る花山祭の略称であるとか諸説がある。花の舞は花祭そのもの、あるいは花祭の舞の一演目たる花笠を頭上に頂いて稚児たちが舞う花の舞に由来する名称で、花そのものは神霊の依代(よりしろ)でもあり、穀物の豊かな稔りを約束する花穂のシンボルでもある。

 この芸能の起源は、中世の頃、湯立神楽を職能とする修験などの宗教者たちが山村にもたらした呪術的神事が、在地の信仰と集合して成立・定着したところにあるといわれる。

 2011年7月2日(土)、浜松アリーナにおいて開催される浜松市伝統芸能の集い『浜松の祈り 明日への祈り』(入場無料)にも、「川合花の舞」は登場します。

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 ●「花の舞」は、愛知県奥三河地方に残る「花祭り」と同じ系統のもので…
 
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● 「川合花の舞」は静岡県無形民俗文化財に指定されている…
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 ●奥三河地域では「花祭り」、ここ佐久間では「花の舞」…
 ●三遠南信の農村、山村には、現在でも古代・中世からの信仰を反映した祭りが…
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とうとう撮った青い蜂「オオセイボウ」

 昨年、撮り逃がした青い蜂「青蜂(セイボウ)」の撮影に成功しました。

 今回の撮影は、大園の市民の森ハイキングコース。ヒメジョオンの花で時間をかけて集蜜ではなく吸蜜しているようでしたのでカシャ♪。どうやら、「セイボウ」の仲間の「オオセイボウ」だったようです。

 寄生蜂の一種で、泥で作られたスズバチの巣に卵を産み付けるチャッカリ者。孵化した幼虫は、スズバチの幼虫に寄生して育つのだそうです。

 まるで金属で作られたような輝き。雨上がりの日射しを跳ね返して青く光っていました。

Seibo0 Seibo1
Seibo6 Seibo46

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ニホンジカが増えている「現の証拠」

  Fun1 水窪のスーパー林道添いにある施設「カモシカと森の体験館」は、すでに本年3月31日で閉館となっています。体験館とスーパー林道との間には、以前、ジャノメチョウを追い駆けた草むらが広がっているはず。

 さぞや草茫々の状態だろうと心配していたのですが、何と予測に反して、背の高い草はほとんど気にならない程度。手入れの行き届いた状態で…。

Fun0 おや?シカの糞がありますね?獣糞を食べるオオセンチコガネもウロウロ。あっちにも、こっちにも、ニホンジカのものと思われる糞が散らばり、刈り取られたように見えた草は、ニホンジカの餌になったものと思われます。

 おや、おや…。

 そんな中でも緑の葉を残している植物があります。しかも、小さな白い花を咲かせています。さて、何でしょう?

Gennosyoko9 その答は、ニホンジカが嫌うフウロソウ科の「ゲンノショウコ」。逆に考えれば、この「ゲンノショウコ」だけが目立っているのが、ニホンジカの食害に遭っている証拠なのです。

 スーパー林道を走っていると、ときどき出会うニホンジカやカモシカ。それはそれで嬉しいものです。ただし、それはあくまでも「ときどき」程度の場合。最近のように、しょっちゅう出会うのは問題です。しかも、スーパー林道だけでなく、山裾の人家や畑の周辺でも見かけます。これは、自然環境のバランスが壊れている証拠。

 私たち人間が自然を壊している「現の証拠」なのです。

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白いオカトラノオの花で吸蜜している白い蝶

Okatoranoo3  ここは百古里(すがり)―白いオカトラノオの花で吸蜜している白い蝶。スジグロチョウとルリシジミです。

 昨年と比べて開花が遅れている気がしていたのですが、大園のハイキングコースで咲いているのを見ましたので、すぐに百古里に走ってみました。

Rurisijimi0  多年草ですから、探すのは簡単。昨年確認した場所まで歩くと、このクニャリと曲がった白い花穂が遠くから私を招いていました。日当たりのよい林縁に生育し、日射しの方を向いて花穂を伸ばします。

 咲いてる、咲いてる!一番乗りかな?あれ?私よりも先に蝶が来てるじゃん!

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2011年6月21日 (火)

オカトラノオと大滝集落の茶園

Okatoranoo1  偶然と言えば偶然、当たり前と言えば当たり前ですが、2009年も2010年も、6月21日に「オカトラノオ」を紹介していました。

Ootaki2  サクラソウ科の「オカトラノオ」の花は、花穂の根元から先端に向けて花が咲き上がって行くのですが、今年はまだ蕾が膨らみ始めた程度。場所が違うとは言え、やはり季節の進行が遅れているようです。

 見つけたのは、佐久間町の大滝集落。山の斜面いっぱいに広がる茶園が、いかにも北遠らしい風景を見せてくれていました。

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大滝の「馬乗り馬頭観音」を詠んだ歌

Bato4 背に塩の馬の行きけむ道の辺の観音様は馬に乗ります (浜松市)斉藤佳彦

 先月、大滝の「馬乗り馬頭観音」を訪ねた兄が投稿し、6月5日付「中日歌壇」に掲載された短歌です。少し気恥ずかしい感じもしますが、紹介します。

 佐久間町の大井から大滝に続く塩の道、秋葉古道は決して分かりやすくはありません。天竜川を見下ろす大滝集落で訊ねてみたのですが、「行者様」がなかなか分かってもらえず、ようやく「あ~、あそこだ!」と教えていただいた集落下の山道に車を停め、見上げた先にある小さな祠を目指して斜面を登りました。

 祠に祀られていたのは、「青面金剛像=庚申様」でしたが、きっとこの先が秋葉古道のはず。ほとんどけもの道程度の山道でしたが、石畳の道の脇には石が積まれ、かつては人々の往来があった古道の雰囲気が感じられます。

Gyoja7  歩けど歩けど景色は変わりませんでしたが、「山道を10分くらい歩けば、行者様が見えるよ」と教えていただき、ところどころに「秋葉古道」を示す標識もあり、自信を持って前に進みました。

 すると、目の前に見えたのは、自然に剥離したと思われる大きな石に彫られた「天照皇太神宮 秋葉大権現 金毘羅大権現」の神号碑。そして、その奥には、役の行者の石像を納めた石の祠が見えます。

 祠の前に並ぶ2基のうち、向かって左がお目当ての「馬頭観音」。1ヵ月前に兄が見て歌を詠んだ、あの「馬乗り馬頭観音」です。

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2011年6月20日 (月)

北遠大好き!のあなたへ 四つ葉のクローバー

Clover8  最近、好いことがないなあ?と感じているあなたへ。四つ葉のクローバーです。

 あるところにはあるもので、国道152号の龍山の道路脇に、あるわあるわ…。真ん中の四つ葉の下に隠れているのも、四つ葉です。

 あまりにもたくさんあり過ぎて、摘むのを止めました。今年の北遠には、きっと幸運がやって来ますよ。「北遠大好き!」のあなたにもね。

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参道を彩るハナミョウガの花とモミジイチゴの実

Hanamyoga4  スーパー林道は、東雲名から始まります。

 秋葉神社の参道となっているスーパー林道脇に、薄暗い林内を彩る淡い紅白の花が見えてきます。これは、ショウガ科ハナミョウガ属の「ハナミョウガ」の花。「茗荷(ミョウガ)」の花ではなく、「花茗荷(ハナミョウガ)」の花です。

Momijiichigo4  近くには、「七葉紅葉」を神紋とする秋葉神社にふさわしい「紅葉苺(モミジイチゴ)」がオレンジ色の実を付けていました。

 食べてみたかって?いえ、たくさんは成っていませんでしたので…。

 私の北遠行きは、いつも道草ばかり。でも、これが「正しい北遠の楽しみ方」です。

 さて、今日は、どこに行きましょうか?

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「北遠に来たな」と感じさせてくれるサカハチチョウ

Sakahachi54  山道で「サカハチチョウ」に出会うと、「北遠に来たな」と感じます。自宅の近くで出会うことはありませんが、北遠に来ればいつでも会えます。

 写真は、水窪の「野鳥の森」入口で撮影しました。

 「サカハチチョウ」は、まだ春型でしたが、衣替えした夏型の登場は7月に入ってからでしょうね。

 蝶の図鑑―INDEX…検索はこちらからお願いします。

白い小さな花―アオイ科「ウサギアオイ」

Usagiaoi0  葉を見ればアオイ科だと分かるのですが、立ち上がらずに地を這うように広がっています。小さな白い花で、別名は「ハイアオイ」。アオイ科ゼニアオイ属、地中海沿岸原産の1年草です。

 本名は「ウサギアオイ(兎葵)」。酒井法子が歌った『碧いうさぎ』とは関係ありません。

 自宅付近を散歩の途中で見つけました。

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楽しい麻布の山歩き⑥―ガレ場でも育つイワニガナ

Iwanigana9  キク科ニガナ属の「ジシバリ」など別に珍しくない、と思われるかも知れません。でも、この「ジシバリ」は麻布山山頂付近のガレ場で生育していたのです。

 ちょっと驚きませんか?

 「ジシバリ」の本名は「イワニガナ」―乾燥に強く、荒地やガレ地、岩場にも生えるので「岩苦菜」なのだそうです。

 ガレ場で見つけたので「イワニガナ」。見慣れたタンポポの仲間が、こんなところにも育っていました。

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2011年6月19日 (日)

天浜線でふるさとぶらり 浜松学院大生がツアー企画

Tenhamasen  浜松学院大(浜松市中区)地域共創学科の学生が企画した天竜浜名湖鉄道の貸し切りツアーが18日開かれ、雨宮正一学長をはじめ、学生や教職員34人が沿線の魅力を味わい、地域課題を考えた。

 企画したのは、佐藤克昭教授のゼミに所属し、地域経済を学ぶ渡辺翔さん=3年生=。公共交通に関心を寄せていた渡辺さんは昨年、名倉健三・天竜浜名湖鉄道社長の講義を受け、同社が力を入れる貸し切り列車の存在を知った。「乗ったことがない学生も多く、それならと考えた」と話す。

 一行は、新所原駅をスタートして掛川駅までの全区間を乗車。天竜二俣駅では、転車台や鉄道歴史館を見学した他、名倉社長の話を聞いた。車内では車窓を流れる風景やカラオケを楽しみ、特製弁当に舌鼓を打った。掛川では農園を訪れ、キウイフルーツを味わった。

 浜松市在住ながら初めて乗車した平田早紀さん=3年生=は「木の間を通り抜け、まるで“トトロ”の世界」と喜んだ。

 「現場、現物、現実」を知る大切さを学生に説く雨宮学長は「今回、学生から具体的な提案が出てきたことがうれしい」と振り返り、渡辺さんは「ローカル線の研究に生かしていく」と語った。(「静岡新聞」より)

 私が最後に乗ったのは、いつのことでしょう?子どもたちがまだ小さかったから、20年ほど前?

 北遠の駅は、「天竜二俣駅」「二俣本町駅」「西鹿島駅」の3駅です。

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大滝に祀られる「馬乗り馬頭観音」

Bato5  以前、水窪の竜戸に祀られている「馬乗り馬頭観音」を紹介したことがあります。ところが、もっと知られた佐久間の大滝の「馬乗り馬頭観音」を紹介するのは初めてです。

 かつての塩の道、秋葉古道であった山道を行くと、杉林の中に板状に剥離した緑色片岩を重ねて造られた祠が見えて来ました。中には役(えん)の行者の石像が納められ、「行者様」と呼ばれているようです。

Bato9  その「行者様」に向かって左前にあるのが、「馬乗り馬頭観音」。しばしば紹介されていますので、ご存知の人も多いかも知れませんね。

 残念ながら馬頭の半面が破損しています。

 対となる向かって右前の馬頭観音は、よく見る頭上に馬頭を頂く姿。ともに、舟型光背の美しさが印象的です。

 現在は杉が生い茂り、けもの道程度の細い道となっていますが、かつては秋葉詣の旅人が往来し、交易の道でもあったはず。きっと、馬の背に荷物を載せてこの山道を歩く風景も見られたことでしょう。修験道ゆかりの「行者様」の前に立つ2基の馬頭観音に、当時の暮らしを垣間見ることができたような気がしました。

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楽しい麻布の山歩き⑤―麻布の名の由来

Azabuyama9  「麻布山」の山頂まで、あと少しのところにある登り。「ここまで来れば、まあ、いいか」と諦めかけ、「『麻布』の手前だから、六本木か、元麻布か」との言い訳が頭を掠め、「はて、何で『麻布』の名が山に付いているんだろう」との疑問が芽生えました。

 気持ちが萎えかかった時に、この日唯一の登山者と出会いました。「山頂までは、まだまだですか?」「いや、もうすぐですよ」「疲れたので、もう戻ろうと思ったんですけど…」「ここまで来たら山頂まで行ってくださいよ。もっとも、見晴らしはよくありませんがね」。

Azabuyama6 岩場を登り切ると、「麻布神社奥院跡地」に小さな石塔が立ち、木の幹には次のようなことが書かれた看板が巻かれていました。

 この麻布神社、当時の江戸の麻布区の名を取って麻布と名記した。そこに大信者が居ったようです。昔、あのみかん舟で有名な紀国屋文左衛門が九月祭りに参拝し雨の降る神社前に土下座して無事のお礼申し上げる姿見て参拝者一同涙を流したそうです。この有名な人が無事の奉願を江戸の空からしたのかと参拝者一同麻布神社の力に驚いたそうです。この後おいて水窪の山林に土地を買ったそうですが又、販売のよう。

Azabujinja7  「麻布」と言えば、現在の東京都港区の「麻布」が連想されてはいたのですが、かつては「麻布区」。その連想はあながち的外れではなかったようです。

 これでもう、あなたも標高1,685メートルの「麻布山」の名前を忘れられなくなりましたね?「野鳥の森」から入山し、尾根伝いに2時間半の山歩きで「麻布山」山頂に登頂できます。

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鈴生りの真っ赤なグミの実

Gumi3  子どもの頃、近くの親戚の家にグミ(茱萸)の木がありました。兄弟たちは、グミの実を採っては食べていたのですが、私はどうも苦手。たまたま、初めて食べたグミが、とびきり渋かったからかも知れません。

 現在、お菓子として売られているゼラチンで固めたププニプニのグミキャンディーの「グミ」とは、ドイツ語でゴムを表わす「Gummi」から名付けられているのですが、なぜか連想してしまうのは私だけでしょうか?

 北遠の民家の軒先で、鈴生りの真っ赤な実がびっしりと付けていました。

2011年6月18日 (土)

「広報はままつ」の表紙を飾った「龍山緑の少年団」

Kouhou  天竜区版「広報はままつ」2011年5月20号の表紙で紹介されたのは、「龍山緑の少年団」。

 ■ようこそ 緑の少年団へ
 4月29日(金)、龍山緑の少年団の入団式が行われました。今年度は、龍山第一小学校3・4年生6人が新たに入団。龍山総合センターで式が行われた後、秋葉山へ移動してスーパー林道天竜線沿線にサツキの苗135本を植樹しました。

Kinensyokuju9 先日、秋葉山へ登るスーパー林道の斜面で、「23年度記念植樹」の看板を見つけました。サツキが植えてありましたので、きっとこの時の苗でしょう。写真を撮って来ましたので紹介します。

 「緑の少年団」とは、緑と親しみ、緑を愛し、緑を守り育てる活動を通じて、ふるさとを愛し、人を愛する心豊かな人間に育っていくことを目的とした子どもたちの団体。秋葉山参道でもあるスーパー林道では、「龍山緑の少年団」が植樹した木々が訪れる人を迎えてくれます。

「空から日本を見てみよう」―天竜川…南アルプスを望む天空の秘境生活

Watarazu  6月16日に放映された、テレビ東京の番組「空から日本を見てみよう」―見ていないでしょうねえ?私は、たまたまアナログ放送のテレビ愛知を入れていましたので、運好く見ることができました。

 長野県から愛知県、静岡県を経て太平洋へ注ぐ“天竜川”上空をひとっ飛び!愛知県豊橋市と長野県辰野町を結ぶJR飯田線の秘境駅等を巡る。天竜川河口にある中田島砂丘(静岡県・浜松市)を出発。“渡らずの鉄橋”の愛称で知られる飯田線最長の橋梁を眺め、飯田線の中でも秘境駅中の秘境駅「田本」を経て長野県最南端の秘境「下栗の里」へ。“天空の集落”での暮らしぶりを空から眺めながら進み、天竜峡へ向かう。

Oosawa  これは、テレビ東京の番組案内です。「くもじい」と「くもみ」とが空から見ているという想定の空撮中心の番組構成。天竜川を遡り、和泉の「ぐり茶」、水窪川沿いに北上し「渡らずの鉄橋」を通過、大沢集落では索道を使って空中を飛ぶ敷き草を紹介していました。

 飯田線の秘境駅「小和田駅」から長野県へと向かい、南アルプスや「下栗の里」を経て、諏訪湖に到着して番組は終了。普段では見ることができない空から見た北遠の風景を堪能することができました。

 油断していましたので、録画することができませんでしたが、誰か録った人はいませんか?なかなか良い番組でしたよ。誰か録っていないかなあ?

天竜川に架かる「戸口橋」から久根が見える

Toguchibashi3  6月18日(土)、午前9時29分―天竜川に架かる赤い下路式トラス橋。国道473号線横の「戸口橋」です。

 手前にある「大井橋」は水窪川に架かっていますので、天竜川に架かる「大輪橋」の1つ上と言えば「戸口橋」ということになります。

 赤い橋の下に見えているのが、先日、ルーツ探しの姉妹と一緒に訪ねた久根鉱山跡。その後、戸籍を遡り、「磐田郡佐久間村佐久間八番地」に居住していた「塩澤栄十、さけの次女が2人の曾祖母すゑ」というところまで分かったとのことです。

 秋葉ダムでは放流が行われていましたが、この水位では佐久間ダムは放流されてはいないようです。時々、小雨が降る1日となりましたが、帰路で見た秋葉ダムでは、もうゲートは閉められていました。

 「磐田郡佐久間村佐久間八番地」とは、現在の何処になるのでしょうか?

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川霧に霞む天竜川の橋2景

Tatsuyamaohashi0  6月18日(土)、天竜川の橋2景です。

 1枚めは、昭和30年(1955)に完成した緑色の上路式デッキトラス橋の「龍山大橋」(7:03撮影)。橋のすぐ下流に秋葉ダム第二発電所の放水口が設けられ、勢いよく水が流れ出ています。

Minenosawabashi9  そのまま県道285号を北上すると、次に現われるのが、秋葉ダムのすぐ下の架かる赤い吊り橋「龍山橋」、次が秋葉ダムの堰堤道路で、次の次が平成3年(1991)に完成した歩行者専用の吊り橋「峰之沢橋」(7:38撮影)です。

 ともに、川霧に霞んでいますが、そこがまた魅力。いかにも「大天竜に架かる北遠の橋」という感じがしませんか?

梅雨の6月18日、「秋葉ダム」放水

Akihahouryu9  6月18日(土)午前7時、「秋葉ダム」でゲート1門が開放され放水が行われていました。

 天竜川左岸、県道285号から見た「秋葉ダム」です。

今秋のろしリレー 10カ所の城跡つなぐ 天竜区

Noropshi  浜松市制100周年記念事業「100夢プロジェクト」の一環で、山城の魅力を広く発信していく「北遠山城歴史旅」の実行委員会設立会議が17日、浜松市天竜区内で開かれ、城跡を結ぶ「のろしリレー」や城跡見学ツアー、歴史講座の開催、「山城弁当」の開発に取り組むことが決まった。

 実行委は天竜区内の観光協会や森林組合、自治会、商工会など約30団体で組織する。実行委員長には青山喜宥・前天竜森林組合長が就いた。来賓の水谷浩三区長は「オール天竜といった顔ぶれ。区としても応援していきたい」とあいさつした。

 主な事業は、のろしイベント▽城跡見学会▽オリジナル山城弁当の開発―の3点。のろしイベントは今秋の「峠の国盗り綱引き合戦」に合わせて行い、高根城や犬居城、二俣城、浜松城など10カ所をつないでいく予定。(「静岡新聞」より)

 何だかワクワクして来ます。これがホントの「100夢」ですよね。期待しましょう!

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山城遺跡で地域活性化 浜松市・北遠地域に「歴史旅」実行委が発足

Kankokyoukai  浜松市の北遠地域に多く残る山城遺跡を地域活性化に生かそうと、「北遠山城歴史旅」実行委員会が発足、17日に天竜区二俣町の天竜観光協会で第1回会合を開いた。

 実行委員会は天竜区内の連合自治会や観光協会、商工会、森林組合、地域づくりや文化団体、運輸事業者など28団体で組織。企画イベントは市制100周年記念事業100夢プロジェクトの一つとして採択された。

 第1回会合では本年度の事業計画や予算などを審議、承認。事業では▽10月23日の峠の国盗り綱引き合戦にあわせて兵越峠から浜松城までを結ぶのろしリレー実施▽のろしリレーと城跡の見学会開催▽オリジナル山城弁当の製作-などを決めた。

 発起人代表で実行委員長に選出された青山喜宥さんは「きょうから事業計画を具体的に進めたい。みなさんの協力を」と呼びかけ、水谷浩三天竜区長は「地域資源を活用して天竜区の魅力を全国発信できる。区としても応援したい」と話した。

 北遠地域は戦国時代に武田、徳川両軍が激しい戦いを繰り広げるなど、戦国武将の足跡を多く残す。北遠と湖北両地域で約100カ所の山城遺跡があり、実行委員会ではこれら遺跡群を将来は国指定史跡となることを目指してアピールしていく。(「中日新聞」より)

 今年は、北遠の山城を巡ってみてはいかがでしょう?私は、朝早くから上平山の「塩の道」を歩き、たった今戻ったところです。

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ふるさとものがたり天竜「家康、二俣城奪回」より

Ichiyajo  天正三年(一五七五)、光明城を手中におさめた徳川家康は、いよいよ二俣城奪回に向けて準備をすすめた。
 まず毘沙門堂(二俣旭町)、鳥羽山、蜷原、渡が島(下阿多古)に、それぞれ砦を築き、二俣城をぐるりと取り囲んで、本陣を鳥羽山においた。そしていよいよ戦闘開始。
 長篠の合戦で大勝利をおさめて、勢いに乗る家康は、激しく二俣城をせめたてた。
 時の城主依田信蕃(のぶしげ)はよく守ったが、食糧がつきて、とうとう開城に追い込まれた。ところがその当日はあいにくの雨だったので、依田信蕃は、
「みの笠姿で退城するのは、武士として情ない。どうか晴れるまで待ってほしい。」
と、家康に申し入れた。
 心のあたたかな家康は、心よくそれに応じ、依田信蕃は、翌日静かに二俣城を去って行った。

 念願の二俣城奪回に成功した家康は、光明、二俣に続いてその翌年、ついに犬居城をも手に入れて、北遠における立場を、より強固なものとした。(「ふるさとものがたり天竜・第8章北遠天竜における徳川家康」より)

   ◆       ◆       ◆       ◆

 写真は、2009年、天守台上に造られた「二俣一夜城」です。

 2011年11月19日(土)、20日(日)、市制100周年記念事業「第18回全国山城サミット浜松大会」が開催されます。

 よく言われるように、北遠は山城の宝庫。あなたは、いくつ訪ねたことがありますか?

 ■「ふるさとものがたり天竜」INDEX

楽しい麻布の山歩き④―バイケイソウだけが目立つ林床

Baikeiso0  麻布山への登山道に入ってしばらくすると、ニホンジカが現われました。もっともその前から、バイケイソウだけが目立つ林床に違和感を感じていたのですが…。

 バイケイソウは毒草です。毒性の強いアルカロイドを含み、誤って食べると死に至る危険もあります。ニホンジカはバイケイソウが毒草であることを知っていますので、決して口にしません。つまり、他の植物がニホンジカによって食べられてしまい、その結果、食べ残されたバイケイソウだけが林床を覆う、異様な光景が生まれているのです。

Baikeiso6  一見、登山道が明るくなり「薮漕ぎをしなくて良くなった」と歓迎している人たちもいますが、麻布山にバイケイソウだけが残されているのは、ニホンジカによる食害の結果です。自然生態系が壊され生物多様性が失われ、餌をなくしたニホンジカたちは山里へと下りて来て畑を荒らし始めています。

 杉やヒノキは樹皮を剥がされ枯れ始めています。針葉樹や広葉樹の苗木も、芽を食われれば生長できません。今は増え始めている野生鳥獣たちも、やがては自らの住処を失うしかないのです。その時には、豊かだった北遠の森林も木も草も生えぬ禿山に…。そんな現実が明日にも起る可能性があるのです。これは、決してオーバーな表現ではありません。

Baikeiso16 もはや、一刻の猶予もできません。私の目の前を素早く横切ったニホンジカは、悠々と谷に下りて行きました。その足元には、バイケイソウが…。

 辺り一面に、異様な光景が広がっていました。

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2011年6月17日 (金)

JR身延線 昨年度58件、5年間で6倍

Shikachui  富士市と甲府市を結ぶJR身延線で、シカと列車の衝突事故が急増している。JR東海静岡支社の集計によると、2010年度の事故件数は58件で、統計を取り始めた06年度(10件)の6倍近くに上った。シカの食害が目立つ伊豆半島では、県が本格的な駆除に乗り出しているが、富士地域での調査は行っていない。このため、県は今年度中に全県を対象とした生息調査に乗り出す。

 同支社によると、同支社管内の東海道線、身延線、御殿場線の3線でのシカの衝突事故は、06年度に13件だったが年々増加し、10年度は69件と過去最多に。このうち、最も多いのが身延線で、シカが活発に活動する早朝や夜間が多いという。

 事故増加の理由について、同支社は「シカの数が増えたためではないか」と推測する。県自然保護課によると、富士地域のシカは、日中、狩猟者が少ない国有林に潜み、夜になると餌が豊富な牧草地に下りて生活しているのが目撃されている。牛などが飼育されている牧草地の草は栄養豊富で、シカの妊娠率が高まっているという。同課は「富士地域はシカが住みやすく、繁殖しやすい」と分析する。

 身延線が通る富士宮市に寄せられるシカの目撃情報がここ数年で増加しており、シカがヒノキの樹皮を食べたり、朝霧高原などの牧草地まで下りてきて牧草を食べたりする様子が目撃されているという。

 山梨県みどり自然課によると、身延線が通る同県南部町、身延町など南アルプス地域でもシカが急増しており、推定生息数は、06年度の3000~6000頭から、08年度には約1万2000頭に増加した。

 事故の急増に伴い、JR東海は09年10月から、事故が頻発する区間での夜間減速運転を開始。今年5月までに芝川―稲子駅間など計5か所で、午後10時以降に時速10~30キロ減速している。

 減速することで衝突そのものを防ぐほか、衝突しても列車の受ける衝撃を和らげて、シカにも致命傷を負わせない狙いもある。

 減速した区間での事故件数は、09年度が0件、10年度が3件。同支社広報は「すべて防ぐことは出来なかったが、一定の効果はあった」としている。(「読売新聞」より)

 ニホンジカの個体数増加が、さまざまな影響を及ぼしています。消極的な対策だけでは限界。バランスの取れた自然環境を守るためにも、積極的な駆除に乗り出さなくてはいけません。その手段や資格者の養成が急務です。

田舎希望者の移住促進を 浜松市天竜区でくるま座会議

Kurumaza  田舎暮らしを希望する人たちの移住・定住促進施策を考える「くるま座会議」が16日、浜松市天竜区の天竜区役所で開かれた。

 県は交流人口を増やして地域活性化を図る「ふじのくに移住・定住促進戦略」を今年3月に策定。機運を盛り上げるためパートナー推進会議を設置し、地域版として取り組みの効果を高めるため県中部、東部、賀茂、西部の4地域でくるま座会議を開催している。

 西部地域の会議には行政担当者やNPO、グリーンツーリズム協会の代表者、そして移住実践者など25人ほどが出席。自己紹介をして意見を交わした。

 地域づくりを行うNPOの役員らは「高齢化が進み活動会員が減少している。若い人が移住してNPO会員になってもらえたらと期待を持って活動している」、「空き家になった教員住宅をお試し住宅として提供している」などと取り組みを紹介した。

 実際に他県などから天竜区や森町に移り住んだ人たちは「地元の人の温かさ」を口にしながらも、「若い人に来てもらうには家賃の安い住宅を提供することが大事」、「道路事情が厳しく、生活道の整備は行政の手当てが必要」などの意見、要望を挙げていた。(「中日新聞」より)

 定住者の問題が解消に向かえば、地域の活性化には良い流れとなります。まず、みんなで足を運びましょう。

伝説の神像―「小堀谷鍾乳洞」

Iriguchi2  「小堀谷鍾乳洞」は決して広くはありません。洞窟の長さは62メートルですから、少し奥に入るとすぐに裏口の明かりが見え、洞窟のような狭いところが苦手の人でも恐怖感や閉塞感はあまりありません。

Shinzo1  中央の回りこんだ辺りに高さ約10メートルのホールがあり、目には見えませんでしたが、コウモリの羽ばたく音が聞えました。天井から垂れ下がる鍾乳石や床から立ち上がる石筍などの名所はありませんが、伝説に語られている「神像」と呼ばれるお地蔵さまに似た石が壁際で異彩を放っています。

 頭部に似せた丸い石は後から乗せたもののようですが、見た目はまさしくお地蔵さま。

Deguchi3  地元の人の話によれば、洞窟はもっと長かったのだそうですが、狭くて危険なため埋められてのだそうです。昭和58年(1983)、旧天竜市により観光鍾乳洞として整備されたとのこと。ただし、車で行くには道が狭く、対抗車が気になります。

 洞窟マニアにとっては物足りなさを感じる「小堀谷鍾乳洞」は、知る人ぞ知る洞窟といった存在。里山の自然を楽しむつもりでの散策でしたら、ぜひお立ち寄りください!

 お帰りには、忘れずに電気のスイッチをOFF!

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楽しい麻布の山歩き③―ユキザサとツクバネソウ

Yukizasa23  岩嶽山で撮った、蕾を伸ばし始めたばかりの「ユキザサ」の写真を覚えているでしょうか?あれは5月8日。そして、今回は約1ヵ月後の6月12日、麻布山に向かう尾根道です。

 「ユキザサ(雪笹)」の名は、花の姿が雪の結晶に、葉の形が笹に似ているところから。その雪の結晶に似ているという花にピントを合わせて撮ったつもりでしたが…。

Tsukubaneso19  上を見たり、足元を見たりの山歩きでしたが、花が咲いている「ユキザサ」は少なかったんです。まあ、葉の方は笹っぽいので許してください!

 「ツクバネソウ」も咲いていましたが、こちらも大した写真ではありません。ゴメンナサイ!

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ギンリョウソウ=Indian Pipe

Ginryo77 Indian Pipe, also known as “Corpse Plant,” is one of the easiest plants to recognize. Unlike most plants, Indian Pipe doesn’t have chlorophyll, the stuff that makes plants green. Indian Pipe is a waxy, whitish color. It turns black when it gets old.

Indian Pipe grows only four to ten inches tall. It has flowers that droop and tiny, scale-like leaves. When they look at it, most people think Indian Pipe is a fungus.

Indian Pipe is usually seen from June to September. It grows in shady woods with rich soil and decaying plant matter. This plant is often found near dead stumps.

 「Indian Pipe」とは「ギンリョウソウ」のこと。「corpse」は「死体」、「chlorophyll」は「クロロフィル=葉緑素」、「fungus」は「キノコ」です。

 これで、大体の意味が分かりましたね?沢口山、門桁山、麻布山で、これでもかというほど見ましたので…。

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 ●岩嶽山の登山道のあちこちで、「ギンリョウソウ」が咲いていました…

2011年6月16日 (木)

秋葉神社大鳥居脇に咲く「シブカワツツジ」

Shibukawatsutsuji6  スーパー林道を登り秋葉山本宮秋葉神社第一駐車場に到着したのは、早朝6時18分。大鳥居脇に咲く「シブカワツツジ」の花を見つけました。

 厚く光沢のある3枚の葉が輪生し、その先に咲く紅紫色の花。「ジングウジツツジ」の1種、絶滅危惧Ⅱ類(VU)の「シブカワツツジ」ですが、秋葉神社で咲いているなら、「アキハツツジ」?

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古い絵葉書「峰之沢鉱業所 人車インクライン」

Incline655 磐田の佐口行正氏から電話が入りました。「静岡新聞に載っていた峰之沢の写真が手に入ったよ」「え~、本当?」。電話を受けた時から、待ち遠しくて仕方がありませんでした。

Incline656 5月27日付静岡新聞に掲載された「市制記念特集 浜松ぐるっと100周年 天竜区」の中に紹介されていた写真「峰之沢インクライン」を覚えていますか?

 “北遠の威容”と称された龍山町の峰之沢鉱山(69年閉山)では、傾斜面にレールを敷いた「インクライン」が活躍。従業員やその家族を乗せ、天竜川岸から鉱山まで延長547メートル、高低差265メートルの急斜面を走った。(「静岡新聞」より一部引用)

 インクライン 天竜川岸と山上の作業所をつないだ峰之沢鉱山のインクライン(昇降運搬装置)。移動時間が徒歩に比べて大幅に短縮され、作業効率が向上した(1952年=昭和27年版『龍山村勢要覧』より)

 佐口氏からお借りしたのは、「昭和二十七年四月 七、五〇〇瓲設備落成記念寫眞集 日本鑛業株式会社 峰之澤鑛業所」と題された袋付きの古い絵葉書の中の1枚。文字ははっきりとしない部分もあるのですが、「峰之沢鉱業所 人車インクライン(事務所プラット附近○○)」と書かれているようです。

Incline622  昭和27年(1502)と言えば、日本鉱業によって経営されていた峰之沢鉱山のほぼ全盛期。従業員700名を抱え、鉱山には診療所や映画館なども備えていたということです。「7,500トン設備」が何を意味しているのかは正確には分かりませんが、おそらく月産の採鉱、精鉱、あるいは処理の能力のことだろうと思います。『龍山村勢要覧』が編纂された同じ年、峰之沢鉱山では記念絵葉書を発行するほどの大きな設備拡張がされたようです。

 インクラインの高架は複線となっています。傾斜角は約30度。この巨大な運搬装置が、天竜川の左岸、下平山の急斜面を上り下りしていたのです。そう思って、峰之沢橋たもとの青谷ポケットパークから対岸を見てください。杉林の間に残る縦の裂け目が、インクラインの軌道跡。

 気になっていた峰之沢鉱山インクラインが写る古い絵葉書が、これです。

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背中に朱色の「×」模様「ヒメジュウジナガカメムシ」

Himejujinagakamemushi7  背中に朱色の「×」模様―カメムシ目ナガカメムシ科の「ヒメジュウジナガカメムシ」です。漢字で書くと「姫十字長亀虫(椿象)」。

 撮影したのは、水窪の麻布山。1匹2匹なら可愛いのですが、ウジャウジャいましたので、ちょっと困ってしまいました。

2011年6月15日 (水)

初夏の風物詩「ぎおん」満喫 水窪、花火遊び“解禁”

Misakubo 夏の到来が迫った14日、一年を通じて15日までの2日間限定で花火遊びが“解禁”となる浜松市天竜区水窪町特有の習わし「ぎおん」の日を迎え、町内各地で子どもたちが年1度の特別な2日間を思う存分満喫した。

 旧水窪町の史料によると、「ぎおん」と称して花火に興じる風習は、京都・祗園祭の神事の流れをくみ、簡素化して花火遊びが残った―という説が有力。一方、「大規模火災を防ぐ観点から火を扱う日が限定された」などと語る住民もいて、由来は謎のままという。

 両日以外は花火で遊ばないのが水窪地域のの暗黙のルール。日が沈むと、この日を待ち望んでいた児童や親子連れらが河原などに繰り出し、色鮮やかな花火に没頭する姿が町内のあちらこちらで見られた。(「静岡新聞」より)

 以前、「ナニコレ珍百景」でも紹介された、水窪伝統の「ぎおん」です。

 【関連記事】花火遊びは2日限定 初夏到来!水窪伝統「ぎおん」
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鮮やかなオレンジ色「ヒメキマダラセセリ」

Himekimadaraseseri8  イチモンジチョウを撮影していたところへ、割り込むようにしてオレンジ色の蝶がやって来ました。「ヒメキマダラセセリ」の♂です。「僕も撮って」と言っているようでしたので、カシャ♪。

 「ヒメキマダラセセリ」の発生は、春型(第1化)と夏型(第2化)の年2回だけ。と言うことは、発生したばかり。「口吻」を伸ばし、水分を欲しがっているようでした。

 はい、キレイに撮れました!

 蝶の図鑑―INDEX…検索はこちらからお願いします。

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「賽の河原」を埋め尽くすバイケイソウ

Sainokawara79  スーパー林道脇に車を停めて、秋葉古道「賽の河原」に立ち寄りました。

 う~ん。「賽の河原」と呼ばれる湿地は「バイケイソウ」ばかり。ユリ科シュロソウ属の「高山植物」ともされていますが…。花穂を伸ばしている株もあり、有毒の「バイケイソウ」だけがニホンジカの食害から逃れ、増殖している様子が窺われます。

Sainokawara8  「バイケイソウ」の横には、ひっそりと咲く「フタリシズカ」も。調べてみると、この「フタリシズカ」もニホンジカは食べない「不嗜好性植物」とのこと。細い花穂を伸ばす控えめな「フタリシズカ」を見る機会が多くなって喜んでいたのですが、どうやらニホンジカの食害の影響のようです。

 かつて蛭(ひる)や虻(あぶ)に悩まされたと書かれた「賽の河原」は、今や北遠の山林に野生鳥獣が急激に増えている危機的状況を裏付ける異様な風景へと変わっています。

Futarishizuka74  ニホンジカに出会える北遠の「豊かな自然」の中に出かけるのは楽しいのですが、北遠の自然の「豊かさ」の意味を今一度問い直してみなければいけない時期。このままで良いのでしょうか?「自然任せ」では、私たちが望む「豊かな自然」は保つことができません。

 「賽の河原」を文字通りの「賽の河原」にしてしまわないために、今、私たちにできることをしなければなりません。

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水量が増えて白い布を広げた「布滝」

Nunotaki1 「新・浜松の自然100選」にも選ばれている水窪町の「布滝」ですが、その名の割には水量が少なく、普段は「布滝」と言うよりも「糸滝」のよう。

 でも、梅雨時6月12日の「布滝」は、まさに白い布を広げたような美しい姿を見せていました。

 新緑の向こうに一筋の流れ―これが正真正銘の「布滝」です。

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2011年6月14日 (火)

楽しい麻布の山歩き②―斑入りマイヅルソウ

Fuiri8  昨日紹介したのは岩嶽山のマイヅルソウ。そして、今回のは麻布山。もちろん、同じユリ科の「マイヅルソウ」ですが、よく見てください!これって斑(ふ)入りなんです。

 鶴が舞っているように見えるから「舞鶴草(マイヅルソウ)」ですが、白い斑が入ると、ますます丹頂鶴の羽ばたきに似て見えます。もしかしたら、これが本当の「マイヅルソウ」?

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葉の表面に暗紫色の斑「シソバタツナミ」

Shisobatatsunami5  鈍い鋸歯を持つ葉の表面に暗紫色の斑が入り、細かい毛が生えているこの植物の名が気になりました。

 調べてみたところ、シソ科タツナミソウ属の「シソバタツナミ」らしいことが分かり、まもなく咲くだろう花が見たくなりました。

 「だったら、見に行けばいいじゃん!」って簡単に言わないで下さい!岩嶽山の登山道で撮影したのですから…。

 誰か、もっと近くで出会える場所を教えてください!北遠のどこかで…。

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スーパー林道を彩る真っ赤な「ヤブウツギ」

Yabuutsugi0  梅雨時のスーパー林道は、あちこちで落石が散らばるコンディション。角の尖った大石、小石が転がっていますので、自動車はパンクしないようにスピードを落として運転します。

 そのほかに散らばっているのが、真っ赤な「ヤブウツギ」の落花。漏斗状鐘形の花は暗紅紫色。花も葉も、やたら毛深いスイカズラ科タニウツギ属なので、別名「ケウツギ」とも。

Superrindo5 薮に生えているから「薮空木(ヤブウツギ)」だと思ったら、枝が密生して藪のようになるから「ヤブウツギ」だそうです。雌しべの先端が丸く飛び出ているのが、チャームポイントでしょうか?

 2枚めの写真は、「天竜の森」中央駐車場からの眺望。手前に写っている赤い花も「ヤブウツギ」。雲海の向こうには、御嶽山や駒ケ岳が見えるはずなのですが…。

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2011年6月13日 (月)

楽しい麻布の山歩き①―チチブドウダン

Chichibudodan12 水窪について書いた本、以前紹介した内藤亀文著「ふどき」の記述に…

 大津峠は標高八百米、水窪からの登りは可なり急峻だから、部落の人が水窪へ通う以外に、あまり利用されていない。峠でチチブドウダンの群生を見かけるが、水窪では外には見ない。

Chichibudodan0 …とありました。

 ところが、「野鳥の森」から麻布山に向かう尾根道では、あちらにもこちらにも、真っ赤な「チチブドウダン」の花が見られます。

 岩嶽山では風が強く、ピントがイマイチでしたが、今度はいくらかマシでしたので、拡大してみます。ツツジ科 ドウダンツツジ属の美しい花。小さい花でしたが、結構目立っていました。

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羽を広げた「マイヅルソウ」の白い花

Maiduru5  前回のアカヤシオ登山の時に、芽生えたばかりのユリ科の「マイヅルソウ」を紹介しました。そして、今回のシロヤシオの山登りでは、白い小さな花を咲かせていました。

 「マイヅルソウ(舞鶴草)」の名前の由来は、葉の形を鶴が舞う姿に見立てたところから。そう思ってみると、葉脈の流れや葉の形は、翼を広げた鶴に見えなくもありません。

 決して強制するわけではありませんが、見えてきませんか?鶴の舞いに…。

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2011年6月12日 (日)

朝霧に霞む「夢のかけ橋」

Yumenokakehashi4  6月12日(日)午前5時半に撮影した「夢のかけ橋」です。

 この日の日の出は4時半。朝日が登って1時間が経過していたのですが、気温が高かったせいか霧が立ち、「夢のかけ橋」はまるで墨絵の世界。

 こんな景色もいいもんでしょう?これも、北遠の魅力です。

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「シロヤシオ」を求めて麻布山に登る

Shiroyashio92  2011年6月12日(日)、春野町の岩嶽山から8日後、水窪町の麻布山(1,685メートル)に登りました。

 お目当ての1つは「シロヤシオ」―水窪にも「シロヤシオ」が生育しているのは知っていました。ただし、麻布山からさらに前黒法師山に向かわないと出会うのは難しかったようで、結局は、門桁山近くで枝先に数輪だけが残った寂しい写真。

Shiroyashio95  骨折り損のくたびれ損?いえいえ、山歩きは十分に楽しむことができましたので、決して「損」ではありません。

 スーパー林道で崩落が発生し通行止めとなっていましたので、「野鳥の森」の「ヤマガラの門」を午前8時15分にくぐり、12時少し前に麻布山山頂へ到着。午後3時に出発点に戻り帰路につきました。

 あ~、楽しかった!

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天浜線に木製アートベンチ 学生のデザイン募集

Tenshinoisu  「森林」と「アート」をキーワードにした地域おこしを目指し、都内のシンクタンクなどでつくる民間組織「ツリー・バイ・アート実行委員会」(委員長・川口宗敏静岡文化芸術大教授)が、全国の学生を対象に、天竜浜名湖鉄道の無人駅に設置する木製ベンチのデザインコンペを始めた。実行委のメンバーは「ぶらりとまちを訪れてみたくなるようなユニークな作品を」と呼び掛けている。

 「地域資源と芸術の力で人と人の交流、潤いを生み出す」―を趣旨に、地元の大学、林業関係者なども協力し、公募デザインのベンチを天浜線の原谷や遠州一宮、奥浜名湖駅など10駅に設置する。既に企画の先駆けとして、地元のチェーンソーアーティストらが手掛けたベンチ「天使の椅子」を3月、二俣本町駅ホームに設置した。

 企画は「若い世代に森について考えもらう」狙いもある。デザインを基に林業関係者と共に地元高校生がベンチを制作し、9月に静岡文化芸術大で実施するイベント「シンリン・カンファレンス(持続可能な森林を考える会議)」で展示する予定。会議では若者に関心を持ってもらうため音楽ライブ、演劇なども企画している。関連事業としてベンチを設置した駅周辺地域を訪ねるツアーなども計画中だ。

 ベンチは10月中旬ごろには各駅に設置したい意向で、審査委員長を務める川口教授は「多くの学生たちにチャレンジしてほしい。それぞれの地域、駅にマッチし、ストーリー性が感じられるような作品を期待したい」と話している。

 締め切りは7月7日。問い合わせは、事務局の榊原商店〈電053(924)0505〉へ。

 「天使の椅子」はご存知ですよね?私が二俣本町駅に立ち寄った日には、豊橋から家族連れが訪れていました。間伐材ベンチに関しては、文芸大にはすでに実績があります。若い人のアイディアに期待しましょう。

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黄色い小さな花サクラソウ科「コナスビ」

Konasubi1  岩嶽山の登山道で見つけたのですが、この黄色くて小さな花。何だか分かりますか?茎には細かい毛が生えています。サクラソウ科オカトラノオ属の「コナスビ」です。

 花が終った後に付ける実がナスに似ているということから、「小茄子(コナスビ)」の名が付けられています。

 花弁が5枚あるように見えますが、実は合弁花。深く5裂していますので5弁のように見えます。

 野菜の「小茄子」ではありませんので、漬物にはなりませんが、日干しにして乾燥させたものを煎じて飲むと胃の痛みに効くとされる薬草です。

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ふるさとものがたり天竜「『家康鞍かけの松』と『涼み御所』」より

Reisui5  時は元亀三年(一五七二)十二月、徳川家康の領土遠江におし入った武田信玄は、三万五千の大軍にものをいわせて、家康の支城である天竜二俣城を攻撃した。
 浜松城の家康のもとには、次々に敗報が入ってくる。
 「只来城、陥落。」
 「敵はすでに、二俣城包囲の様子。」
 家康は、じっとしてはいられず、
 「二俣は浜松の先陣じゃ、落としてはならぬ。」
と、自ら偵察に出向いて行った。しかしその途中、すでに二俣落城の知らせを受け、
 「ええい、信玄め、二俣も落としおったか。無念じゃ。」
 そこで大急ぎで向きを変えて浜松へ帰る途中、西鹿島八幡神社の森の中に、清らかな霊水があふれている湧水池を見つけた。のどがかわいていた家康は、馬をとめ、
 「ああ、うまい水じゃ。」
と腹いっぱい飲んだあと、馬の鞍をそばの松の木の枝にかけて、馬にも水を与えて休ませた。
 それで湧水池付近一帯の土地を『涼み御所』、家康が馬の鞍をかけた松を『家康鞍かけの松』、と呼ぶようになった。
 しかしその松は、すでに枯れて今はない。
 湧水池の霊水は、今もかれることなく、あふれるほどに湧きいでて、飲料水や灌漑用水に使われている。(「ふるさとものがたり天竜・第8章北遠天竜における徳川家康」より)

   ◆       ◆       ◆       ◆

 写真が、西鹿島八幡神社の霊水です。

 北遠には、家康にまつわる言い伝えがたくさん残されています。家康と北遠との結びつき、因縁に思いを馳せると、北遠が浜松市天竜区となった歴史的な要因が見えてきます。

 ■「ふるさとものがたり天竜」INDEX

2011年6月11日 (土)

アユ、あゆ、鮎、年魚、香魚

Ayu4  美味しそうなアユの写真ですが、昨年、写真だけをいただきました。

 室町時代、僧如拙によって描かれた『瓢鮎図』というのをご存知でしょうか?ぬめった皮膚の鮎を滑らかな瓢箪(ヒョウタン)でいかに押さえるか、という禅問答を描いたもの。ここで描かれている「鮎」とは、「鯰(ナマズ)」です。

 あるメーカーの電子辞書では「なまず」と入力すると「鮎」と変換されるそうです。

 「魚偏に占」と書いて「鮎」―「神功皇后が遠征の際、飯粒をエサにして『新羅に勝つことができるなら魚が釣れますように』と祈って川の中に投げ入れたところ釣れた魚がアユだった」とか。少なくとも日本では、「アユ」は、「鮎」「年魚」「香魚」と書くことにしましょう。

 さあ、今年のアユはどうでしょう?写真ではなく、本物のアユをいただきたいものです。

浜松市立にならなかった「下阿多古中学校」

Simoatagochu1  県道9号沿い、上野(かみの)に残る旧「下阿多古中学校」跡。玄関先には「天竜市立 下阿多古中学校」の校名石板の下に「昭和22年4月1日~平成17年3月31日」のプレートが取り付けられています。

 昭和22年(1947)から平成17年(2005)までと言うと、58年間「下阿多古中学校」が開校されていたのですが、実はその間には、町村合併や自治体名の変更により、次々と校名が変わって来た歴史があります。

 先ず昭和22年の開校当時は「下阿多古村立下阿多古中学校」。その後の町村合併により同31年「二俣町立」へと変わり、同33年には市制施行のより「天竜市立」へ。そして、平成17年7月1日の浜松市合併に先立つ4月には、熊中学校、上阿多古中学校、二俣中学校とともに「天竜市立清竜中学校」へと統合されました。

 したがって、「下阿多古中学校」は「下阿多古村立→二俣町立→天竜市立」と58年を過ごして来ましたが、「浜松市立」にはならずに廃校となってしまいました。

ギンリョウソウ、ギンリョウソウ、ギンリョウソウ…

Ginryo3  岩嶽山の登山道のあちこちで、「ギンリョウソウ」が咲いていました。

 こでまでにも、何度か紹介した「ギンリョウソウ(銀竜草)」ですが、こんなにたくさん見たのは初めて。

 腐葉土に育つ緑素のない腐生の多年草。別名「ユウレイタケ」とも呼ばれる不思議な植物です。

Ginryo2 Ginryo6
Ginryo8 Ginryo13

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2011年6月10日 (金)

森の童話―「森暮らし始めませんか?」

 カチャカチャカチャカチャ…と、パソコンのキーボードを叩くリスってかなり珍しいのかも知れません。でも、浩くんの飼っているシマリスのカリ(♂)とポリ(♀)は、ときどきクルミを抱えるときのように前かがみになって、キーボードに向かっているところを見ます。何をしているのかって?浩くんのお父さんがしているところを見ていて、いつの間にかインターネットを覚えてしまったのです。浩くんだって、まだできないのに。もちろん、浩くんや浩くんの家族には内緒ですが…。

 この頃、カリが関心を持っているのは、森暮らし。都会のマンション暮らしには、そろそろ疲れてきたと言うのです。「何せ、ここに来て、早いものでもう3年目。本当の森なんて知らないし、森のことを知ったのだって、ネットがあればこそ。ネットがなければ、森とか木とか知らなかったわけだけどね。でもね、憧れちゃうよね、森暮らしって」と、言いました。「私たちの仲間って、誰も本当の森を知らないけど、憧れちゃうわよね、森暮らしって」と、ポリも言いました。「ねえ、ネットで調べてみようか?」と、カリが言いました。「賛成」と、ポリが言いました。

 2匹は浩くんたちの留守をいいことに、パソコンのスイッチをONにしました。ジャーンと音がして、ウィンドウズが立ち上がってきます。「これこれ、このデスクトップの背景が森だったんだよね」「そうそう、これで、初めて森を知ったんだもん」。カリは慣れた手つきで、インターネットに接続しました。検索サイトを呼び出して、キーワードを入力しています。「えーと、『森』『環境』『動物』としてみよう」と、カリ。「わ~、出てきた、出てきた」と、ポリが喜んでいます。「どこにしようか?」と、カリ。「『野生動物、植物、風景の写真と解説』だって。バーチャル自然公園じゃあ、ダメだよね。本物でなくっちゃ。『森の減少、森林伐採により、すみかを追われる動物たち』だって。これは落ち込んじゃうよね」と、カリが言いました。「そうだね。暗くなっちゃうよね」と、ポリも言いました。「これは、絵本のサイトだし、こっちはNPO自然保護団体のサイトだって」。「これは、どう?」と、カリがマウスを持つ手を止めました。「『森暮らし始めませんか?』。いつかは森暮らしをと望んでいるウサギたちの支援サイトだって。ウサギかあ?でも、ちょっと覗いてみよう」と、カリはカチカチとクリックしました。

 しばらくして、ウェブサイトが呼び出されました。トップページは、腕組みをした野ウサギの動画です。「ほう」と、カリは言いました。「ちょっと。ポリ。ドングリを持ってきて」。カリは、浩くんのお父さんのマネをして、片手でドングリを抱えて、カリカリやりながら、クリックしています。「もう、ボロボロこぼしてる。そんなところまで、マネしないでよ」と、ポリ。「森の環境をそれぞれ10段階で評価だって。まずは、安全度ポイントだよね」と、カリは言いました。「どこもここも、結構評価が高いわね。8点や9点が多いようだけど。あっ、ここは10点だ。『近くの森』だって。ワシ・タカ類の生存が確認されていず、極めて安全と考えられる」と、ポリが読み上げました。「う~ん」と、2匹はうなってしまいました。「つまり、絶滅危惧種ってわけ?でも、森の理想からは遠いね」と、カリは言いました。

 「食料自給度だって、大切なポイントだよね。『少し遠くの森』は、近くにニンジンの畑があって、お百姓さんの目を盗めば、食べ放題。罠にかかったウサギの数が、ここ数年激減なんだって。世間では無農薬指向だから、農薬の使用も減っているようだよ。ニンジン?これは、ウサギ向けの情報だから仕方ないか。ドングリはどうなの?クルミはどうなの?知りたいよね?情報ないよね?」と、カリは言いました。「近くに道の駅があって、人間の残飯が食べ放題?これは、プライドが許さないよね。ウサギにプライドはないのか!」。

 「え~、森の中には食べ物もたくさんあり、動物たちにとって暮らしやすい環境が整っているのに、どうして森の中から出てきてしまうんだろう、だって?余計なお世話だよね。このウサギはガチガチの自然崇拝だね、きっと。それに僕たちは、森から出てきたんじゃあないしね」と、今度はストローでジュースを飲みながらカリが言いました。

 「森のみどり度はどうなの?」と、ポリが尋ねました。「『かなり遠くの森』が、10点だね。でも、行くまでに、危険なところがいっぱいあるよ。トンネルをいくつも通らなくてはいけないし、川を行くにもダムがあって、船では行けそうもないし、ヘビだっているかも知れない。しかも、世界自然遺産だってさ。きっと、僕たちを狙う鳥とか虫とか動物とかがたくさんいるよ。危険なんじゃあない?」と、カリが首を横に振りました。

 「次のポイントは何だろう?健康度って?そうか、歯医者さんがいるとか?そうなんだ。この頃、甘い物の食べ過ぎで、虫歯ができちゃったんだ。街に住んでいると、そうなっちゃうよね」と、カリが言いました。「健康度って、森の健康度なんじゃあないの?ほら、人工林なら間伐がされているかとか、日当たりがいいかとか悪いかとか」と、ポリが言いました。

 「ねえ?メールで問い合わせを入れてみない?僕たちが暮らすのに理想の森を探してみようよ」と、カリ。「そうね。じゃあ、条件を言うわよ」と、ポリ。「まず、山全部がドングリとかクルミとか実のなる木であること。それも天然ものがいいよね、植林よりも。ドングリだけじゃあ飽きがくるから、フライドチキンなんかも、たまには食べたいよね。あれって、癖になっちゃうから」と、カリが言いました。「あれって、木になるの?私、近くにコンビニが欲しい。チョコとかスナック菓子とか大好きだから。毎日でも食べていたい。ホント言うとドングリよりもね」と、ポリが言いました。「だから、太るんだよ。少し運動でもしたら?」「ヒトのこと言える?ちょとお、タバコの灰が落ちてる!この際だから言っておくけど、TVの大リーグ中継見ながら、寝そべるのはやめてね」「君だって、韓国リスドラマのコリ様とかに夢中じゃあないか!」と、2匹とも、言うことがめちゃくちゃです。

 「仲間はどう?知らないリスと一緒に暮らせる?シマリスだけじゃあなくて、ホンドリスとかタイワンリスなんていうのもいるらしいよ」と、カリが尋ねました。「無理、無理。私、わがままだし、知らないリスとのお付き合いなんて、まっぴらだわ。コリ様は別だけど」と、ポリが答えました。「それに、私、夜真っ暗になると眠れないから、明るいところがいいわ」。「そんな森ないよ」と、カリが言いました。「でも、聞いてみて」と、ポリも譲りません。「ITは欠かせないよね」と、カリが言いました。「それこそ、無理に決まっているじゃない。あなたはネットお宅だから」と、ポリはおかんむりです。「じゃあ、社会のことは、どうやって知るの?福島原発の今後とか次の総理は誰とか。新聞?テレビ?やっぱりネットでしょう?」と、カリも怒り気味です。「私たちはリスよ。政争なんて関係ないじゃない。ネットをするリスなんて、そうはいないはずよ」「どうして、そんなこと、分かるの?」「じゃあ、『リス』『ネット』のキーワードで検索してみたら?」。

 「冬ごもりはするの?」と、カリ。「ただ眠っているだけでしょう?私は絶対にイヤ。冬でも暖かくなくちゃあ。冷暖房は欲しいな。できればお風呂も。半身浴ってダイエットに最適らしいから。それも温泉?やっぱ、天然よね」と、ポリ。もう、わがままの言い放題です。

 結局、2匹は『森暮らし始めませんか?』のサイトに、わがままメールを送信しました。

 しばらくして、サイトの管理人の野ウサギから返信がありました。「お問い合わせありがとうございました。ご希望の森は、あなたの住んでいるマンション近くの公園です。ここなら、夜も明るく、コンビニも近いし、理想的だと思われます。フライドチキンの店もありますし、缶ジュースの自販機もあります。ただし、夜、放し飼いにされるミニチュアダックスにだけは、注意してください。ただし、森と呼べるかどうか?」と、書いてありました。「犬はまずいよね?」「犬はダメだわ」と、2匹の意見が一致しました。「生意気で、暴力的だし」「そうそう、エサをあげる人以外には、決して服従しようとはしないし、逃げ込む家が欲しいよね」「浩くんの家族と暮らすのが一番か?」「私たちを狙う恐ろしい外敵が住む森よりもね」と、虫歯のカリと小太りのポリの2匹のリスは、浩くんの家族と暮らし続けることにしました。ポリはクルクルと車を回しながら、「運動もできるしね」と、言いました。「ネットも使い放題だしね」。

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森の童話―「ランラン森気分」

 『商品番号0000 ランラン森気分 あなたに森の緑をお届けします。価格0円』。幸ちゃんが、その紙切れを見つけたのは、お母さんがペラペラとめくっていた通信販売カタログの最後のページでした。「なんて下手な字かしら。私だって、もう少しマシな字を書けるのに」。カタログに印刷されているわけではありませんので、誰かが挟んだのか、紛れ込んだのでしょう。「それに、これって何の絵?森?」。そこには、クレヨンで描きなぐったような下手くそな森の絵が添えられていました。それでも、森の絵だと分かったのには理由があります。使われているクレヨンの色は、みどり、きみどり、あおみどり、あとは名前も知らない色ばかりですが、まるで緑一色。「これは、きっと森の絵のつもりね?」と、納得するしかなかったのです。

 ピンポ~ン♪。夏休みのある日、玄関に宅配便が届きました。通信販売の荷物でした。早速、お母さんが開けています。幸ちゃんも興味しんしん、覗き込みました。「あれっ?これは何かしら?」と、お母さんが小さな箱を取り出しました。下手な字で『ランラン森気分』と書いてありました。「ああ、これって、私が頼んだんだわ。誰かのいたずらかと思ってた。本当は忘れてしまっていたけどね」と、幸ちゃんが思い出しました。「何が入っているのかしら?」と、その小さな箱をそ~っと開いてみました。

 中には、ヒノキ、スギ、ケヤキ、カエデ、クス…森の木、木、木、木の名前ついた緑色のクレヨンがぎっしりと詰められていました。「何て変なクレヨン。木の名前がついているだけだし、緑色ばかりじゃあない」と、幸ちゃんは思いました。「それにしても、いい匂い」と、幸ちゃんは言いました。「描いてみようっと」。

 幸ちゃんはチラシの裏に木の葉の絵を描きました。「わあ、いい匂い。ヒノキだわ。きっと、このクレヨンに何か入っているのよね」と、幸ちゃんは思いました。その匂いはヒノキの香りです。森の香りです。「こっちはカシだって」と、今度は別のクレヨンでお絵描きです。「わ~、これもいい匂い。でも、少し匂いが違ってる」と、幸ちゃんは思いました。

 幸ちゃんのお絵描きは続きます。木の名前のついたクレヨンで、次々とお母さんの顔、友達の顔、犬や花、お菓子…と、何を描いても、森にしか見えません。「だって、全部緑なんだもん。仕方ないよね。でも、いい匂いだから、まあいいか」。

 それにしても、きれいな緑です。「なるほど、『ランラン森気分』って言うだけのことはあるわね。誰が描いても下手に描いても何を描いても、これなら森に見えるわね」と、幸ちゃんは感心しました。なんだか、自分が森の中に入っているような、いい気分になってきました。緑の葉が茂る森の小道を歩いてズンズン行くと、小川があったり池があったり、小鳥が飛んでいたり、さえずっていたり。「ステキね。なんだか、森の動物たちにも出会えそうね。こんな気持ちが森気分って言うのかしら」と、幸ちゃんはつぶやきました。

 幸ちゃんは、まだまだ描いています。お母さんが冷たく冷えたジュースを持ってきました。「まだ描いてるの?もういい加減にしたら?」。夢中になっている幸ちゃんに言いました。「本当に木が生えてきたら、どうするつもり?」と、お母さんが止めました。「まさか?大丈夫、大丈夫。でも、本当にそうなったらもっとステキね。」と、幸ちゃんは言いました。   

 ピンポ~ン♪。そのとき、玄関のチャイムが鳴りました。玄関にいたのは野ウサギと野ネズミの2匹です。「ごめんください」と、野ウサギが言いました。「ごめんください」と、野ネズミも続けました。「ええ?家を間違えていませんか?」と、ドアを開けたお母さんが応じました。「いえ。突然ですが、こちらに森があると聞きまして、寄らせていただきました。」と、野ウサギが丁寧に話しました。「僕たち、森がないと、暮らせないものですから」と、野ネズミもお願いしました。2匹はドンドン部屋の中に入ってきました。「ああ、ここだ、ここだ。この森で暮らしたいと思いまして」と、野ウサギが言いました。幸ちゃんは、あきれています。「だって、これは森の絵でしょう?しかも、本当は森の絵でなんかじゃあなくて、これがお母さんで、これがお菓子。でも、緑1色だから、森みたいになってしまったの」。「いえ。すばらしい森です」と、野ウサギは言いました。「では、失礼します」と、野ネズミが言ったかと思うと、2匹の姿は見えなくなり、どこかに消えてしまいました。

 2匹は絵の森の中にいました。「やあ、やあ。いい森だ。ヒノキ、スギ、ケヤキ、クス、カシ…。近頃では、こんなに木が育った森はなかなか見つけられないよ」と、野ウサギが言いました。「まさに、『ランラン森気分』だね」と、野ネズミが応じました。「人間って、本当は森が好きなんだね」「そうさ。木も森も大好きさ。だけど、どうして、森を荒らしてしまったんだろう?」「どうして、森を荒らしてしまったんだろう?」。2匹は、腕組みをして首をひねりました。「もう、本当の森なんて、どこにもないんだから」と、野ウサギが嘆きました。「もう、本当の森なんて、どこにもないよね」と、野ネズミが応じました。

 幸ちゃんは、まだまだお絵描きを続けました。そのたびに、絵の森では新しい木がニョキと生えてきます。1本、また1本。クレヨンを変えると、木も変わります。「最高だね!」と、野ネズミが言いました。「幸ちゃん、もっと描いてね」と、野ネズミは精一杯大きな声を出しました。幸ちゃんには、何か小さな声で「森を守ってね」と、言っているのが聞こえたような気がしました。「木や自然を大切にね」と、言っているような気もしました。

 ピンポ~ン♪。チャイムが鳴りました。玄関には、イノシシの親子とリスがいました。「まあ、今度はイノシシとリスなの?」と、お母さんがあきれて言いました。「失礼します」と言いながら、3匹はドンドン入ってきました。「この子が熱を出しているの。森にいるのが一番の治療だから、お願いします。こちらの森は最高だと聞きましたので…」と、お母さんイノシシが頼みました。「虫歯になってしまったんです。痛くて、痛くて、こんなに腫れているんです。こちらの森には、いい歯医者さんがいるって聞きましたので」と、リスも頼みました。「え?歯医者さん?」は、幸ちゃんは不思議そうな顔をしました。そのとき、絵の森の中から、さきほどの野ウサギが顔を出しました。「ああ、幸ちゃん、僕のことです。じゃあ、ちょっと見せてもらおうか?」と、言いながら、野ウサギとイノシシの親子とリスは、絵の森の中に消えていきました。

 森の中では、お母さんイノシシが「風も涼しいし、木も茂って、ステキな森ね。これなら、うちの坊やもすぐに直りそう」と、ほっと一息つきました。リスは大きな口を開けて、野ウサギの治療を受けていますので話せませんでしたが、大きく一つうなずきました。「こんなにステキな森は、もうどこにもありませんね」と、お母さんイノシシは言いました。リスは痛みをこらえていますので話せませんでしたが、力強くうなずきました。

 ピンポ~ン♪。「ほら、またお客さんよ」と、幸ちゃんは言いました。「今度は誰なの?」。「森林環境研究所の者です」と、自己紹介をしたのは、サルとクマでした。「もう、勝手にして」と、幸ちゃんは思いました。「こちらの森の二酸化炭素吸収率が極めて高いと聞いたものですから、調査に伺いました。地球温暖化対策を進める京都議定書で、我が国は二酸化炭素など温室効果ガスを1990年比で6%削減することを義務付けられているのです」と、舌をかみそうになりながらサルが言いました。「こちらの森の京都議定書達成に向けての積極的な取り組みが…」と、クマが言いかけたとき、「『こちらの森』とか、言うのやめていただけませんか?うちには本当の森なんてありませんし、この絵だって下手くそかも知れないけど、お母さんの顔やお菓子を描いたものなんです」と、幸ちゃんはさえぎりましたが、2匹は絵の森の中に消えてしまいました。

 サルは奇妙な器械を取り出して、森の空気を測りました。「う~ん。最高の環境だ。木は光合成をすることで二酸化炭素を吸収して炭素を取り込んで育ち、吸収量は木の重量に比例するんだ」と、研究所員らしく言いました。クマは大きく深呼吸をして、森の空気を味わいました。「う~ん。『ランラン森気分』。最高の味だ。ハチミツの匂いもするぞ」と、舌なめずりをしました。

 「人間って、本当は森が好きなんだね」「そうさ。木も森も大好きさ。だけど、どうして、森を荒らしてしまったんだろう?」「どうして、森を荒らしてしまったんだろう?」。野ウサギも野ネズミもイノシシの親子もリスもサルもクマも、全員が腕を組んで首をひねりました。「そうだ」と、野ウサギが提案しました。「僕たちも、森の絵を描いてあげよう。幸ちゃんたちが森の暮らしを楽しめるようにさ」。野ウサギも野ネズミもイノシシの親子もリスもサルもクマも、全員で森の絵を描きました。緑、緑、緑一色のクレヨンでヒノキやスギやケヤキやカエデやクス…、木や葉っぱやクルクルやグチャグチャやヘンテコリンやメチャクチャや、それでも、なぜか森に見える絵を描きました。絵の森では、木がもっともっとたくさん生えてきました。

 「さあ、幸ちゃんを迎えにいこう」。野ウサギが幸ちゃんを迎えにいきました。「幸ちゃん、僕たちの森に遊びに来ない?」と、野ウサギが誘いました。幸ちゃんは少し考えて「うん、連れて行ってもらうわ」と、答えました。「じゃあ、ちょっとだけ目をつぶって」。

 遠くで叫ぶ幸ちゃんの声が、絵の森の中から聞こえてきました。「ねえ。お母さん。本当の木が生えているよ。何本も何本も生えているよ」と、言っているように聞こえました。「やった~!これで、幸ちゃんも森の恵みを味わえるね」「よかったね」と、絵の森の中では、野ウサギも野ネズミもイノシシの親子もリスもサルもクマも、みんな大喜びでした。イノシシの坊やもすっかり元気になっていました。虫歯のリスも、もうニコニコ顔です。木々の葉は風にそよぎ、いつの間にか小鳥たちも舞っています。幸ちゃんは、思いっきり深呼吸して、森の空気をいっぱい吸い込みました。森林環境研究所員のサルが「我が国の森林の約40%を占める人工林は、外材の輸入増加等による林業の不振で、間伐などの手入れが行われにくくなっています。このままでは水を貯める力も土砂崩れを防ぐ力も失われてしまいます」と、生意気そうに力説しました。「まあまあ、それも大切な話かもしれないけど、幸ちゃん、『ランラン森気分』だね」と、クマが言いました。「そうそう、それも大事な話かもしれないけど、『ランラン森気分』だわ」と、幸ちゃんも応えました。「ところで、あのクレヨンって、何だったのかしら?」と、幸ちゃんが尋ねました。「ああ、あれは僕の発明です」と、野ネズミが答えました。「あの、下手くそな絵は?」「あれはイノシシの坊やの絵です。僕は森の発明家だし、イノシシ坊やは画家の卵です。ステキでしょう?」と、野ネズミは続けました。「ときどき遊びに来てもいいかしら?」「もちろん。大歓迎さ」と、みんな声をそろえて言いました。幸ちゃんは、「森の緑もステキ。森の仲間もステキ。森って最高!」と、両手を突き上げて叫びました。

 お母さんもニコニコしながら、大きな声で呼びました。「幸ちゃ~ん、夕ご飯の時間ですよ~。帰ってらっしゃ~い!」。「ハ~イ」。絵の森の中からは「ランランラン♪森きぶ~ん♪」の大合唱が聞こえてきました。

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南アメリカ原産の帰化植物「ヤナギハナガサ」

Monki2  自宅近くの空き地で、クマツヅラ科クマツヅラ属「ヤナギハナガサ」が花を咲かせていました。以前紹介した「アレチハナガサ」と同じで、最近よく見かけるようになった南アメリカ原産の帰化植物です。

 「三尺バーベナ」の別名の通り、かなり背が高く育ち、いろいろな蝶が次々と吸蜜に訪れています。

 ちょうどカメラの前に現われたのはカナリアイエローのモンキチョウ。主役の「ヤナギハナガサ」を食うような派手な登場でしたが、今回も翅表はナシです。

 蝶の図鑑―INDEX…検索はこちらからお願いします。

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故郷の旬の味送る―山香ふるさと村女性部代表 三井節子さん

Mitsui654  天竜川の渓谷を見下ろし、みその香りに包まれた工房。ここで20人近い中高年女性を束ね、みそのほか梅しそ漬けやキャラブキ、栗ようかんなど「昔ながらの旬の味」をこしらえては、地元ゆかりの人らに送る。らっきょう漬けなど需要に供給が追いつかなくても「無理に作るより、自信のあるものを届けたい」。

 浜松市街地から50キロ。鉱山の閉鎖などで故郷を出た人に懐かしい味を届け、地区の活性化につなげようと1986年に始まった活動に当初から参加。体調を崩し一時工房を離れたが、「せっちゃんがこけたら、みんながこける」と請われた。

 年齢を理由に「もう限界」と笑うものの、催事などで浜松市街地へ出店する際には自らトラックのハンドルを操る。隣村から嫁いで51年。「末っ子でのろまだったのに、いつからこうなってしまったのでしょうか」

 浜松市天竜区佐久間町。(「中日新聞」おはよう欄より)

 三井さん。先日、富山県氷見市の姉妹と立ち寄らせていただいた際には、本当にお世話になりました。いつまでも、元気でがんばってください。

 ●山香地区大井の「山香ふるさと村」に寄ってみました…
 ●春を迎えた「山香ふるさと村」では、味噌作りが…
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第4回 浜松市 森林のまち童話大賞 作品募集

Morinodowa  「森林が聞こえる。森林が見える。」―浜松市では、現在、第4回「浜松市森林のまち童話大賞」の作品を募集しています。

 いきいきと、美しく、静かに。いろいろな命が共に暮らす「森林」。
 人間の暮らしを守ってくれている森林。
 豊かな森林と水に恵まれた浜松市では、
 かけがえのない森林の大切さをこどもたちに伝えていこうと、
 森林をテーマにした童話を全国から募集します。
 あなたがこどもたちに伝えたい「森林への想い」を
 作品に込めてお寄せください。

 【募集期間】~9月30日(金)

 【審査員】<五十音順>あさのあつこ(作家)・角野栄子(児童文学作家)・薫くみこ(児童文学作家)・那須田淳(作家)・西本鶏介(昭和女子大学名誉教授・児童文学作家)

 【賞及び賞品】◆大賞(1編:賞状+50万円+記念品)
 ※大賞作品は挿絵をつけて出版します。
 ◆審査員賞(各1編 計5編:賞状+10万円+記念品)
 ◆佳作(数編:賞状+記念品)

 【募集作品】森林をテーマにした、オリジナル(未発表)の創作童話に限ります。(対象年齢=小学校低学年)

 【応募資格】年齢、国籍、移住地の制限はありません。ただし、作品を商業出版したことのないアマチュアの方に限ります。

 【応募規定】B4版400字詰め原稿用紙に、日本語による縦書きで15枚以内。HB以上の濃い鉛筆か黒インクを使用。ワープロ、パソコン使用可(但し、20字×20字縦書きで、A4横又はB4横に印字)。審査員賞以上の入賞作品の出版に関する複製権及び所有権は、主催者に帰属します。他の賞との同時、二重投稿は認めません。応募作品は返却しません。必要な方はあらかじめコピーをとったうえで応募してください。選考経過のお問い合せには一切応じられません。

 【応募方法】募集要項は、必ず80円切手を同封して事務局あてに郵便でご請求ください。
(電話での請求は出来ません。)募集要項に印刷されたA「応募票」、B「受理通知」、C「結果通知」に必要事項を記入のうえ(B、Cには50円切手を添付)、作品と一緒に同封して直接、又は郵便で応募してください。作品を受理後、事務局から「受理通知」を返送します。審査結果については、他人に分からないよう「結果通知」に保護シールを貼ってお知らせします。

 【締切】平成23年9月30日(金)消印有効

 【発表】平成24年3月中旬(応募者全員に通知します。)

 【応募・問い合せ先】
 〒431-3392 静岡県浜松市天竜区二俣町二俣481番
 浜松市 天竜区役所 天竜地域自治センター内 森林のまち童話大賞事務局
 電話:053-922-0013(地域振興課:祝祭日を除く月~金曜日、9時~17時)

ちょっと古い絵葉書「天竜奥三河国定公園 佐久間ダム」

Dam630  今回紹介するちょっと古い絵葉書「天竜奥三河国定公園 佐久間ダム」は、前回紹介した「天然の美・人工の驚異 佐久間ダム」よりは、少し前に発行されたものかも知れません。

 「天竜奥三河国定公園」が指定されたのは、昭和44年(1969)10月1日。絵葉書には英語表記もありましたので、今回は「Tenryū-Okumikawa Quasi-National Park SAKUMADAM」も併記しましょう。

Dam632_2 展望台より見た佐久間ダムの威容
Dignity of Sakuma Dam, Shizuoka Pref.
Dam633_2 景勝松山公園より佐久間ダムの遠望
Disatant view of Sakuma Dam from Matsuyama Park, Shizuoka Pref.
Dam634 満水の佐久間湖堰堤及び取水口
Sakuma Dam in Autumn, Shizuoka Pref.
Dam635 側面より見た佐久間ダム堰堤及び佐久間湖
Sakuma Dam and Sakuma Lake from side, Shizuoka Pref.
Dam636 取水口及び堰堤附近の景
One part of Sakuma Dam seen, Shizuoka Pref.
Dam637 佐久間ダム発電所の全景
Whole view of Sakuma Dam electric power-house, Shizuoka Pref.
Dam638 高台より天竜川及び佐久間発電所を望む
Teryu River and Sakuma Dam electric power-house, Shizuoka Pref.
Dam639 日本が世界に誇る佐久間周波数変換所の望見
Sakuma electric power-house, Shizuoka Pref.

Dam631  カバーの裏に印刷されていた「佐久間ダム案内図」にも注目。「中部橋」は吊り橋「なかっぺはし」のこと?宥泉寺と思われる地図記号の左にある「文」とは、平沢にあった旧中部小学校?「飛竜橋」も通れるようになっています。

 はっきり言って、英語の勉強にはなりませんでしたね。間違っていたスペルは訂正しましたが、取水口は「Intake」だし、周波数変換所は「frequency conversion place」でしょう?定冠詞の「the」もあった方が良いと思うのですが…。エヘン!

 龍山の和田芳博氏からお借りしました。

 重力式コンクリートダム「佐久間ダム」は…
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森の童話―「窓から森がやって来た」

Mori0  開け放した窓から、ニュウっと森が入ってくるのを見たことがある人は多いのではないでしょうか?

 幸ちゃんも、夏の晴れた朝、窓辺のカーテンを膨らませて、森が入ってくるところを見ていたのです。「お母さん、森が入ってきた。ねえ、お母さん、今ね、森がね…」と、叫んだのですが、お母さんは「風が入るのよ」と言って、取り合ってくれません。幸ちゃんは「ううん。私は、森が入ってくるのを、今までに何度も見ているのよ。あれは、風じゃあなくて、森が入って来ているに違いないわ。今だって、ほら、森が入って来ている」と、言い張りました。

 「だって、セミがあんなに大きな声で鳴いているのも、近くに森が来ているからだわ。それに、チョウだってトンボだって、こんなに飛んでる。今、緑の匂いがいっぱいになってね、森がニュウっと入って来たの」。幸ちゃんは、風邪でもひいてしまったのか、少し熱が出てしまい、二階の自分の部屋のベッドに横になったまま、外の景色を眺めていました。隣の屋根越しに、真夏の青空が広がり、白い雲があっちにポカリ、こっちにポカリと浮かび、入道雲の卵みたいな雲がラジオ体操でもしているように、両手を天に突き上げています。「つまんないな。熱さえ下がれば、公園に行けたのに」と、残念そうです。カーテンが膨らんでいます。何度も何度もひるがえっては、また膨らんでいます。「風なんかじゃあないわよ。風だったら、あんなに膨らむわけないわ。耳を澄ませば小鳥の声だって聞こえるし、川のせせらぎの音だって聞こえる。きっと、妹とドングリの苗を植えに行った、あの森だわ。あの森と同じ匂いがする。そうよ、きっとそうよ。森が私のところまで来てくれたんだわ」と、独り言みたいにつぶやきました。

 ドングリの苗は、幸ちゃんがドングリの実から育てたもの。鉢に土を入れ、真ん中辺りを指で押してくぼみを作り、ボランティアリーダーさんからいただいたドングリの実を「早く大きくな~れ!」と唱えながら、一粒埋めました。それから、毎日毎日水をあげ、芽の先っぽを見つけたときの嬉しさは、忘れられない思い出です。雨の日もあり、風の強い日もあり、真夏の日差しがこれでもかと照りつける日もありました。次第に幹を伸ばし、一枚また一枚と葉の数を増やし、幸ちゃんによく似て少し痩せっぽちでしたが、やがて森へと返す日がやって来ました。

 幸ちゃんが森を初めて感じたのは、森の入口でバスから降りたときのことでした。緑の香りと一緒に味わった、何とも言えないあの感じ。空気を思いっきり吸い込むと、空気に混じって、森が体の中の中まで入って来たような気がしたのです。クネクネ曲がりくねった山道をバスに乗ってきた幸ちゃんは、少し気分が悪くなってしまったのですが、降り立った途端に味わった森の空気のおいしさに、思わず両手を合わせて「感謝、感謝。森に感謝」と、体調はすっかり元の通り。それどころか、森の斜面に足を踏ん張り、元気いっぱい痩せっぽちのドングリの苗木を植えることができました。両手ですくって飲んだ森の水の冷たさおいしさも忘れられません。その帰り道、木の葉を揺らす風の音に混じって「幸ちゃん、ありがとう」と話す低くて太い声が、幸ちゃんの背中の方からいつまでも追いかけて来ているような気がしました。「森の声だわ」と、幸ちゃんは思いました。

 そのあと、近くに森を感じることが何度かありました。大好きな一輪車に乗って近くの公園まで行ったときには、「幸ちゃん、遊ぼう」と、あの低くて太い声が聞こえ、背中をグングン押してくれるのを感じました。「ありがとう。でも、ちょっと怖いから、もう押さないで」と、言ったら今度は前に回って、手を引いてくれました。いつも、フラフラ走る幸ちゃんの一輪車も、そのときだけはスイスイと走り、友だちをみんな置いてきぼりにしてしまいました。森の香りを感じ、森の声を聞きました。森のやさしさを知り、森の力強さを知りました。

 公園では、新しいドングリの実をたくさん拾いました。「森からのプレゼントだわ」と、幸ちゃんは思いました。幸ちゃんは、今年も苗を育てています。ドングリは「僕はいつになったら大きくなるの?」と、聞いてきます。「まだまだ。長い長い時間が必要なのよ」と、話しかけながらジョロで水をあげています。ドングリの鉢の横には、トマトの苗も一本植えました。今、緑色のトマトの赤ちゃんが、少し赤みを帯びてきています。「もうすぐ、真っ赤になったら、食べさせてもらうからね」と、幸ちゃんはトマトにも話しかけています。「でも、森はすぐには大人になれないのよ。友だちも必要だし、仲間だって欲しいのよ」。

 校庭でブランコ遊びをしているときにも、森がすぐそばに来ているのを感じました。幸ちゃんの体は森に包まれて、前に後ろにユラリユラリと大きく揺れました。「そんなに揺すって、怖くないの?」と、友だちが心配顔で眺めていました。「ううん。全然怖くないわ。だって、私が揺すっているんじゃあないし、私は、今、森の太い腕に抱かれているんだもの」と、幸ちゃんは言いました。

 国語の授業中には、教科書をペラペラめくって、ちょっぴりいたずらもされました。「そこにいてもいいけど、おとなしくしていて。いたずらは止めて」と、幸ちゃんは小声で言いました。教科書は宮沢賢治の『風の又三郎』のページを開いてピタリと止まりました。

 体育の時間は、苦手の鉄棒の練習でした。どうしてもお尻が上がらなかった逆上がりが、その日はスイスイとできました。「幸子、すごいじゃあないか」と、先生がビックリしています。もちろん、幸ちゃんも驚いたのですが、このときも森の太い腕が、幸ちゃんの体を持ち上げてくれたのを感じていました。「サンキュー!」と、幸ちゃんは言いました。

 そんなことが何度もあったので、窓辺から森が入ってきても、不思議とも感じませんでした。「お母さんは信じてくれないけど、そこにいるのよね」と、森に話しかけました。「わー、涼しい。あの森に行ったときと同じだわ。「私ね。公園に行きたいの」と、言ってみました。「公園には、木がたくさん植えられていてね。そんな木の木陰で眠るのが最高なの。ねえ、公園に連れて行って」と、お願いしてみました。森の太い腕に包まれたかと思おうと、幸ちゃんの体はフワリと宙に浮きました。気がつくと、大きく開いた窓から泳ぐように漂い出ていました。「お母さんが洗濯物を干しているわ。お母さーん」。幸ちゃんは高い所から見下ろしていたのですが、お母さんは幸ちゃんに気づきませんでした。洗濯物が風に大きくそよぎました。「ああ、健ちゃんが一輪車に乗っている。きっと公園に行くんだわ」と、思いました。「背中を押してやって」と、森にお願いしました。健ちゃんの一輪車のスピードがグングン上がりました。健ちゃんは首をひねりながら、少し慌てています。「ダメダメ。横断歩道では止めてあげて」と、幸ちゃんは言いました。健ちゃんの一輪車はピタリと止まりました。

 公園では、妹たちがチョウを追いかけていました。「ねえ、チョウをいっぱい集められない?」と、お願いしてみました。すると、どうでしょう。辺りは、青や黄色、赤の美しいチョウたちがたくさん集まってきました。ヒラヒラヒラヒラと妹たちの頭の上を舞い始めました。妹たちは、少し驚いた様子でしたが、チョウと一緒に踊り始めました。「わ~、楽しそう。私も早く元気になって、公園で遊びたいな」と、言いました。

 次の瞬間、幸ちゃんは自分の部屋のベッドの上でした。森はまだ部屋の中にいました。ほてった体を、森の風が心地よく吹き抜けました。小鳥のさえずりが聞こえました。小川のせせらぎの音も響きました。

 セミの鳴く大声で目が覚めました。窓辺のカーテンが大きく大きく膨らんでいました。お母さんがやってきました。「ねえ、お母さん、森が入ってきている」と、幸ちゃんは言いました。「そうなの?」と、幸ちゃんの額に手を当てました。「あら?熱が下がっている。幸子のトマトが、美味しそうに真っ赤に色づいていたわよ」と、お母さんが言いました。「早いね。トマトは、もう大人になったんだ。ねえ、お母さん。私、ドングリの木に水をあげなくちゃあね。森はなかなか大人になれないから」。「ねえ、お母さん、森がね。窓からニュウと入ってきたの」と、幸ちゃんが嬉しそうに言いました。

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羽根突きの羽子(はご)に似た花「ツクバネソウ」

Tsukubaneso9  ユリ科ツクバネソウ属の「ツクバネソウ」です。

 「衝羽根草」の名の由来となった羽根突きの羽子(はご)に似た花を咲かせていました。8月には、緑色の実が黒く色付き、もっと「衝羽根」に似て来ます。

 今までで一番「ツクバネソウ」らしい写真が撮れました。

 これって、どこ?はい、岩嶽山です。

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2011年6月 9日 (木)

岩嶽山での出会い―イチモンジチョウ

Ichimonji3  黒地に白い一文字模様を持つタテハチョウ―すでに紹介したのはアサマイチモンジでしたが、岩嶽山で出会ったのは「イチモンジチョウ」。よく似ているのですが、別の種類です。初めて見ることができました。

Ichimonji4   アサマイチモンジの食草はスイカズラにほぼ限定されるそうですが、「イチモンジチョウ」はスイカズラ以外にもタニウツギ、ヤブウツギなどのスイカズラ科の葉を食べて育ちます。

 だったら、岩嶽山は住みやすい環境。とうとう、「イチモンジチョウ」と出会うことができました。

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絵葉書「天然の美・人工の驚異 佐久間ダム」―その②

Dam8  龍山の和田芳博氏からお借りした、ちょっと古い絵葉書「天然の美・人工の驚異 佐久間ダム」。ダム周辺の施設を紹介した4枚です。

 「佐久間ダム駐車場」観光バス、定期バス、自家用車駐車が数拾台出来ます。左小丘の上にはダムの人柱96人の慰霊碑がある。

Dam618

 ダム湖上には、観光船が係留されています。クリーム色と赤の配色は、国鉄の路線バスでしょうか?

 「佐久間ダム駐車場より」この御製御歌は、昭和32年10月28日天皇・皇后両陛下が当佐久間ダムに御臨幸あそばされた際の御製御歌を篆刻し、行幸啓10周年を記念して建設したものである。

Dam619

 もちろん、天皇とは昭和天皇のこと。両陛下の御歌は、ダム建設に関連して苦労を重ねた水没住民や事業者などの関係者を労わる内容です。

 「佐久間ダムと取水口」佐久間ダムの総貯水量32,700万トン、利用水深40mで年間発生電力量は水力としては、いまもなお日本最大であり、他発電所に比べ抜きん出ています。

Dam616

 取水口は、レトロな外観が人気の施設です。

 「佐久間電力館」電力館は昭和52年9月に開設されました。佐久間発電所の立体模型の他、発電や送電のしくみ、未来の発電方式など電気についてさまざまの資料とあわせて北遠山地の風土とくらしについて多数展示されています。

Dam617

 佐久間ダム電力館の展望台からは、ダムの全景を見下ろすことができます。

 どうですか?行きたくなりませんか?行きたくなったら、すぐに、出かけよう!北遠へ。

 重力式コンクリートダム「佐久間ダム」は…
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2011年6月 8日 (水)

山あいの町を映画に 旧水窪町が舞台、浜松の男性発案

Kamijima  長野・愛知県境の山あいにある静岡県浜松市天竜区水窪町(旧水窪町)を舞台に、映画が制作されることになった。高齢化と過疎化が進む山間地の現状を憂え、同市でライブハウスを経営する男性が「何かできないか」と思い立った。主役の少女はオーディションで選ぶ。

 映画を制作するのは浜松市の中心市街地に2004年、ライブハウス「浜松窓枠」を開業した上嶋常夫さん(60)。知人の協力で小学生参加のロックバンドクラブを水窪町で結成し、車で2時間近くかかる山間地の同町と交流を続けていた。

 「限界集落」と呼ばれる不便な場所でも、心豊かに生活する人々。暮らしが自然とともにある水窪町に魅了された映画監督の瀬木直貴さん(48)と、地域色たっぷりの映画を作ろうと意気投合した。

 物語は、山間部の小さな集落に、15歳の少女が移住してから始まる。なぜか少女の移住を確信していた85歳の老婆や、自然界の不思議な仲間たちが登場し、地元の遠州弁のせりふで人と自然、人と人とのつながりを描くという。

 主役のオーディションは秋以降になり、撮影は水窪町などで来年5月ごろから開始の予定。公開は早くて来年秋になるという。今後、各種団体などに資金協力を求めていくという。

 上嶋さんは「映画づくりを通して水窪町を全国に発信したい。遠州弁をもとにしたキャラクターやグッズも作り、インターネットも活用したい」と話す。

 瀬木監督は三重県出身。地域貢献型の映画を制作してきており、「森の深さと、急斜面に集落がへばりつくような、全国でも数少ない風景がある。地域性を掘り下げれば世界に通じる普遍性が表れるので、方言や民話を組み込んで表現したい」と意気込んでいる。(「朝日新聞」より)

 既報のニュースですが、「朝日新聞」でも取り上げられましたので紹介します。

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公共施設では全国初、FSC材を使用 浜松・天竜区役所新庁舎

Kuyakusyo  今年3月に完成した浜松市天竜区の区役所新庁舎(二俣町)の一部にFSC森林認証材の天竜産スギとヒノキが使われ、このプロジェクトを実施したグループメンバーが7日、区役所を訪れて水谷浩三区長にFSC本部から届いた認証登録証を贈呈した。市によると、公共建築物の一部にFSC材が使われたのは全国で初めて。

 FSCはドイツ・ボンに本部を置く国際機関で、世界基準で森林管理などの国際認証制度を運営する。違法伐採や保護価値の高い森林の伐採を防ぐ仕組みで、環境に配慮して適切に管理された認証森林から生産した木材・木材製品は消費者の購買を通じて持続可能な森林経営を支援する。天竜区役所の新築に際しては、FSC森林認証材が受水槽や区長室の腰壁、一部の家具類に使われた。

 プロジェクトグループは建設工事共同企業体や天竜木材産地協同組合、製材会社などで構成し、報告会では管理責任者の中村博行・共同企業体工事部長から水谷区長に認証登録証が贈られた。水谷区長は「全国で初めてFSC材が使われた公共施設で、各方面で高い注目を集めている。FSC材の普及に少しでも役に立てばうれしい」と話した。

 市ではFSC認証取得の森林や材木の拡大と積極的利用を打ち出しており、天竜区役所をFSC材使用のシンボルとしてPRしていく。(「中日新聞」より)

 天竜材をPRする顔として、天竜区役所は注目されていると思います。ぜひ、木の良さを体感してみてください。

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森の童話―「森への扉」

Mori3  その地下道は、学校への行き帰りに毎日通っているおなじみの道。出入り口の階段を下り、薄暗い角を直角に曲がったところに扉がありました。多分、ずーっとそこにあったのでしょうけど、あまり気にすることもありませんでしたので、健ちゃんは、はっきりとは覚えていませんでした。たとえ見ていたとしても、ペンキの禿げかかった鉄製の扉で、「掃除用具でもしまってあるのだろう」と、ちょっとした物入れくらいにしか思えない何の変哲もないような扉です。でも、その日健ちゃんが見たときには、扉の隙間から、太陽の光らしい明るい光がわずかに漏れていたのです。「あれっ?」と、少し気にはなったのですが、列を作って登校の途中でしたので、自分だけ立ち止まろうとはしませんでした。

 その日は、一学期の最後の日。真夏の校庭では校長先生の話も聞いたし、教室に戻ってからは、成績表も渡され、夏休みの宿題もドッサリ。うんざりした気分で、あの扉のことを思い出すどころではありませんでした。

 でも、学校からの帰り道、なぜか健ちゃんは一人きりで帰ることになりましたが、あの地下道まで来たときのことです。階段を一段か二段下りかかったとき、サーと涼しい風が健ちゃんを包みました。それどころか、ピーピーと数羽の小鳥がさえずりながら、頭の上を飛びすぎて行ったような気がしました。「お~っと」と、健ちゃんは頭をすくめましたが、とっさのことで何が起きたのか分かりません。

 以前から地下道に入った途端、緑の匂いが広がったとか、野ウサギの親子が顔を出したという噂を聞いたことがありました。小川の流れる音が聞こえたという噂もありましたが、耳を澄ましても、上の道路を走りすぎる車のタイヤの音がうるさいだけで、そのことと、今起きていることとが結びつきません。

 「どうしたの?何が起きたの?」と、健ちゃん。階段の下まで来たとき、今朝見たあの鉄の扉が、大きく開いているのが分かりました。「え~、嘘~っ!」。扉の向こうに見えたのは、何と緑いっぱいの風景でした。「ここって、どこなの?」恐る恐る、扉の向こうに、一歩足を踏み入れてみました。夏休み前の暑さをすっかり忘れてしまいそうな、緑の香りいっぱいのさわやかな風が、またまた吹きすぎました。物入れだろうと思っていた扉の向こうには、高くて青い空と緑の木々の世界が広がっていました。小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、枝や葉のざわめき・・・まるで別世界です。「ねえ?ここはどこ?」。

 さらに一歩足を踏み出しました。何と、健ちゃんが顔を出したのは、大きな木の胴にぽっかりと空いた穴でした。「どこ?森?」

 健ちゃんが木の穴から出ると、そこは去年の夏、お父さんやお母さんと出かけたキャンプ場によく似た森でした。名前も知らないいろんな種類の木々がたくさん茂り、小川が流れ、小さな池が広がり、「あれあれ?魚も跳ねてる」。

 小川のせせらぎの音が聞こえ、枝や葉のざわめきの音が聞こえ、そこは何処から見ても森でした。「あれっ?」でも、少しだけ変なところがあります。木々の枝も、葉っぱも、絵に描いたようにきれいでしたが、どこか変なんです。「何か違うぞ!」と、健ちゃんが気づきました。「この葉っぱって、動いていない」「この枝って、揺れていない」「手だって濡れないし、この水も流れていないぞ」「魚は空中に止まったままだ」。そうです。健ちゃんが見たのは、紙に描かれた森だったのです。誰かが描いた森の絵だったのです。本物そっくりに、いや本物以上に上手に描かれていましたが、それらは全部、絵の具で描かれたニセモノ。「誰が描いているんだろう」と健ちゃん。

 その時です。大きな丸まった紙を持って、茶色の野ウサギがやってきました。健ちゃんの姿を見つけると、軽く頭を下げ、「あっ、健ちゃん!忙しいんだから、ちょっと手伝って」と、手伝いの催促です。健ちゃんも、何がなんだか分からないまま、大きな紙の反対の端を持って、広げる手伝いを始めました。この絵では蝶や小鳥が飛んでいます。青空には、真っ白な雲がぽっかりと浮かんでいます。小川の魚は、水に戻って泳いでいます。先に広げてあった紙にぴったりと重ねるように、貼り付けました。

 「あっ、健ちゃん、ありがとう」と、ウサギ。「いや、どういたしまして」と健ちゃん。「君は誰?何で僕の名前を知っているの?」と聞いてみました。ウサギは、それには答えず、いそいそと奥の方に行ったかと思うと、またまた丸めた紙を持って、やって来ました。「さあ、健ちゃん、今度はこれ」と、健ちゃんに命令です。健ちゃんは答えも聞けずに、紙の端を持って走りました。今度の絵では、入道雲がモクモクと高く高く昇っています。「そこに、電気のスイッチがあるから、少し暗くして」と、ウサギが言いました。足元に電気のコンセントがたくさん並んでいて、健ちゃんは、その中のいくつかを抜きました。「それじゃあ、暗すぎるよ。忙しいんだから、もっと考えてくれなくっちゃあ」と、丸い目をキョロキョロさせたウサギに叱られてしまいました。

 ウサギは、早くも次の絵を広げ始めています。「さあ、引っ張って、引っ張って」。とうとう絵の中では、夕立が降り始め、雷も光り始めました。「そこのスイッチを入れたり切ったりして」と、言われるままにカチカチやると、電気が点いたり消えたりして、本物の稲妻のようです。「シャワーのコックも回して」。今度は雨が降り始めました。「音、音。音を忘れているよ」と、ウサギは大きな太鼓をドンドンドンドドドドドンと叩き始めました。

 一体、何が起きたのでしょう。「ねえ、ちょっと待ってよ」と、健ちゃんはウサギを止めました。「うん。でも、今が一番難しいところなんだ。これを広げてからにして」と、ピシャリと言われ、素直な健ちゃんは言われるままに、手伝いました。「わ~、きれい」。今度は、空に大きな虹が架かった絵です。「電気、電気」と、言われ、一つずつコンセントを差し込みました。「そうそう、いい感じ」。空は次第に明るさをまし、七色の虹もだんだんとうすくなっていきました。森の緑は雨に濡れて、キラキラと光っています。雨上がりの森の美しさは、言葉では言い表せないほどです。

 「はい、お待たせ。健ちゃんの質問は、何だったっけ?」。「君は、誰?」と、健ちゃんは、もう一度尋ねました。「それは、僕にも分からない。もう何年も前から、この仕事をしているんだ。美しい森を守る、大切な仕事さ」と、ウサギは答えました。「じゃあ、僕の名前をどうして知ってるの?」と、健ちゃん。「だって、去年の夏にキャンプを楽しみに来たじゃない」と、ウサギは答えました。「え~?だって、あれは森だよ?」。「だから、ここが森じゃん」と、ウサギ。

 確かに、健ちゃんも、去年の夏に遊んだ森にそっくりだとは思いましたが、でも、キャンプを楽しんだ森へは、車で何時間か走って、やっとたどり着いたのです。こんな地下道の扉から来たわけではありません。「それに池では魚釣りも楽しんだし、夜には枝を集めてキャンプファイアーだってしたんだよ。クワガタ探しもしたし、木登りだってしたんだよ。ここは似ているけど、こんなのって本当の森なんかじゃあないよ」と、大きな声で言いました。ウサギは、ちょっと困ったような顔をして「僕だって、僕なりに一生懸命描いているんだけど、まだあまり上手くないかも知れない。でも、健ちゃんが来たのは、確かに僕の森なんだ」と、ボソボソと話し始めました。

 「健ちゃんたちが考えているような本当の森なんて、もう何年も前からどこにもないんだよ。山に行っても、広い道路が作られ、車が走り、木が切り倒され、ダムができ、都会と同じような店が並び、夜も明るい電気がともり、コンビニだってあるんだよ。健ちゃんたちが美しいと感じるような森は、全部、僕の仲間が描いた森なんだ。池や川には魚がいた方がいいだろう?クワガタや蝶が棲む森の方がいいだろう?木の葉がキラキラ輝き、涼しい風が吹き、小鳥がさえずり、きれいな虹だって見たいし、真っ赤な夕焼けだって見たいんだろう?だったら、そんな森は、もうどこにもないんだよ。僕は自分が誰かも知らないけど、この美しい森を守るのが、僕たち仲間の仕事なんだ」と、一気に話しました。

 健ちゃんも、ちょっと考えて話しました。「でも、こんなのって本当の森じゃあないよ。こんなことしても、本当の森や自然を守っていることにはならないよ。確かにきれいだけど、空だって雲だって虹だって、君が描いたニセモノだし、木だって魚だって生きてないじゃん。それに、ここは森じゃあなくて、地下道の中じゃん。道路の下じゃん。森なんかじゃあない!」

 「じゃあ、本当の森って、どこにあるの?誰が守るの?健ちゃんが、守るの?」ウサギは、長い耳をピクピクさせて話しました。「そ、それは」と、とっさに健ちゃんは答えました。「僕が守るよ。だから君も、自分が誰かを思い出してほしい。よければ僕の友達になってほしい。一緒に森を守ろうよ」。

 ウサギは「さあ、そろそろ夕方の準備の時間だよ。健ちゃんも手伝ってくれるね。」と、大きな扇風機を持ち出しました。「そうか。さっきの涼しい風は、この扇風機の風だったんだ」。ウサギが丸めた紙を広げ始めました。健ちゃんも、手伝いました。山が燃えるような真っ赤な夕焼けの空が描かれていました。鳥がねぐらに帰ろうとしています。「それは折り紙?さっき小鳥だと思ったのは、これだったの?風の音も水の音も小鳥のさえずりも、CDなの?緑の香りって、もしかしたら、この芳香剤?やっぱり、これじゃあダメだよ。まるでTVゲームと同じじゃないか。本当の森を、僕たちで守ろう!」と、健ちゃんは決心しました。ウサギも鼻をモグモグさせて小さくうなずきました。

 「今日は、これで帰るけど、明日また来るから。いろいろ教えてね」と、健ちゃんが、帰ろうとすると、ウサギが初めてニッコリと笑いました。「うん、森を守るっていうこと。約束だよ」と、ウサギは、ドングリの実を5つ、健ちゃんに渡しました。「森の恵みだね」と、健ちゃんは思いました。「じゃあ、また明日」「うん、じゃあ。ああ、それから、君は野ウサギだよ。それも、かなり可愛い野ウサギだよ。覚えておいてね」。健ちゃんはウサギの手を軽く握りました。

 健ちゃんは、木の穴に戻りました。扉を開けると、そこは、いつもの地下道です。健ちゃんは、鉄の扉をきっちりと閉めました。また、いつもの蒸し暑い地下道に逆戻りです。健ちゃんは、絵の世界でもいいから、さっきの森に戻りたいと、少し思いましたが、「でも、あれは本当の森じゃあない」と、思い返しました。「僕は森を守るために、何ができるかを考えるぞ」と、つぶやきました。ふと、手の中を見ると、健ちゃんの手のひらには、ウサギに渡された5つのドングリが確かに握られていました。

 その翌日の朝、健ちゃんは、あの地下道にやってきました。階段を下りて、鉄の扉を探しました。でも、どこにも見当たりませんでした。健ちゃんがそこに見つけたのは、一枚の張り紙でした。「健ちゃん、約束を忘れないでね。かなり可愛い野ウサギより」と、書いてありました。健ちゃんは、ドングリの実を握り締めました。ウサギとの約束は必ず守ろう、と思いました。

 今年の夏休みも、健ちゃんの家族は、森にキャンプ遊びに出かけました。そこには、地下道にあった、森への扉の中で見たのとそっくりな景色が広がっていました。「いい天気で良かったね」と、お母さんが言いました。健ちゃんには、この後起こりそうなことが何のとなく予測できましたので、「でも、もうじき雨が降って、雷も鳴るよ」と言いました。「えっ?まさか」と、お父さんが言いました。やがて健ちゃんの言った通り、夕立が降って、雨上りにはきれいな虹も架かりました。健ちゃんは、野ウサギのことを思い出しました。「もしかしたら」と、少し不安になった健ちゃんが手を入れてみると、小川にはサラサラと冷たい水が流れていました。「本物だ」池には魚が跳ねています。森の空気を思いっきり深呼吸してみました。「全部本物だよね。まだ、間に合いそうだな」と、ウサギにもらった5個のドングリの実をそっと埋めて、丁寧に土をかけました。山は夕焼けで真っ赤に染まりました。

 「約束だもんね」。健ちゃんは、野ウサギとの約束を忘れませんでした。いつか、健ちゃんが埋めたドングリが大きな木に育つでしょう。美しい森は、もっともっと美しくなるでしょう。ウサギと彼の仲間が、必死で守ろうとしていた森が、今、目の前で息づいています。健ちゃんは、画用紙を取り出して、夕焼けの森の絵を描きました。「ウサギさんみたいには、上手く描けないけどね」。絵の右下に、あのウサギも描きました。ちょっと生意気なかなり可愛い野ウサギが笑っています。「よし。僕が、森を守る!」と、健ちゃんは力強くつぶやきました。

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落ち着きのない蝶「アオスジアゲハ」

Utsugi2  道路脇で白い花を咲かせる卯の花(ウツギ)に来ていたのは、ホトトギスではなく、落ち着きのない蝶のナンバー・ワンの「アオスジアゲハ」。私に言わせれば、あっちの花もこっちの花も同じだと思うのですが、本当にヒラヒラと飛び回ります。

 蜜を吸っている間も羽ばたきを止めず、こんな感じ。イチモンジチョウが近づけばバトルを仕掛け、もう飽きてどこかへ行ったかと思ったら、またやって来ます。

 ウツギにはまだ蕾のものもありましたが、すでに散り始めているものもあります。「アオスジアゲハ」に脅されながらも、スジグロチョウやダイミョウセセリもやって来ていましたので、ウツギの蜜はかなりの人気。きっと、甘いのだと思いますが…。

 それにしても、あなたは落ち着きがなさ過ぎます!

 蝶の図鑑―INDEX…検索はこちらからお願いします。

JA遠州中央「ときめき」5月号に女性船頭、坂田さん登場

Tokimeki  JA遠州中央「ときめき」2011年5月号の表紙に、「遠州天竜下り」の女性船頭、坂田二サエさんが登場しました。

 坂田さんは、生まれも育ちも龍山町。「結婚して1年間は浜松市浜北区に住みましたが、やっぱり龍山の自然が忘れられず、またこちらに戻ってきました」とのこと。

 平成21年の秋ごろ、友釣り用のおとりをいつも買いに行くお店のご主人であり、「遠州天竜下り」の船頭をされている天竜区東雲名の市川覚次さんに「船頭をやってみないかねぇ?」とお誘いをいただきました。

 初めはやはり戸惑いましたね。というのも、私の中で「船頭さん」というのは、失礼な話「おじいさんがやっている」といったイメージしかなく、まったくピンとくるものではなかったから…。

 それでも、誘われるがままに船頭の練習をしに行ったとき、舟に乗って川を下り、下船場から乗船場に戻っていく舟の上で、未知なる爽快感を味わったんです。風の気持ちよさ、お客様には体験できない川を上る舟から見る景色―。私の心は大きく動き「船頭になろう」と決めました。

 天竜川の魅力については…

 「天竜下り」には長野県にある急流の鵞が流峡(りゅうきょう)や、比較的穏やかな天竜峡を下るコース、そしてここ静岡県の「遠州天竜下り」の3つがあります。

 「遠州天竜下り」では、現在17人の船頭が交替で天竜区米沢(みなざわ)の乗船場から天竜区二俣町の下船場までの6kmを約50分間かけて下ります。3月中旬の川開きのころにはユキヤナギの花、カワヤナギの芽吹きに始まり、桜、ミヤマツツジ、フジ、ヤマユリ、ダイモンジソウ、山々の紅葉(こうよう)…と、11月末まで季節の移り変わりとともにさまざまな植物が見られ、舟の上にいると花の香りが漂ってきます。時にはカワセミやカワウが現れたり、ウグイスやホトトギスの声が聞こえたりしますよ。雨の季節には水面に川霧が立ち込め、その中をスーッと切りながら進むのも幻想的でキレイなんです。目や鼻、耳で感じる自然と、釣り人たちとのコミュニケーションとがこの天竜下りの醍醐味です。

 さらに詳しい内容につきましては、「JA遠州中央 今月の広報誌 この人に聞く」でご確認ください!

2011年6月 7日 (火)

森の童話―「森の香りをお届けします」

Mori7  「野菜はいかがですか?」と、リヤカーを引いたおじいさんを見かけるようになったのは、数日前から。おじいさんのリヤカーには、ナスやトマト、キュウリにエダマメ、トウモロコシに大きなスイカなどがどっさり積まれています。「新鮮な野菜をお届けしま~す」。不慣れなためか、小さな声です。それに、いくら近くの森といっても、リヤカーを引いて来るのであれば、3時間はたっているはず。にもかかわらず、野菜たちはどれもこれも、朝露が残るほどに新鮮となれば、かえって疑われ、「あれは、きっと水をかけているんだわ」「朝採ってきたって、嘘に決まっているわよね」と、これは口うるさい団地のお母さんたちの噂です。

 リヤカーには、野菜のほかに、白い紙袋がいくつも積んでありました。風船みたいに丸く膨らんでいましたが、手で持ってみても振ってみても音がするわけでなく中で何か動くわけでなく、ただ軽いだけで、おじいさんに言わせれば「森の風が詰まっているんだよ」とのことでしたが、「それは、嘘よね」「あれは、空っぽよ」というのが、お母さんたちの一致した結論でした。ですから、おじいさんのリヤカーは毎回、野菜を売り残して帰っていきます。もちろん、白い紙袋もどっさり残ったまま。

 幸ちゃんは、「かわいそう」と思いました。でも、お母さんに聞いた話だと、紙袋の中には、何も入っていないとのことでしたが、幸ちゃんには「あんなに膨らんでいるんだから、きっと何かいいものが詰まっているんだわ」と、考えていました。嘘つきと言われたおじいさんの野菜は、全然売れません。夏休みに入ったばかりのその日も、麦わらぼうしをウチワにして大きなため息を一つ。肩を落として帰っていこうとしていました。

 「きっと、いいものが詰まっているはず」幸ちゃんは、思い切って後をついて行くことに決めました。街角をいくつも曲がり、信号を過ぎスーパーの前を通り、途中何度も汗を拭いて腰を伸ばして、やっと畑の見えるところで一休み。幸ちゃんも少し離れた道端で立ち止まりました。すると、おじいさんは紙袋を一つ取り上げ、ポンと両手ではさんで割りました。おじいさんが深呼吸したすぐ後、幸ちゃんのところに爽やかな涼しい風が吹き抜けました。「あれ?どうしたんだろう?」と、幸ちゃんは少し不思議に思いました。その風には、いい香りが混ざっていたのです。

 「ああ、いい匂い。葉っぱや草の匂いだわ」と、幸ちゃんは思いました。「これって、あの紙袋の中から?」幸ちゃんは、少し疑ってみました。その時おじいさんが、もう一つ紙袋を割りました。ポン。気持ちのいい音が響き、またまた涼しい風が吹きすぎました。「やっぱり、間違いなし。お母さんは、嘘つきとか言っていたけど、嘘つきじゃなくて、あのおじいさんはきっと魔法使いのおじいさんだわ」と、ほっぺたをつねってみました。

 幸ちゃんは、いつの間にかリヤカーに近づき、「ねえ、おじいさん。その袋には何が入ってるの?」と、聞いてみました。ちょっとびっくりしたようなおじいさんは、幸ちゃんに紙袋を一つ渡して「割ってごらん」と言いました。ポン。幸ちゃんが袋を乗せた両手を合わせると、紙風船が割れるように袋は割れて、小鳥のさえずりを乗せた風が、さーっと吹き抜けました。よく見ると、リヤカーに積まれた野菜たちは、朝露のような水滴に包まれています。水滴の一粒一粒が真夏の太陽の光を受けて、キラキラと虹色に輝いています。

 「君の名前はなんていうの?」と、おじいさが聞きました。「私は幸子よ。おじいさんは?」「幸ちゃんか?ワシは源助」「源助おじいさんか?」「まあ、そんなところだな」と、おじいさんは照れくさそうに笑いました。「この紙袋に森の風を詰めているのは、うちのばあさんでね。ワシらが吸っている森の空気を、街の人たちにも届けてあげたいと言い出してね。毎日紙で袋を作って、森の風を詰めているんだよ」。「おばあさんは元気なの?」「元気だよ。うちで待っているばあさんに、甘いお菓子でも買って帰ってあげたいけど、野菜が売れないからね」。「森の風は冷たいだけじゃあなくて、雲を作り、雨を降らせ、木を育て、森を育て、野菜も育て、何でも叶う魔法の風なんだよ」。「そんな風を、幸ちゃんたちにも届けてあげたいんだけど、誰も話を聞いてくれないんだ」と、おじいさんは嘆きました。「私でも役に立つことはないかしら?」と、幸ちゃんは聞いてみました。「私、手伝ってあげる。源助おじいさん、もう一度、街に戻ろう!」と、言いながらリヤカーの後ろを押しながら、無理やり向きを変えてしまいました。「おい、おい。幸ちゃん」と、困り顔のおじいさんは渋々街に引き返すことにしました。

 「森の香りをお届けしま~す」と、今度は幸ちゃんが大声で叫びました。「森の香りをお届けしま~す」と、おじいさんも少し大きな声で呼びました。団地の広場には、あっという間にお母さんたちや、子供たちがあふれました。「ああ、あの嘘つきのおじいさんだわ」「女の子の声だったので、だまされちゃった」と、口々に言いながら帰ろうとしています。「さあ、源助おじいさん。紙袋を割って」と、幸ちゃんが言いました。ポンと音を立てて、袋が一つ割れました。辺りは、森の香りに包まれ、涼しい風が吹きぬけ、野菜たちはみずみずしい水滴をつけました。帰ろうとしていたお母さんたちの足が止まりました。子供たちも驚いた表情で戻ってきました。

 「何の匂い?」「何かしたんでしょう?」と、幸ちゃんとおじいさんは問い詰められました。「違います。紙袋に詰めた森の風が広がっただけです。源助じいさんとおばあさんが、心を込めて詰めた森の風です。」と、幸ちゃんは叫びました。「そんなわけないじゃない」と、お母さんの一人が紙袋を割りました。「あっ」。さっきと同じです。「私もやってみていいかしら?」と、別のお母さんも割ってみました。「あ~いい匂い。森の香りだわ」。「私も」「僕も」と、紙袋は次々と割られました。森の香りが立ち上りました。炎天下とは思えないほどに涼しくなり、広場に植えられた木々も草花も、元気を取り戻し、そこだけ空気も澄んで、二人にはみんなの笑顔がはっきりと見えました。

 「なんて新鮮なナスなの」と、一人のお母さんがリヤカーの中のナスを手に取りました。「キュウリだって新鮮よ」と、別のお母さんはキュウリを買いました。「私はスイカをいただくわ」「トウモロコシをちょうだい」と、野菜たちは飛ぶように売れていきます。「ありがとうございます。森の風はプレゼントです」と、おじいさんは大喜びです。「ありがとうございます」と、幸ちゃんも紙袋を配ります。幸ちゃんの友達もお手伝いです。幸ちゃんのお母さんも真っ赤なトマトを一袋買ってくれました。

 「売り切れだね。幸ちゃん、ありがとう。ばあさんには、アイスクリームでも買って帰るよ」と、おじいさんは、うれしそうにお礼を言いました。「アイスクリームなんてダメよ。だって融けちゃうもん」と、幸ちゃんは言いました。「大丈夫。紙袋の中に入れていくから」「うん。それなら大丈夫だね。源助おじいさん、また来てね。それから、いつか私、おばあさんを手伝って、森の風を紙袋に詰めてみたいな」。「はい、お礼は森の風でいいかな?」二人は、約束をして別れました。

 次の日、幸ちゃんは朝から紙袋を作って待っていました。何枚も何枚も作りました。「森の香りをお届けしま~す」と、おじいさんの声が聞こえました。幸ちゃんは、外に飛び出しました。あちらからもこちらからも、お母さんや子供たちがニコニコしながら出てきました。おじいさんのリヤカーには、大きな大きな紙袋とおばあさんも乗っていました。「幸ちゃん、昨日はありがとう。ばあさんが、どうしてもお礼を言いたいといったからね」と、おじいさんは話しました。「幸ちゃん、昨日はありがとう。おじいさんから話を聞いて、どうしても会ってみたかったから、無理を言って乗せてきてもらったんだよ」と、おばあさんは、顔をくしゃくしゃにして言いました。「想像していた通りに可愛い子だね。これは、お礼の森の風だよ。今朝、ようやく太陽が昇る頃に森に吹いていた特別な風だよ。幸ちゃんにあげようと、いっぱい詰めてきたからね」。

 「わーうれしい。これ全部、私のもの?私もね、紙袋をこんなに作ったの。でも、こんなに大きくはないわ」と、大喜び。「幸子、ここで袋を開けたら?」と、幸ちゃんのお母さんが言いました。「そうね。さあ、開けるわよ」と、幸ちゃんは叫びました。「みんな、いい~?イチ、二のサン」。

 風が吹きました。もくもくと雲も湧きました。雲は高く高く上っていき、気持ちのいい雨が降り始めました。雨上がりには太陽が顔を出し、美しい七色の虹も架かりました。歓声が上がって、森の香りが立ち込めました。「森の風って、すごいね」「森の香りって、命の香りだね」。みんな口々に叫びました。しおれかけていた木々がピンと背筋を伸ばしました。小鳥がさえずりました。虫やカエルたちも命の歌を合唱し始めました。「源助おじいさん、ありがとう」と、幸ちゃんはおじいさんに飛びつきました。

 「幸子、何してるの?」お母さんの声で、目が覚めました。幸ちゃんは、公園のケヤキの木にしがみついている自分に気がつきました。「あれ?源助おじいさんは?」「何言ってるの?昼寝していたかと思ったら、突然ケヤキの木にしがみついて」と、お母さん。「え?今のは全部夢だったの?」。「風は?雨は?虹は?」。

 その時「野菜はいかがですか?新鮮な野菜をお届けしま~す」と呼ぶ声が聞こえてきました。「ほら、やっぱり源助おじいさんだ」と、幸ちゃんは走り出しました。でも、止まっていたのは拡声器のついた軽トラック。よく聞くと、その声は源助おじいさんとはまったく別の人の声でした。「ねえ、お母さん、トマトを買ってね。真っ赤なトマトを売っていると思うから。できれば、朝露がいっぱいついたのをお願い」と、幸ちゃんは、少しがっかりしたような小さな声でつぶやきました。

 「それから、もしかして、もしかして白い紙袋があったら、忘れずに一つもらってね。私ね、私ね、森の香りが大好きだから」。

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登山道で5本の花穂を立てる「フタリシズカ」

Futarishizuka4  ええ?「フタリシズカ」がまだ咲いている?

 センリョウ科チャラン属の「フタリシズカ」は花期が長いので、開花が遅れた岩嶽山ではまだ見ることができます。

Futarisizuka3 「二人静」の名の割には、3本、4本の花穂を立てるものも多く、写真の「フタリシズカ」は5本。これでは「二人静」ではなく、まるで「五人囃子」。しかも、どれもこれも4本、5本では、かなりチャラン♪です。

 まあ、登山の途中でも道草ばかりの私も、かなりチャラン♪な感じでしたけどね…。6月4日の山歩きの所要時間は、8時間30分。午前5時に家を出て、帰宅したのはちょうど12時間後でした。

 ●秋葉山本宮秋葉神社の石垣に、ひっそりと咲く「二人静(フタリシズカ)」…
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「天竜区佐久間町の原田橋から見る風景」―JA遠州中央「ときめき」より

Haradabashi  浜松市天竜区佐久間町を浦川方面に向かったところに、赤い橋があり、原田橋と呼ばれている。この橋は天竜川に架かる橋で佐久間ダムから2㎞ほど下流に位置する。静かな湖面には、山肌が映しだされ見事な景観をかもし出している。

 この水が我らの生活水に使われる、命の源なのだ。

 JA遠州中央の広報誌『ときめき』の2011年5月号「遠州中央の自然」には、「天竜区佐久間町の原田橋から見る風景」が紹介されました。私が、「新・浜松の自然100選」の「天竜川の豊かな自然」として選んだのと同じ、「原田橋」から上流の佐久間ダム方向を望んだ風景です。

 すでに何回も紹介しているように、「原田橋」とは郷土の偉人、原田久吉翁からの寄付金によって架けられた吊り橋。この橋の中央から上流に目をやれば、写真のような絶景を望むことができます。

 ●「原田橋」は、国道473号、「中部(なかべ)」と「川合(かわい)」の間に架かる吊り橋…
 ●「錦橋」と書いて「きんばし」と読みます。国道473号の…
 ●佐久間には「原田橋」が2本あります。1本は国道473号…
 ●原田久吉を探るシリーズ②です…
 ●出会いは偶然でした。原田久吉翁の遺徳を偲ぶために訪れた…
 ●「名望家」。聞きなれない言葉です。多くの人びとから尊敬され…
 ●原田久吉翁(1837-1929)の号は「二楽」。原田翁の揮毫には…
 ●「原田久吉翁の功績を記した石碑が、もう一つあるよ」と…
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 ●県道290号水窪羽ヶ庄佐久間線、通称「二本杉峠新道」は、原田久吉翁の寄付金によって…
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2011年6月 6日 (月)

ヤシオツツジ古木の群落―岩嶽山

Shiro17 「シロヤシオ 足元までも 白や白」 北遠楽

 シロヤシオの花を見るだけなら岩嶽山に登るまでもないのかも知れません。ただ、尾根を渡る風に吹かれて幹を曲げ、這い蹲るようにして枝を伸ばし、松のように樹皮が割れるほどの古木の群落となると、岩嶽山に登らなくては見ることはできません。

Misyo4  私が出かけた6月4日のシロヤシオは、満開を過ぎて枝先に半分、足元に半分の白い花。この上品な白が、私の下手な写真ではなかなか表現できません。ただの白花のツツジとは違うんです。何と言えば良いのか…。

 落花に隠れるように、実生で育つ新しい発芽も見られました。葉の縁が赤く色付いています。

 アカヤシオ、シロヤシオ―ヤシオツツジの花を見るなら年2回、標高1,396メートルの岩嶽山に登ることにしましょう!来年も登れるよう、足腰の鍛錬を欠かさないように!

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岩嶽山で真っ赤な花を咲かせる「チチブドウダン」

Chichibudodan4  国の天然記念物に指定されているシロヤシオを見るために登った岩嶽山で、真っ赤なサクランボのようなドウダンツツジを見つけました。

 サラサドウダンの変種、ベニドウダンの一種ですが、秩父の山地に多いところから「チチブドウダン」と呼ばれています。

 風が強く、枝が揺れていましたので、どうにもピントが合いませんでしたが、シロヤシオの花が空に溶け込んでいるのに対して、「チチブドウダン」の赤は目立っています。岩嶽山には、かなりの本数がありましたので、シロヤシオを見に出かける人は、真っ赤な花にも注目してください!

 還暦登山で登った私には、シロヤシオよりも「チチブドウダン」の赤の方が似合っていたようです。

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2011年6月 5日 (日)

間伐材など原料、バイオマス発電に注目 林業も活性化、救世主となるか

Kanbatsu1  政府はこれまで、原子力発電の比率を2030年までに50%以上にするとした「エネルギー基本計画」を掲げていたが、原発事故によって見直すことになった。そこで、自然エネルギーのひとつとして注目を集めているのが「バイオマス発電」だ。

 「バイオマス発電」とは、間伐された木材、樹皮、木くずなどの木質材料を燃やすことでタービンを回し発電する発電方式。植物は、大気中の二酸化炭素を吸収して成長するため、燃やすことで二酸化炭素が発生するが、地球上の二酸化炭素の総量は増加しないため、クリーンエネルギーとして位置づけられている。

 一方、農林水産省が平成23年1月28日に公表した農林水産統計によると、平成21年の木材生産額は、木材生産量の減少と価格の低下により、前年度と比べ12.8%減の1860億7000万円になった。7430億8000万円だった平成元年と比較すると、木材生産額は4分の1程度まで落ち込んでいる。福島第一原子力発電所の事故を受け、政府がエネルギー政策を見直す姿勢を見せ始めたことで、衰退の一途をたどっていた国内の林業の状況が変わることになるかもしれない。

 これまでにも「バイオマス発電」による発電事業に参入する企業はみられたが、その多くが赤字経営を余儀なくされていた。これは、製紙、セメント、電力などの企業が二酸化炭素削減のために、補助燃料に木質チップの使用量を増やしたことで、バイオマス発電の燃料となる木質チップの価格が高騰したことにある。さらに、燃料不足による稼働率の低下も加わり、売電事業は大幅な赤字になるケースが多かった。

 そこで政府は、自然エネルギーで作る電気の買い取り制度を導入する方針を掲げ、法案の成立を目指している。2008年には、未利用材を燃料チップに加工する施設へ補助金を支給する制度の運用も始まっており、林業復活に向けた準備が整いつつある。今回の原発事故が、今後のエネルギー供給の大きな転換点になりそうだ。(「MONEYzine」より)

 昨日出かけた岩嶽山の帰路、入手山、キマタ山の人工林が、間伐されているのに気付きました。間伐は、まだ行われたばかり。間伐材は林床に寝かしてありましたが、有効な利用が進むとなれば運び出されることになるのでしょう。

 夏の光が射し込み、明るい林床になっていました。

天竜スギで「めんぱ」作り アドバイス受け挑戦

Menpa  本年度は市内から20組30人が参加し、森林科学部の生徒のアドバイスを受けながら、天竜スギを使った「マイめんぱ」作りに取り組んでいる。

 本年度2回目だった4日は、曲げた側板(がわいた)に桜の皮を編み込み、フタに接着させる作業を行った。次回はめんぱの塗装に取り掛かるという。

 三方原小4年の佐藤航君(9)は「編み込み用の穴をカッターで切って開ける作業が難しかったけれど、上手にできた」と感想を話した。

 マイめんぱは今月中に完成する見込み。教室最終日は、めんぱを持って森林浴に出掛ける予定。(「静岡新聞」より)

 私も「めんぱ」が欲しかったんですよね。山歩きの時に、「めんぱ」に詰めた白いご飯が食べたいと何度思ったことか。

富山県から祖母の故郷・佐久間を訪ねる⑥佐久間に帰る「帆掛け舟」

Hokake3 姉妹のお祖母さんは、折り紙で「帆掛け舟」を折ってくれたそうです。帆先を持ったら目をつぶらせ、目を開けると舳先を持っているという、古典的な「だまし舟」遊び。そして、久根で見た「帆掛け舟」の話をしてくれたそうです。

 あなたは、「帆掛け舟」が折れますか?

 色紙が1枚ありましたので「帆掛け舟」を折ってみました。途中までは、二双舟や風車の折り方と同じ。ここを摘まんで、ここをこう折って…。はい、出来上がり。

 ここの帆の先を持って!じゃあ、目をつぶって!はい。目を開けてみて!ねっ、いつの間にか舳先を持っているでしょう?

Shimai8  こんな帆掛け舟が隊列を組み、鉱石を乗せて天竜川を下りました。そして、帰り舟は帆いっぱいに風を孕み流れに抗して進みました。

 佐久間を「心の故郷」と感じていたお祖母さんのルーツを探る富山県氷見市の姉妹は、亡曾祖母と同じ苗字を持つ塩澤さんを訪ねました。塩澤さんは、姉妹の話に耳を傾け、自分のことのように記憶をたどってくれたのですが、残念ながら、2人のルーツにはたどり着くことはできませんでした。

 90年前に天竜川を下った折り紙の「帆掛け舟」は、まるで「だまし舟」。姉妹の帰り舟にはならなかったのです。

 ところで、あなたは「帆掛け舟」が折れますか?姉妹のために、「帆掛け舟」を折ってあげてください。佐久間に住んで久根で働き、90年前に佐久間を離れた塩澤姓、あるいは岡本姓の家―2人のルーツに関する情報をお待ちしています。

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秘境、京丸、岩嶽山に咲くヤシオツツジ

Shiroyashio0  国の天然記念物

 遠州七不思議の1つとされる伝説の京丸牡丹は、61年目に1度咲く幻の花として伝えられています。

 京丸の牡丹谷一帯200ヘクタールには4月下旬から赤ヤシオ、5月上旬からは白ヤシオと呼ばれるヤシオツツジが咲きほこります。

 霧の中に浮かぶヤシオツツジは、民謡京丸牡丹の茶摘節のうまれたふる里でございます。春野町では京丸牡丹、岩嶽山、ヤシオツツジ、春野町のシンボルとして永遠に語りつがれて行く事でしょう。

 岩嶽神社の脇に立つ看板です。

 アカヤシオの季節にはおおぜいの登山客と出会ったのですが、今回出会ったのは3人だけ。5枚の葉の上に白い花が咲くのですが、遠くからは目立ちません。見上げても葉に隠れてしまいますので、アカヤシオよりも花の数は多いのですが、人気は負けているようです。

 愛子様のお印「五葉つつじ」とは、この「シロヤシオ」のこと。来年こそは、アカヤシオだけでなく、「シロヤシオ」も見に出かけてくださいね!

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2011年6月 4日 (土)

ニホンジカ対策、愛知・静岡と連携へ 飯伊対策チーム

 (長野)県の下伊那地方事務所や下伊那農業改良普及センターなどでつくる「飯伊野生鳥獣被害対策チーム」は3日、飯田市内で本年度初会合を開き、南アルプス南部で生息数が増えているニホンジカへの対策で愛知、静岡両県と連携する方針を初めて確認した。長野県野生鳥獣対策室によると、具体的な活動内容が固まれば、山梨県に続いて県境をまたいだ連携となる。

 県境を越えて移動するシカに対処しようと、下伊那地方事務所が5月下旬、愛知県新城設楽山村振興事務所(新城市)、静岡県西部地域支援局(磐田市)に連携を呼び掛けた。3県の担当者が各地域のシカによる被害の状況を確認するなど情報交換を進め、最終的には、各県境域の地元猟友会が同じ日に出動してニホンジカを捕殺する計画だ。

 同チーム班長の松本善彦・下伊那地方事務所副所長は「シカによる農産物などへの食害を防ぐために、捕獲に向けた広域連携を図っていきたい」と話している。

 愛知県新城設楽山村振興事務所は「担当部署などを今後検討していきたい」、静岡県西部地域支援局は「三遠南信地域の重要な課題として考えている。対応を決めていきたい」としている。(「信濃毎日新聞」より)

 野生鳥獣の生息域は当然、県境を越えて広がっています。対策も県境を越える必要がありますね。

2011年6月4日 還暦登山―岩嶽山のシロヤシオ

Shiro417  個人的な話ですが、今日6月4日は私の誕生日。満60歳の還暦を迎え、記念になればと思い岩嶽山に登って来ました。

 もちろん、狙いは天然記念物のシロヤシオ。残念ながら1週間遅かったようで、荷小屋峠を過ぎた辺りから、たくさんの落花が登山道を白く染めていました。

 しかし、竜馬ヶ岳に向う尾根道や山頂付近には満開の木もあり、十分に私の還暦を祝ってくれましたので、とても良い記念になりました。

Shiro8 Shiro7
Shiro9 Shiro1

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静岡新聞「市制記念特集 浜松ぐるっと100周年 天竜区」⑩渡し舟と宿場町

Watashi643  (前略)天竜川流域では、洪水や大水で橋が流されることもしばしば。耐久性の高い橋が架かり始める昭和期の1930年ごろまで、天竜川の両岸を結ぶ一般的な手段は渡し船だった。

 信州へ続く街道の宿場町として発展した水窪地域(現水窪町)は、大正期には10軒ほどの宿屋が軒を連ね、商店も多く、北遠、南信の中心地として栄えた面影を残す。(「静岡新聞」より一部引用)

Misakubo642  「渡し船」天竜川沿いの地域住民の足として不可欠であった渡し船。横山地区(現横山町)で運行されていた渡し船はバスも乗せられる大きな船だった(1930年ごろ=昭和初期)

 「水窪町商店街」八幡宮の祭典でにぎわう水窪商店街(現水窪町大里地区)。長野県へと続く峠越え前にある最後の宿場町として栄えた(1922年=大正11年)

 いかがですか?懐かしい風景と感じられる人と、これが数十年前の浜松だとは信じられない人がいらっしゃるのではないでしょうか?あなたは、どっち?私は、「昔は良かった」の世代。さあ、出かけようっと!今週も北遠へ。

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富山県から祖母の故郷・佐久間を訪ねる⑤佐久間のお茶

Cha7  富山に帰った姉妹から、お礼のメールとともに次のようなエピソードが届きました。

 今、山香のお土産のお茶を見ていて思い出しました。

 曾祖母は、毎朝、毎晩、湯飲みを目の高さに上げてお祈りしているようにした後で、その中のものを飲んでいたので、母が「どうして、そんなことをしているの?」と聞いたところ、曾祖母は「佐久間に向ってお祈りをして白湯を飲んでいる」と言ったそうです。

 何を拝んでいたんでしょうね?タイムスリップして聞き出してみたい気持ちです。

Yamaka4  どなたか、この姉妹のルーツをご存知ないでしょうか?90数年前に佐久間町佐久間に居住していて、久根鉱山で仕事をしていた塩澤姓、あるいは岡本姓の家です。何らかの理由で佐久間を離れた後も、佐久間を「心の故郷」として祈り続けていました。

 自らのルーツを探る姉妹の挑戦は続きます。

 5月29日に訪れた「山香ふるさと村」でお土産にいただいたのは、無農薬有機栽培で手摘みの新茶。せめて、「ひいおばあさん」に久根の美味しいお茶を飲ませてあげたかったですね。

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さあ、「小堀谷鍾乳洞」へ行きましょう!

Annaizu5  浜松市の北部には大小の鍾乳洞があり、竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)、鷲沢(わしざわ)風穴、「小堀谷(こぼりや)鍾乳洞(別名・青谷鍾乳洞)」という3つの観光鍾乳洞があります。

 その中で北遠の鍾乳洞と言えば、先日『ふるさとものがたり天竜』で紹介した「小堀谷鍾乳洞」。自動車ですぐ前まで行けるようですが、道はたいへん狭いので、県道9号の「不動尊前」バス停のところを左折、狭い橋を渡り「青谷不動の滝」駐車場に車を停めて、歩くことをお勧めします。

 「青谷不動の滝周辺案内」の看板を見ると、滝から鍾乳洞まではあまり遠くないように思えるのですが、正直言って、結構あります。小堀谷集会所向かいにある鍾乳洞の横には祠が立ち、入口には看板が立ち…

Iriguchi5  小堀谷鍾乳洞の伝説

 阿多古青谷村別里小堀谷は、戸数10戸ばかりで大きな洞窟がある。深さは約20歩ばかり、広さは約7-8坪、岩上を望み見れば神像のような形をした岩がある。
 あるとき土地の農夫が草刈りに行き、洞窟に入って神像に向かい霊あらば吾が面の瘤を快し給えと祈り去る。その夜農夫は霊夢終わりて快癒の思いをなす。明朝面の瘤は崩れて平快すと。
 これを聞いて近人は洞窟に参り願いごとを祈る翌月頃には遠所にも聞こえ、1日の参詣者は、1000人にも及んだ。
Switch4 (文化7年の内山真竜日記より)
 尚この鍾乳洞は、昭和54年7月23日試掘の結果、奈良時代末期の遺跡であることが判明した。

 入洞は無料。観光鍾乳洞とは言え無人ですが、入口には電気のスイッチボックスがあり…

 小堀谷鍾乳洞にようこそ、洞内に入る折りには…を点けてお入りください、お帰りの際には…を切ってくださいね。

 「…」の箇所が消えてしまっていましたが、おそらく「スイッチ」のはず。では、ボックスを開けてスイッチをON。電灯を点けて、さあ、入りましょう。

 【関連記事】ふるさとものがたり天竜「小堀谷鍾乳洞伝説」より
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2011年6月 3日 (金)

富山県から祖母の故郷・佐久間を訪ねる④雨に霞む「心の故郷」

Kune97  28日は13時18分発の「しらさぎ」に乗り米原、名古屋経由で「ひかり478」にて17時04分に浜松に到着します。当日は「オークラアクトシティホテル浜松」に宿泊します。帰り29日は17時38分発の「ひかり479」にて帰路につきます。「晴天間違いなし!」だといいですね。

 富山県氷見市の姉妹から届いていたメールです。ところが「晴天間違いなし!」どころか、台風2号から変わった温帯低気圧接近。特に北遠、佐久間は時折激しい雨が降る大荒れの1日となりました。

Kune7  そんな雨の中で、「山香ふるさと村」の三井さん、山口さんから話を伺い、久根鉱山跡を眺め、佐久間町矢島の塩澤さん宅を訪ね、せっかくでしたので「佐久間ダム」にもご案内しました。

 姉妹にとっては、まったく知らない佐久間なのですが、お祖母さんの生まれ育って地であり、繰り返し話を聞かされて来た「心の故郷」でもあったのです。長年思い描いていた佐久間と、実際に自分たちの目で見た佐久間とでは、違いがあったのでしょか?それとも、想像した通りの佐久間だったのでしょうか?

 姉妹は「今回の自分たちの佐久間訪問に関わってくださった全ての人たちの、優しい気持ちが強く思い出に残っています。もし、誰かから冷たい対応をされたとしたら、私たちの『心の故郷』訪問はなかったと思います。本当にありがとうございました」。

 「次には、ぜひお母さんと一緒に佐久間にいらしほしい」と心から願っています。

 私のこんな気持ちに共感できる人たちは、日本中にたくさんいるはず。あなたはいかがですか?

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静岡新聞「市制記念特集 浜松ぐるっと100周年 天竜区」⑨佐久間ダム

Dam640  佐久間ダム建設 戦後復興の象徴

 (前略)“暴れ天竜”をせき止めて造った佐久間ダムの建設は、戦後復興期の日本を象徴する本格的な大規模土木工事で、国内外の技術と人員を結集して行われた。完成は昭和31年(1956年)。重力式のダムの中では、完成から55年を経た今でも日本最大級の年間発電量を誇る。(「静岡新聞」より一部引用)

Dam641  佐久間ダムに関する写真は、「建設中の佐久間ダム」と「昭和天皇視察」の2枚。

 「建設中の佐久間ダム」外国製の大型土木機械を国内で初めて導入し、着工から3年半という驚異的なスピードで完成した(1955年12月=昭和30年)

 「昭和天皇視察」完成したばかりの佐久間ダムのご視察に訪れた昭和天皇、皇后両陛下。説明者は永田電源開発会社理事(1957年10月=昭和32年)

 「脱ダム」の言葉も生まれ、環境破壊とまで言われたダム発電ですが、日本の近代化に果たした役割には大きなものがありました。

 「静岡新聞」の特集「浜松ぐるっと100周年 天竜区」(5月26日、27日)は、興味本位で歴史を掘り起こすだけではなく、力の入った素晴らしい特集記事です。

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オレンジ色の鮮やかな花「マツモトセンノウ」

Matsumotosenno1  「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されている「マツモトセンノウ」が、濃いオレンジ色の花を咲かせました。

 この花は、一昨年(2009年)6月、佐久間町羽ヶ庄(はがしょう)の細澤さんからいただいて、NPO法人「天竜川・杣人の会」の久保田さんに預けている、佐久間と私たちを結んでいる大切な山野草です。

 ナデシコ科の仲間で、「マツモトセンノウ=松本仙翁」の名前は花の形が歌舞伎の松本幸四郎の役者紋「四つ花菱」に似ていることから。

 肌寒い雨の日の撮影となり、花が少し痛んでしまいましたが、株は大きく育ち、花も蕾もいっぱい。まだまだ咲きそうです。

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2011年6月 2日 (木)

NHKニュース「天竜木材供給増やす協議会」

 「天竜スギ」など県西部の木材の利用を促進しようと利用や流通について話し合う協議会が発足し県外の大手製材工場などに売り込みを図るなど新たな販路の開拓に乗り出すことなどを確認しました。浜松市天竜区で開かれた協議会の設立総会には浜松市と掛川市の森林組合の代表らおよそ40人が出席しました。

 はじめに県森林組合連合会の大畑仲典常務が「昭和30年代から40年代にかけて木材の産地として有名だった天竜区もいまは衰退しており山に活気がもどる方策を一緒に考えていきたい」と述べました。

 そして、今後▼連合会が窓口となってどんな木材が市場で求められているのか情報収集をすることや▼森林組合や伐採業者が協力して県外の大手製材工場など新たな販路の開拓に乗り出すことを確認しました。

 県によりますと天竜川流域の丸太の生産量は平成21年度で10点2万立方メートルと15年近くで半分以下になり、担い手不足のため間伐が行われず森林の荒廃も進んでいると言うことです。

 静岡県は平成25年度までに県全体での木材の生産量を45万立方メートルとする目標を掲げ、県西部以外の産地でも対策を検討するなどして利用の促進を図ることにしています。(「NHK静岡のニュース」より)

 木材の利用促進は、北遠の自然環境保全にとっても最善の方法だと思います。

富山県から祖母の故郷・佐久間を訪ねる③久根鉱山

Isami5  富山から来た姉妹は、もう1枚の写真を見せてくれました。「ここに写っているのが、曽祖父(岡本乙次)に抱かれた祖母(岡本支那子)」「おや、この英語表記はイサミ写真館ですね。筆記体でPhotoIsamiと書かれているようです。この写真は、間違いなく佐久間、それも久根にあったイサミ写真館で撮られたものです」。

 こうなると、2人のお祖母さんの故郷が、佐久間であったのは間違いありません。お祖母さんは7歳までしか久根に住んではいなかったとのことですが、小さかった姉妹に、久根の話をしてくれたそうです。折り紙で「帆掛け舟」を折り、久根で見た「帆掛け舟」の話もしてくれたそうです。

Kouzan6 生きて、故郷の地を踏むことはできませんでしたが、今回、孫姉妹は、亡きお祖母さん(岡本支那子)の写真を持参していました。

 「ほら、あちらに見えるのが、鉱山の選鉱所の跡です」。大きく蛇行している天竜川の向こうに古いコンクリートの遺構が見えています。「祖母も、この景色を見ていたのかしら?」。

Hokake 傘を差す姉妹の目に涙が浮かんでいます。妹の手には、古い写真が1枚。亡くなったお祖母さんの写真を手に、まるで「ここが、あなたのいた久根ですよ。お祖母ちゃん、見えていますか?」と語りかけているようです。

 姉は携帯電話を取り出し、お母さんに連絡。「お母さん!私たち、今、久根にいるよ。お祖母ちゃんが見た久根鉱山の風景を見ているの。うん。お祖母ちゃんにも見てもらっているからね」。

 「私たちよりも、もっと久根の話を聞かされていた母はまだ健在です。今度は、母を連れて来ます」。降りしきる雨の中、姉妹の涙に霞んだ目に、久根の山がしっかりと焼き付けられたと思います。

 そして、私は、近い将来お母さんも一緒に再び佐久間を訪れてくれるのを心待ちにしています。

 曽祖父に抱かれた祖母の写真の裏には「岡本乙次 次女支那子」と書かれていたそうです。曾祖母の名は「塩澤すえ」。2人のルーツを探るヒントは、決して多くはありません。

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静岡新聞「市制記念特集 浜松ぐるっと100周年 天竜区」⑧移動販売

Idohanbai629  “即席スーパー”好評 週5日移動販売 買い物の楽しさ届ける

 食料品や日用雑貨を積み込んだ車で小規模集落を巡回する「移動販売」が、浜松市天竜区の山間地で、買い物に出るのが難しい高齢者の生活を支えている。「家の近くまで来てくれてオープンする“即席スーパー”は「自分の目で商品を選べるのがうれしい」と利用者からは好評だ。

 同区に移動販売車は数台あるとみられ、新規参入した多丸屋(龍山町瀬尻)は1月に営業を始めた。週に5日、佐久間町の仙戸や相月集落など近くに商店がない地域を中心に9地区を巡回。民家の前で荷台の魚や野菜、豆腐、調味料などの食料品を並べ、“即席スーパー”を開店する。

 天竜川を眼下に望む戸口地区の女性(82)は「バスで商店に買い物に出掛けても、荷物を抱えてバス停から坂道を上るのはひと苦労。重いものは避けてしまう」と自宅から数メートルの場所に来る移動販売を心待ちにしている。

 利用者にとっては、ついでに井戸端会議も楽しみの1つ。注文した商品を届ける「お遣いサービス」も始め、「『また来てね』を聞きたくて頑張っている」と販売員の片桐英美さん(55)。買い物の楽しさを届けようと毎週同じ時間に車を走らせる。(「静岡新聞」より)

 これまで取り上げられて来なかった北遠の暮らしの一端が、新聞記事として紹介されました。一昔前の行商を思い出します。鋳掛屋さんも来ましたし、アイスキャンデーも。暮れになると、必ず決まってモツを売りに来ました。正月には、獅子舞や三河万歳も。

 地域の活性化には、昔の暮らしぶりの中にヒントがあるかも知れません

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ネットに絡む白い風車「ケテイカカズラ」

Keteikakazura3  歌人として知られる藤原定家が、死後も愛しい式子内親王を忘れられず、ついに「定家葛」に生まれ変わって墓に絡み付いたという「テイカカズラ」よりも少し早く花が咲く「ケテイカカズラ」です。

 佐久間ダム発電所横のネットに絡み付き、白い風車のような花を咲かせていましたが、ちょっと見た目は「テイカカズラ」にそっくり。ただ、誰を愛しがって絡んでいるのかは分かりませんでした。誰かな…?

 これって、「緑のカーテン」にいいかも知れません。

静岡新聞「市制記念特集 浜松ぐるっと100周年 天竜区」⑦二俣の活性化

Yamatake628  蔵を交流拠点に活用 焦点・二俣中心部の活性化

 浜松市は7月、ワークショップや多目的スペースを備えた新施設を、天竜区二俣町の「ヤマタケの蔵」敷地内にオープンする。2009年度から取り組んできた蔵を活用するための整備事業。ヤマタケの蔵をまちづくり活動や交流の拠点と位置づけ、「二俣の活性化につなげていきたい」(天竜区役所)としている。

 ヤマタケの蔵は1923年(大正12年)に完成。材木や繭を扱う商家の蔵だった。「ヤマタケ」はその屋号。蔵は3棟に分かれており、中央の蔵は二俣でも珍しいという座敷蔵。整備事業は、既存の蔵の修繕と、新施設の建築を2本柱とした。

 新施設は蔵仕立ての平屋建て。延べ床面積は約66平方メートル。新築費用は約2500万円という。市は、住民活動や展示ギャラリー、各種イベントなどでの利用を思い描く。

 水谷浩三区長は「市民からの提案に基づき、取り組んできた事業。今後も市民の声を取り入れながら、二俣の魅力を発信していきたい」と話す。

 「二俣みがきの会」の中谷悟代表(61)によると、2008年の調査では二俣中心部に約35棟の蔵が残っていた。秋野不矩美術館や本田宗一郎ものづくり伝承館を含め、「歩いてこそ味わえるのが二俣の町」(天竜区まちづくり推進課)。市は本年度、交通案内の看板も整備していく予定だ。

 一方、ヤマタケの蔵の新施設完成に伴い、住民側にも有効に活用していく姿勢とアイデアが求められる。地元、クローバー通り商店街のおかみさん会「リリーズ」(鈴木敦子代表)は7月上旬、新施設のオープンに合わせ、にぎわい創出イベント「夏の蔵シック」の開催を予定している。(「静岡新聞」より)

 記事の脇に掲載されている「記者の目」にあるように、地域の活性化とは、観光地化ではありません。

 効率や利便性、「1円でも安ければ良い」との選択が、郊外型の大型店舗の繁栄をもたらしています。果たして、これで良いのでしょうか?

 本来、地域は地域の中だけで暮らして行くことができました。私たちは、これまでの都市作りの間違いに気付いているはずです。本当の暮らしやすさとは、自動車を持たなくても生活に困らない環境。最後に頼れるのは、地域の仲間です。子育てだって、現在の歪んだ都会の真ん中よりも、自然に囲まれた北遠の方が良いに決まっています。

 …と考えてみると、むしろ問題を抱えているのは、中心市街地の方かも知れませんね。

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2011年6月 1日 (水)

ジビエの新メニューどう? 浜松大生と文芸大生ら

Shikaniku  深刻化する野生鳥獣被害の対策に役立てようと、浜松市北区都田町の浜松大でこのほど、ジビエ料理試食会が行われた。同大と静岡文化芸術大が協力し、野生鳥獣の有効利用を検討する機会にしようと開催した。

 静岡文化芸術大の学生が鳥獣被害やジビエ料理について調査したことを機に、同大の米屋武文教授が以前から親交のあった浜松大の川上栄子講師に新しい鹿肉料理の開発を依頼。川上講師の指導で、浜松大の健康栄養学科4年生5人が新メニューを考案した。

 試食会には、学生や教員のほか、市や農協の職員も参加。真空調理法を使ったマーマレード煮や茶で煮込んだ角煮、ピロシキなどが振る舞われた。

 学生たちは20種類ほどを試行錯誤した中から厳選した8品を紹介し、森松真奈美さんは「鹿肉は熱を入れると固くなってしまうので、どうしたらおいしく食べられるか考えた」と話した。(「静岡新聞」より)

 私たちが子どもの頃のように、普通に野生鳥獣の肉が美味しく食べられるようになると良いですね。

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静岡新聞「市制記念特集 浜松ぐるっと100周年 天竜区」⑥映画製作

Kamijima627  映画で山間部の魅力発信 ライブハウス「窓枠」上嶋常夫代表

 浜松市天竜区水窪町を舞台にした映画製作を進めるライブハウス「窓枠」(同市中区)。その仕掛け人の上嶋常夫代表(60)に、都市部に暮らす市民が山間部の現状をどうとらえ、山間部の何に魅力を感じているのか―聞いた。

 ―都市部の人たちの目に、山間部の“今”はどう映っているのか。
 「人口が少なくて、交通の便が悪い。そう考えている人が大多数ではないか。確かに間違いではないかもしれないが、それらの不便さが逆に山間部の良さでもある。方言や、昔ながらの食文化、暮らしぶりが各地域に今も残り、水窪など山間部にしかないものが多い」

 ―山間部の魅力は。
 「都市部と“ずれている”点。古くささや時間的に取り残された雰囲気がある。それらのほとんどは実際に足を運び、肌で感じなければ分からない。旧浜松市と合併したことで、都市部の人々の目が北遠地域に向くようになり、徐々に山間部の魅力に気付き始めた。そんな今だからこそ、売り出すチャンス」

 ―なぜ舞台を水窪に。
 「過疎地と呼ばれる中山間地域の活性化の力になりたかった。水窪とは、かつて児童を対象にした『窓枠ロックバンドクラブ』を結成した縁があった。活動中に出会った人々、訪ね歩いた史跡や、いわゆる限界集落と呼ばれる山間地の風景が忘れられずにいる時、映画監督の瀬木直貴氏と出会い、映画作りへの話へと進んだ」

 ―どうして地域活性化が映画なのか。
 「今回の映画作りは、単なる水窪を舞台にした映画製作にとどまらず、ロケ地の観光地化など上映後も町のにぎわいが続く仕組みを考えている。同時に、上映映画に付随する物語をインターネット上で展開させ、登場するキャラクターのグッズ販売、さらには製作工房を水窪に設けることも視野に入れている」

 ―山間部の人たちにエールを。
 「魅力を生かし切れていない。私たちのように山間部の力になりたいと考えている人がまだまだいるはず。どんどん人を呼び込み、そういった人や団体を“利用する”ことを考えてもいい」(「静岡新聞」より)

 5月27日付「静岡新聞」のインタビュー記事。私も北遠の魅力に取り付かれた人間の一人です。ぜひとも、映画作りに協力させていただきたいと思っています。

 私も負けずに、もっと、もっと、北遠の魅力を伝えるために書き続けることにしましょう。いろいろな人が、同じ方向を見て進めば、大きな力となります。「何ができるか?」を考えるよりも、まず、北遠に出かけてください!自分の目で見て、自分の肌で感じてください!もしかしたら、それは無くしかけている大切なものかも知れません。

 それに気づいたら、さあ、前に進みましょう!

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富山県から祖母の故郷・佐久間を訪ねる②山香ふるさと村

Furusatomura3  私たちの長年の思いが叶う日が来るかもしれないと思うと何だかドキドキ、ワクワクです。「杣人の会」にメールして良かった、斉藤さんと知り合えて良かったです。私達も色々と準備していきます。お会いできる日を楽しみにしております。

 姉妹が私たちNPO法人「天竜川・杣人の会」を知るきっかけとなったのは、もちろん、このブログ『出かけよう!北遠へ』。私たちが発信している北遠に関するさまざまな情報から久根鉱山のことを読み、思い切ってメールを出していただいたことによる出会いです。

Album  そして、「祖母とその姉が久根鉱山と思われる坑道口前で写したと思われる写真を持っています」とのメールに書かれていたのが、昨日も紹介したこの写真。

 姉妹が持参した古いアルバムを広げると、そこには、古い写真が。前列の左から2人目がお祖母さん。後ろで立っているのが、そのお姉さんだそうです。そして、破れかけた写真の背景に見えるのが、鉱山の坑口のはず。

Shashin7_2  昔の久根のことを知るには、地元のお年寄りに聞くのが一番です。先ず立ち寄ったのは、佐久間町大井の「山香ふるさと村」。鉱山の閉山後、久根を離れた人たちに懐かしい山香の味を届けようと始めた組織です。

 あらかじめ連絡してありましたので、三井節子さんと山口松子さんの2人が待っていてくれました。

 「昔の苗字は、塩澤っていうの?」と、心当たりのあるあちこちへ電話。「塩澤という苗字の家は何軒か残っているから、もしかしたら、関係のある人を知っているかも知れないという人を紹介してあげますよ。訪ねてみたら」とのこと。「でも、その前に、鉱山に行ってみたいんでしょう?」。

 「山香ふるさと村」から少し下ると、久根鉱山の施設が見えるところがあります。「そこまで、行ってみる?」。

 あいにくの強い雨の中、傘を差して鉱山の入口に向いました。

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