山で暮らし、山に生きる―「にゅうぎ」の風習とシカの足跡
北遠の小正月行事。近頃では見かける機会も減ってしまったようですが、ここ二本杉峠の馬頭観音群に行けば必ず見られるはず。
期待しながら山道を登り、原田久吉翁揮毫の「二本杉新道碑」と彫られた記念碑の前で停車。見慣れた懐かしい馬頭観音群の前で手を合わせ、ふと横を見ると…。
ありました。今年も「にゅうぎ」を立ててお祀りしたようです。
「にゅうぎ」とは漢字では「新木」とも書くようですが、まだ若い栗や樫の枝を割り、「十二月」と書いて門口などに供える風習。「閏年」には「十三月」と書くとのことです。
現在、二本杉峠に暮らすのは、たった1軒と聞いています。山に暮らし、山とともに生きて生きた人たちの間でも、過疎化とともに次第に失われていく伝統行事があります。
「にゅうぎ」―たかが割り木ですが、されど割り木。雪の上に残された足跡を見れば、人口の減少と反比例するように、山の動物たちは増えて来ているようです。
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