「大鋸=おが」は製材に使われました
葛飾北斎の描く「冨嶽三十六景 遠江山中」―巨大な材木に乗って上から、あるいは材木の下から大きな鋸(のこぎり)を挽く木挽き職人。鋸の目立てをする職人と覗き込む女房。一体、この「遠江山中」とは一体どこなのでしょうか?富士が見える「山中」とは、掛川の日坂辺りではないか言われています。モチーフは、鍬形蕙斎(くわがたけいさい)の「近世職人尽絵詞」から引用したものとのことですので、真実は蕙斎に聞いてみないことには分からないのかも知れません。
この木挽き作業で、寸分の狂いもない板を伐り出すのは、高い技術と良い道具が欠かせません。「さくま郷土遺産保存館」の壁一面、写真のような大きな鋸がびっしりと展示されていました。この鋸は、「前引大鋸」(まえびきおが)―製材用の縦挽き鋸です。北斎の版画で職人たちが使っている大鋸は、おそらく同様のものと思われます。佐久間でも、丸太のままで出荷するだけでなく、木挽き=製材が盛んに行われていたことが伺われます。ちなみに鋸屑のことを『おが屑』『おが粉』と呼んでいるのは、大鋸(おが)で挽いた時にできる切屑だから。これは、物知りの友人から聞いた話です。
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