水窪の「池の平」に水が湧いたとのニュースが流れてから、1ヵ月とちょっと。あの時、「新宮池」のある春野町和泉平で聞いた話では、「桜ヶ池の龍神が諏訪湖に帰る時には、新宮池でも休息するんだけど、スーパー林道の『賽の河原』にも水が湧いて…」。
…というわけで、気になっていた「賽の河原」に寄ってみました。
賽の河原
欅や杉木立に囲まれた窪地に苔むした積み石が十塔ほど点在し、夭折した幼子や水子の苦しみを救済するための地蔵菩薩二体と不動明王一体の石像が祠に安置され河原を見守っている。不動明王の舟形の刻銘から、佐久間町上平山の片桐家と太田家の先祖が願主であることがわかる。 中村 育男 近藤 饒
もちろん、スーパー林道脇に、この木製の看板が建てられていたのは知っていました。内容も読んではいたのですが、道路際の水の流れが「賽の河原」だと勘違い。流れに沿って遡ってみると、やや開けた窪地があり、そこには看板に書かれた通り、石が積み上げられています。左手を見上げれば小さな祠があり、中には地蔵尊2体と不動明王像1体が祀られ、ここが、秋葉古道「賽の河原」です。
「賽の河原」は、寛政10年(1798)に著された『遠山奇談』にも紹介されていました。その記述によれば…
「又其あたりに西の川原といひつたへて石塔七つほどありしが、ふゞきの雪に閉られたるか、蛭虻乾責られて身まかりなどするものあらばこゝに葬となん」
「西の川原」と言うのが「賽の河原」のこと。秋葉山への途上で倒れた参詣者を埋葬した場所として紹介されています。「ふゞき=吹雪」や「乾=渇き」で倒れるばかりか、蛭(ひる)や虻(あぶ)にも悩まされた様子。確かに、現在でもこの辺りの虻は難敵ですが、大袈裟に言ったとしても死に至るほどではありません。
とにかく、本願寺再建の用材を求めて、南信州の遠山まで出かけた僧の紀行文『遠山奇談』には、こう記載されているようです。
さて、龍神休息に欠かせない肝心な水ですが、「池」とまではいかず「ぬかるみ」程度。しかし、ここに湧いた水が細い流れとなって、スーパー林道の下を横切る沢となっているところを見ると、確かに湧いてはいるようです。
もしかしたら、1ヵ月前には、もう少し豊かな水を湛えていた可能性はあります。すぐに確認に来ればよかったのですが…。お地蔵様は、「賽の河原」に水が湧き、龍神が休息する様子をにっこり笑顔で見ていたのかな?
「スーパー林道」は、「新・浜松の自然100選」に指定されています。「100選」のガイドブックは、A5判70ページで400円(消費税込)。浜松公園緑地協会本部(053-411-6687)ほかで販売しています。
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