「だいすき!北遠の里」にお立ち寄りの皆さまの、ちょっとした「道草」。季節の便りをお届けします。
イラクサ科「ウワバミソウ(蟒蛇草)」。小さな花をつけていました。「今にも蛇がでそうなところに生えるのでこの名前が付いた」って、どんな場所?杉林などの湿り気のあるところに生え、「ミズ」「ミズナ」などと呼ばれ人気の高い山菜です。
シソ科の「ウツボグサ」を見つけました。名前は、花穂が弓矢を入れる「靭=空穂(うつぼ)」に似ていることから。外来の園芸品種のような鮮やかな紫色の花を咲かせますが、れっきとした国産の野草。気になるのは、別名の「カコソウ(夏枯草)」。花穂は「夏至」を過ぎると枯れ、茶褐色となるので、その名が付いたとのこと。
アオイ科の「ゼニアオイ」と言います。もともとはヨーロッパ原産、江戸時代に中国経由で渡って来た帰化植物。花の大きさが「五銖銭(ごしゅせん)」と同じ大きさというところから「銭葵(ゼニアオイ)」と呼ばれるようになったと言われています。
ゴマノハグサ科の「ビロードモウズイカ(天鵞絨毛蕊花)」という名前。ヨーロッパ原産の外来植物です。写真の株は背が低いのですが、他の株は2メートルを超すびっくりするような背丈。ビロードの名は、葉に密生した柔らかい毛から。「モウズイカ(毛蕊花)」とは、雄蕊の花糸に紫青色の毛状のものがついていることに由来します。
サトイモ科テンナンショウ属の「スルガテンナンショウ」―静岡県で見つかったところから、駿河の名が付いた植物。静岡県、愛知県と長野・岐阜県南部に分布しています。茎の模様は同じテンナンショウ属のマムシグサにそっくりなのですが、仏炎苞が茎と同じ紫褐色なのが「マムシグサ」(緑色のマムシグサもあるのはあるのですが…)で、「スルガテンナンショウ」の仏炎苞は緑色
ユリ科チゴユリ属の「ホウチャクソウ」。アマドコロやナルコユリとも似ています。名前の由来となっている「宝鐸(ホウチャク、ホウタク)」とは、お寺や五重塔などの四方の軒下に吊り下げられた鐘のような飾りのこと。「ホウチャクソウ」の花が、その「宝鐸」に似ているというのですが、そう言われてみると似てるかも…。
ミズキ科の「ハナイカダ(花筏)」。公園で見たことはあったのですが、自生してるものを見たのは初めてでした。雌雄異株で、雄花は複数咲かせますが、雌花はほとんどが1つ。だとすれば、写真の「ハナイカダ」は、雌株のようです。
アカバナ科マツヨイグサ属の「ユウゲショウ」です。「待宵草」同様、夕方に花が開くので「夕化粧」。アメリカ原産の帰化植物です。もともとは観賞用に栽培されていたものが野生化したものと思われますが、小さくてきれいなピンク色の花が知らず知らずのうちに侵入してきた要因。だって、きれいな花は抜き取りにくいですもんね。
イワウメ科の「イワカガミ」。「イワカガミ」の花は普通は淡紅色ですが、岩嶽山で見たのは珍しい白花。「ヤマイワカガミ」という種類かも知れません。「イワカガミ(岩鏡)」とは、光沢のある葉を鏡に見立てた名前です。
子どもの頃にはよく見たのですが、最近すっかり忘れてしまっていました。「マムシグサ」や「ウラシマソウ」に似た仏炎苞(ぶつえんほう)が印象的ですが、同じサトイモ科でもテンナンショウ属ではなくてハンゲ属の「カラスビシャク(烏柄杓)」。「カラスビシャク」の球茎とのことを、漢方では「半夏(はんげ)」と言います。夏至から11日目を示す「半夏生(はんげしょう)」とは、この「カラスビシャク=半夏」が「生」える頃の意味から来ているとの説があるのだそうです。
「サクラ」を名乗る植物の中で、最も愛くるしい花を咲かせるのがタデ科の「サクラタデ(桜蓼)」です。昨年は、「シロバナサクラタデ(白花桜蓼)」を紹介しましたが、本来の「サクラタデ」はほんのりピンク色。タデ科の花の中では、大き目の花を咲かせます。
アフリカ原産の帰化植物。道端や山林の伐採地などの荒地などに生えるキク科の一年草「ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)」です。花序は先が垂れ、下垂した赤レンガ色の頭花をたくさんつけていました。先に咲いた花はまたたく間に成熟し、まだ花も咲かせてつぼみもつけているのに、先に熟した花の冠毛のために、草全体が綿毛に包まれます。これが「襤褸」と呼ばれる所以。荒地を好み、山火事の後、真っ先に生えるので、アメリカでは「fire weed(火の草)」と呼ばれているそうです
マメ科ソラマメ属のつる性の多年草。フジに似ている草だから「クサフジ(草藤)」。そう言われてみれば、聞いたことがったでしょう?巻ひげで絡むところは「カラスノエンドウ」にも似ていますが、花はフジというよりもクズに似て花序が垂れることはありません。咲き始めは、ピンク色。次第に青紫色に色を変えて行きます。
遠目には萩のようですが、同じマメ科でもハギ属ではなくてコマツナギ属の「コマツナギ」。クズ属の葛の花を小さくしたようにも見えます。それにしても、草の名前って面白いですね。「コマツナギ」とは「駒繋ぎ」の意味です。
この時期、野原で目立っている小さな朝顔―「マルバルコウソウ」は、ヒルガオ科サツマイモ属です。熱帯アメリカ原産の帰化植物―花冠の形状はロート状で上から見ると五角形。朱赤色の花が「ルコウソウ」に似ています。「ルコウソウ」が、観賞用として日本に渡って来たのは江戸時代。「縷」とは「糸」のことで、本来の「縷紅草」の葉は糸のように細く、花が赤いところから「縷紅草」と呼ばれるようになりました。ところがこちらは葉が丸みを帯びているところから、「丸葉縷紅草」と呼ばれるようになりました。
タデ科イヌタデ属。棘が生えていますので「トゲソバ」とも言われますが、実はもっと恐ろしい名前を持っています。その名前とは…。その名前とは「ママコノシリヌグイ」。「ママコノシリヌグイ」は、この逆さの棘で他の草に絡み付いて背を伸ばします。まるで有刺鉄線のようです。こんなのに絡まれたら、振り払うことなんてできっこありません。「ママコノシリヌグイ」は「継子の尻拭い」。憎い「継子(ままこ)」の尻を、この草の棘だらけの茎や葉で拭くというのです。何と言う恐ろしい名前でしょう。
イラクサ科カラムシ属 「コアカソ」は、やや湿った土地を好むようで、春野の山の水路に生えていました。類似種の「アカソ(赤麻)」より、やや小さいから「コアカソ(小赤麻)」。茎や葉柄が赤みを帯びるところから名付けられました。葉は長さ4~8センチの菱形状卵形で先は尾状に長く尖っています。縄文時代の遺跡から出土した布や糸に使用された繊維の中に「アカソ」が見つかっています。他にはオヒョウ、カラムシ、ツルウメモドキなどの繊維が使われていましたが、カラムシや「アカソ」からの糸作りは、木綿糸が普及する以前には、日本各地で近年まで続いていたのです。
バラ科キイチゴ属「ナワシロイチゴ」―「葉の表は明るい黄緑で、葉脈がくぼむのでしわがあるように見える」のも同じ。いかにもバラ科らしく、「茎や葉など、全体に棘がある」という特徴も一致。ピンクの花が咲くのだそうですが、「5枚の花弁は雄しべを包んだまま開かない」とのこと。これは見逃しました。名前「ナワシロ」の由来は、イネの種を蒔く「苗代」を作る頃に果実が熟すところから付けられたとのこと。「果実は食用になるが、あまりうまくない」のだそうです。
「ハス(蓮)」の花は「蓮華」とも呼ばれ、「ツメレンゲ(爪蓮華)」や本名「ゲンゲ」を名乗る「蓮華草」の元になっています。原産地は、仏教と同じく、インド亜大陸。インドの国花にもなっています。7月の誕生花であり、開花は、十四節気「小暑」(2009年は今日7月7日)。日本では「小暑」の「次候」が「蓮始開」と呼ばれ、「蓮の花が開き始める」頃とされています。
キク科ムカシヨモギ属ですので、細い花弁のように見える1枚1枚が、実は花。「ヒメジョオン」の花は、小さな花の集りです。「ヒメジョオン」と「ハルジオン」との違いには、いろんなポイントがありますが、蕾が下向きに垂れて付くのが「ヒメジョオン」。だったら、これは「ヒメジョオン」に間違いありません。花が咲く頃にも根生葉(地面の近くの葉)が残っているのが「ハルジオン」。鉄道の線路沿いに広がったことから、「鉄道草(てつどうぐさ)」と呼ばれたこともあるそうです。
「クモキリソウ」―ラン科クモキリソウ属の多年草です。少し暗いところに咲いていましたので、ストロボが光ってしまい分かりにくいかも知れません。花の姿が「蜘蛛」に似ているところから「クモ」と呼ばれるようになったとのこと。そう言えば蜘蛛が巣を架けていましたが…。漢字では「雲切草」と書かれることが多いようです。
「鳥足升麻」。「ショウマ」とは中国の麻に似た植物の根茎から取る漢方薬のことで、この仲間であることから付いた名前。「ショウマ」を名乗る植物には、キンポウゲ科のところが、よく似た「ヤマブキショウマ」はバラ科、「サラシナショウマ」はキンポウゲ科ですので、ユキノシタ科の「トリアシショウマ」とはまったく別種です。
「ササユリ」は種子で繁殖。種子から芽生えた「ササユリ」は、1枚あるいは数枚の根生葉を出すだけで、茎はありません。そのため、幼苗の時期には、地表面にある程度の光が当たっている場所に侵入する必要があります。開花できるまでに生長するのに数年がかかるとすれば、少なくとも数年間は地面にまで日が当たる状態が継続されないと、生長して花を咲かせることができないことになります。
日当たりがよいところなら、結構どこにでも育っているようです。キキョウ科ヒナギキョウ属の小さな多年草。多分、誰もが目にしたことがあるはずです。小さいけど、青紫色の花は、色も形はまさに「桔梗」。
マメ科クララ―名前の由来は「眩草(くららぐさ)」が詰まったものとのこと。根を噛むとクラクラするほどの苦味があるんだそうです。「クララ」の根は民間薬としても使われており、生薬名は「苦参(くじん)」。解熱、解毒、抗菌作用があるので、消炎剤として使われた他、乾燥した葉を細かく砕いてトイレに投入してウジ殺しに使ったというのですから、これは相当の苦さですね。
道路のアスファルトの上に、赤い実が散らばっていました。見上げると「ヤマモモ」が…。そうか、「ヤマモモ」の季節なんですね?
実家には、大きな「ヤマモモ」の木がありました。子どもの頃、この実を拾って食べました。木に登って採ったりもしました。洗濯物の乾きにくいこの時期に、着ている服に赤い染みをいくつも作り、母を困らせたことがありました。
サクラソウ科オカトラノオ属の「オカトラノオ(丘虎尾)」。白い花が下から順に咲き上がり、花穂の先が、虎の尾のように垂れ下がるところから「虎の尾」の名が付いたのだとか。サクラソウ科と言われて近づいて見れば、確かに花の形は「サクラ」のようなきっちりとした5弁。ただし、ヤブコウジ科に分類する体系もあるようです。
この「セッコク」は自生ではないでしょうけど、静岡県は数少ない自生地域になっているようです。石に着くのを「セッコク」、木に着くのを「モッコク」と呼んだとのことですので、もしかしたらこれは「モッコク」?ラン科の着生植物です。
「ヤマゴボウ」とは初めての対面です。大きな葉に似合わぬ花は、ほんのりとピンクがかり写真のような可愛らしさ。佐久間町大滝で撮影しました。「ヤマゴボウ」と聞くと、土産物として売られている「山牛蒡の味噌漬け」が思い浮かびますが、これは「モリアザミ」の根。こちらの「ヤマゴボウ」の根には硝酸カリが含まれ有毒ですので、ご注意!勘違いして、食べてしまわないようにしてください。
「これは、ムヨウラン。葉がないように見えるから『無葉蘭』って書くんだけど、珍しいものを見つけましたね」。つまり、葉のように見えたのがやはり花で、葉には葉緑素がなく、茎は黒紫色。紫褐色の鱗片状の葉があるにはありますが、葉のようには見えないのだそうです。日本産のものは通常7種ほどに分類されているようですが、薄暗い樹林下に生育するラン科の多年生の腐生植物です。春野の山道で出会った怪しげな花が、実は大変珍しい植物だということが分かりました。
別名「ユウレイタケ」と呼び、光合成をしないのだそうです。「山地のやや湿り気のある腐植土の上に生える腐生植物」とのことで、確かに辺りは雑木林。落葉の下には分厚い腐葉土が堆積していました。横から見ると、「竜」の顔に似ているとのことですが、半透明の茎に咲く白い花は、「竜」というよりも「幽霊」のような怪しい美しさ。英語では「Indian pipe」や「Waxflower」と呼び、中国名は「水晶蘭」。
源義経の側室であった「静御前」の名をいただく「フタリシズカ」の名前は知っていても、この米粒のような白い花の自生する姿を見たことがある人は、案外少ないのかも知れません。
名前は「二人静」でも、花穂が2本とは限りません。2本の場合が多いだけで、右の株では4本の花穂を付けています。花穂が1本だったら「一人静」かと言うと、「一人静」は同じセンリョウ科センリョウ属の別種です。
「柿の葉草(カキノハグサ)」。ヒメハギ科ヒメハギ属の多年草で、名前の由来は、葉が柿の葉に似ているところから。そう言われてみれば、確かに柿の葉のようです。「本州の東海地方以西から近畿地方北部あたりまでに分布する日本固有種」とありますが、もしかしたら秋葉山辺りが生育域ギリギリなのかも知れません。
秋葉山の山道では、梅雨入りに先駆けて「コアジサイ(小紫陽花)」が咲き始めていました。ユキノシタ科アジサイ属。アジサイ属に特徴的な装飾花はありません。花は薄紫色のものもあるようですが、秋葉山に自生する「コアジサイ」は写真のような白。地味な花ですが、山道に群生していると、その一角だけ明るく見えます。
山里で見かける大きな葉―柏(かしわ)の葉よりも、朴(ほう)の葉よりも、もっと大きな「栃(とち)」の葉です。かつては山里の重要な食料となっていました。そのため、森林を伐採する時にも「栃」だけは切り残す地域や、勝手に伐採することを禁止していた藩もあったそうです。
「ホソバシャクナゲ(細葉石楠花)」は、静岡県西部から愛知県東部にかけて自生するツツジ科の固有種。別名「エンシュウシャクナゲ(遠州石楠花)」とも呼ばれ、名前に「遠州」と入っている珍しい植物です。
サクラが終れば、そろそろ「藤」の季節。山道を走っていると、薄紫や白色の房状の花を見かけるようになりました。日本原産のマメ科の落葉木本で、英語では「Japanese wisteria」。その名の通り、昔から、私たち日本人に愛されてきた花です。
「浦島草=ウラシマソウ」―「マムシグサ」に交じり、怪しげな釣り糸を垂れていました。花のように見えるのは、その形から「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる「苞(ほう)」。本物の花は、「苞」の中に咲いています。
「浦島」の名前は、濃紫色の「仏炎苞」から長く伸びた紐状の付属体を「浦島太郎」の釣り糸に見立てたところから。それにしても、実に不思議な形をしています。一度上に上って、先が下に垂れます。一体、どうしてこんな形の植物があるのでしょうか?「マムシグサ」同様に栄養状態によって♂になったり♀になったり…。
モクレン科の樹木の葉は、時には40センチにもなり、下を向いて歩いていても、足元に朽ちてなお大きな葉を見つけ、「おっ?」と思わず見上げてしまいます。芽吹いたばかりの現在は、まだこんな状態。新芽の莢が弾けて、透き通るような萌黄色の葉が空を見上げていました。
「苧環」とは、機織りの時に麻糸を蒔いた糸巻きのこと。その「苧環」に似ているので「オダマキ」と呼ばれるようになりました。 園芸用に品種改良されたものがたくさん出回っていますが、これは山野草として栽培されている「ミヤマオダマキ」。キンポウゲ科ですので、外側の花弁のように見えているのが萼になり、内側の筒状のものが花です。
山里の木陰などに咲く「碇草(イカリソウ)」の仲間で「キバナイカリソウ」です。名前の由来は、船の碇(錨)に似た花を付けるところから。ステキなネーミングだと思いませんか?葉っぱにも特徴があります。縁に棘状の毛が生えているハート型。花言葉が、これまたステキです。「あなたを離さない」―いかにも「錨」にピッタリ。
ラン科アツモリソウ属「クマガイソウ」が咲いていました。さて、「クマガイソウ」の説明ですが…
話は、『平家物語』の世界です。平敦盛(たいらのあつもり)を見つけた熊谷直美(くまがいなおざね)は、年端も行かぬ少年の首を跳ねるのをためらい逃そうとしたのですが、背後に見方の手勢が迫る中ではそうも行かず、致し方なしに自らの手にかけ、「必ず供養をいたしましょう」と泣く泣くその首を切ったと伝えられています。その「熊谷直実」が甲冑の背に背負っていた「母衣(ほろ)」に形が似ているところから、「クマガイソウ」と呼ばれるようになったのだそうです。
木にはいろいろありますが、「木の芽」を名乗ることができるのは「山椒(サンショウ)」だけ。似ても似つきませんが、ミカン科ですので、アゲハチョウの幼虫の食草です英語では「Japanese pepper」。日本の山野には普通に自生していていますが、縄文時代の遺跡からも「サンショウ」が入った土器が発見されていますので、かなり昔から利用されていたことが伺えます。
「セリ(芹)ナズナ(薺)ゴギョウ(御形)ハコベラ(繁縷)ホトケノザ(仏の座)スズナ(菘)ズズシロ(=スズシロ清白)これぞ七草」
「ゴギョウ」とは「ハハコグサ」のこと。「春の七草」は代表的な食用野草です。
「カシワ」というと今日では「柏」ですが、実はこの名で呼ばれた木は他にも幾つかあり、朴(ホウ)や楢柏(ナラガシワ)・赤目柏(アカメガシワ)・栃(トチ)・楢(ナラ)など、それぞれの葉に食物を包んだり、載せて食べたりするのに適した木をすべて「カシワ」と呼んでいたのだそうです。「柏」はそんな「カシワ」仲間の代表選手。神様に食物を捧げる資格のある木の葉に選ばれたのが、この「柏」だったというわけです。
バラ科ヤマブキ属の「山吹(ヤマブキ)」。学名「Kerria japonica」、英名「Japanese rose」と、正真正銘の「made in Japan」です。「ヤマブキ」の名前の由来は、花の色が「蕗」の鮮やかな黄色い花に似ているところから。
モクレンとハクモクレンの雑種はサラサモクレン(更紗木蓮、Magnolia x soulangeana)と呼ばれ、やはり街路樹などに用いられます。樹高は6~10mと変化に富む。花の形はハクモクレンに似て丸い。花の色は両種の中間に相当するピンク色が基本ですが、やはり白から紫までの変化に富み、開花時期はハクモクレン、サラサモクレン、モクレンの順です。
日本では、「ツツジ」「サツキ」「シャクナゲ」と分けていますが、いずれも「ツツジ属」。写真の「ツツジ」は「三葉躑躅(ミツバツツジ)」です。この時期に紅紫色の花を咲かせ、花が終って新芽を吹く時に枝先に三枚の葉が付くところから、こう呼ばれています。
「ワサビ」は、アブラナ科ワサビ属。学名「wasabia japonica」からも推測されるように日本原産の香辛料として、寿司とともに世界的に認知されています。だから、英語でも「wasabi」。
自生の「ワサビ」は、栽培物と比べると根があまり太くはならないようですが、「葉ワサビ」は、「お浸し」「醤油漬け」「天ぷら」などの料理が人気。しかも、「ワサビの花茎=花ワサビ」はこの時期限定の貴重品です。
アヤメ科アイリス属、学名は「Irisu japonica」。つまり「日本の」という意味ですが、中国原産と紹介しているものもあります。山道の脇、比較的日当たりが悪いところでもよく見かけますね。
「シャガを活ける時には、先が枯れた葉を添えるのが自然」―以前、生け花の先生から聞いたことがあります。これは、「シャガ」が常緑だから。開花時期の4~5月に、葉の中心部から花茎を伸ばし、直径5センチほどの一日花を次々に咲かせていきます。
「キク科の多年草 学名Petasites japonicus」 で、「Petasites」は「フキ属」のことで「japonicus」は「日本の」の意味。つまり、「蕗」は日本原産で、平安時代から野菜として栽培されてきました。しかし、野山にも自生していますので、野菜と言えば野菜、山菜と言えば山菜。
このきれいな黄色の花は、「ミツバツチグリ(三葉土栗)」と言います。バラ科キジムシロ属の多年草。一見「ヘビイチゴ」に似ていますが、葉の形が違っています。名前の「土栗」とは、同じ仲間の中に、地下茎が栗のように食べられる草があるところからですが、この「ミツバツチグリ」の地下茎は堅くて食べられないそうです。
「ワラビ」と並ぶ新芽山菜の「ゼンマイ」―春野の茶畑の脇にたくさん芽を伸ばしていました。「ゼンマイ」の名前の由来は、あの螺旋形が「発条(ゼンマイ)」に似ているから…、ではありません。「薇(ゼンマイ)」に似ているから「発条(ゼンマイ)」と呼ばれるようになったのです。
「カタクリ」は早春の花で、地上に姿を見せるのはたった2ヵ月。欧米ではこんな植物を「Spring ephemeral」と呼ぶのだそうです。「スプリング・エフェメラル」とは、「春の儚いもの」「春の短い命」の意味。落葉広葉樹林に適応しているとのことで、本来は日差しが十分に入る明るい場所を好むようです。
ケシ科キケマン属。花の色は、濃い青紫色~紅紫色のパステルカラー。ケマンソウ独特の筒状の花をつけます。花が終ればじきに地上部が枯れる「スプリング・エフェメラル」の一種です。背丈はせいぜい10~20センチ。よく見かける「ムラサキケマン」の花に似ているので、「ケマンソウ科」と言っていただいた方が納得できます。
「アケビ」の蔓に、5枚の楕円形の小葉が、手の平を広げたよう。その先に薄紫の小さな花がたくさん付いていました。かわいいでしょう?手前に見える3枚のガクの囲まれた中にあるのが雌しべ。ぶどうの房のように見えるのが雄花。「アケビ」の花は雄花と雌花が同じ株に付きますが、自家受粉はしません。
「クレソン」の原産地はヨーロッパ。日本には明治の初めに在留外国人用の野菜として導入されたのが最初とされ、いつの間にか、こんな山里にまで広まってしまった帰化植物です。「西洋ゼリ」「オランダガラシ」などと呼ばれることもありますが、最近では「クレソン」の名が定着して来ています。
タラの木は、日陰では生育できません。山道沿い、林道の道端、伐採跡など人間の手が入ったエリアに育つのがタラの木。私が若い頃に、里山沿いの農業用水路の工事を手伝ったことがありました。里山の一部を切り開く形で、用水路と整備用道路が造られたのですが、その年の春、これまでにないほどたくさんのタラの芽をたくさん採取することができました。
このコンニャク芋によく似た怪しげな植物―サトイモ科の「蝮草=マムシグサ」です。球根から茎を伸ばし、蛇の鎌首のような「仏炎苞(ぶつえんほう)」の中に本物の花を付けます。
名前の由来は、「マムシの皮の模様に似ているから」とのことですが、マムシが出そうな時期に花を付けることと、コンニャクに似てはいても「食べられない」ところからの注意喚起のような気がします。
和菓子などをいただく時の楊枝の代名詞ともなっている「黒文字」―黒い木肌を残して削られた楊枝をご存知の方は多いと思います。そんな「黒文字」の材料になっているのが、クスノキ科の「クロモジ」。ちょうど、花の時期を迎えていました。
「カラスノエンドウ(烏野豌豆)」の正式の和名は「ヤハズエンドウ」で、「野豌豆」とは中国名のようです。マメ科ソラマメ属だと言いますが、「ソラマメ」には似ていませんね?むしろエンドウ属のエンドウに似ています。原産地はオリエントから地中海とのことですので、ずい分と長旅をして来たようです。莢の片方を千切って、草笛にしたことがあります。
名前は「草苺(クサイチゴ)」ですが、バラ科キイチゴ属の落葉の小低木。背が低く「草」に見えますが、れっきとした「木」です。
学名は「Rubus hirsutus」で、「Rubus」とは「キイチゴ属」。ラテン語の「ruber(赤)」が語源になっているようです。
ちょっと見、春菊に似た切れ込みのある葉っぱ。キンポウゲ科の花ように見えるのは本当は「がく片」ですが、まるで白い菊の花のようです。だから、その名も「菊咲一華(キクザキイチゲ)」。
紫の花を付ける種類もあるそうですが、群生する白花の「キクザキイチゲ」は見事です。春に花を咲かせ、若葉の頃になると地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごす儚い植物です。
「キバナノアマナ」「キバナアマナ」と呼ばれる、ユリ科アマナ属の多年草。新春に葉を伸ばして花を咲かせ、葉は夏まで残りますが、周囲の草丈が高くなると埋もれてしまいますので、これも「スプリング・エフェメラル」の仲間。この季節だけの出会いです。
これが「キンポウゲ科」の名の元になった花「金鳳花」。標準和名「ウマノアシガタ」と呼ばれる湿地を好む多年草草木です。
この時期紹介できる花の多くが「キンポウゲ科」。「セツブンソウ」に始まり、「オキナグサ」「キクザキイチゲ」「アズマイチゲ」「フクジュソウ」など、すでに紹介したこれら花は、すべて「キンポウゲ科」です。その他、「イチリンソウ」や「ニリンソウ」もそうですが、園芸種として人気の高い「クリスマスローズ」「クレマチス」「アネモネ」なども「キンポウゲ科」です。学名「Ranunculus japonics」から想像がつくように、「ラナンキュラス」も「キンポウゲ科」です。
クローバーが「四つ葉」以上の葉を付ける確率は、「1/10,000」ほどとのこと。私の感覚としては、もっと多くあるような気がしています。「ない」と思って探しても見つかりませんが、「ある」と信じて探せば、意外と見つかるものです。
スミレ、すみれ、菫―日本に自生している「スミレ」は60種、世界では400種もあるのだとか。「タチツボスミレ」「ノジスミレ」「ホンスミレ」「エイザンスミレ」「ニョイスミレ」…。その中で和名「スミレ」を名乗ることができるのは、この「スミレ」だけです。
「行者」たちが、厳しい修行を乗切るための体力をつけるために食べたと言われるのが「行者大蒜(ギョウジャニンニク)」。逆に、滋養がつきすぎて修行にならないため、食べることを禁じられたとも言われているほど、ビタミンA、Cなど栄養満点の山菜です。
「オキナグサ」を漢字で書くと「翁草」。花が終わった5月に、白い綿毛の玉が立ち並ぶ光景が、白髪頭の老人を連想させるところから「翁草」と名付けられたものです。中国でも「オキナグサ」のことを「白頭翁」と呼んでいますが、誰が考えるのも同じですね。
「馬酔木(アセビ)」は、馬がこの葉を食べると酔ったようになり、足が痺れて不自由になるところから付けられた名前だとか。「アシビ」「アセボ」とか、「馬酔木」を音読みして「バスイボク」と呼ぶ人もいます。
花はスズランのようですが、ツツジ科だと言いますから、「満天星(ドウダン)」に似ていると言うべきかも知れません。花の色は白からピンクまで様々。
縁起の良い名の付く植物と言えば「福寿草」。誰もがその名前を聞いたことがある「福寿草」は、「元日草(がんじつそう)」とか「朔日草(ついたちそう)」とも呼ばれるらしく、いずれも旧暦の正月(2月)頃に咲き始めるところから付けられた名前のようです。
北海道から九州にかけての山林に自生するようですが、写真の「福寿草」は屋敷内で花を付けていましたので、栽培されているものだと思います。春を告げる鮮やかな黄色い花は、日が当ると開き、日が陰ると閉じるようで、この日はやや曇っていましたので…。
ジンチョウゲ科ミツマタ属―北遠の山道で「三椏(ミツマタ)」の花に出会うことがります。樹皮は和紙の原料となり、楮(コウゾ)とともに日本の紙幣に使われていることで知られています。元々は、中国南部から渡来したものが半野生化したと。普段はあまり目立たない「ミツマタ」ですが、開花の季節にはすぐにそれと気づきます。冬の間から蕾を付け、今咲くか今咲くかと待ち続け、春の訪れとともに黄色い花を開きます。
「ミツマタ」は、その枝が必ず3つに分かれるところから名付けられ、「三枝」「三又」とも書くそうです。写真をよく見てみると、3つに分かれた枝が確認できると思います。写真は園芸種の「アカバナミツマタ」のようです。
「ツクシ」を漢字で書くと「土筆」、英語で書くと「horsetail(馬の尻尾)」です。
「スギナ(杉菜)」の胞子体ですから、穂にたくさんの胞子ができるのは、皆さんご存知の通り。もちろん「ツクシ」は食べられます。
私が子どもの頃には、ピンク色に染まった田んぼに春の気配を感じたものです。田に「レンゲ」を蒔いたのは、マメ科植物の「空中の窒素を固定する根粒菌」の働きと、そのまま鋤き込んで緑肥にするためでした。近頃では化学肥料が使われるようになり、「レンゲ」の上をミツバチが集蜜のために飛び回る―そんな春を代表する風景もあまり見られなくなりました。
蓮の花に似ているから「蓮華(レンゲ)」。「レンゲ」を知らない人はいないと思いますが、本名が「ゲンゲ」なんて、初めて聞きました。
「ナズナ」は、畑や水田、道端、荒れ地など、どこにでも普通に見られる1年生の草本。「春の七草」の1つです。
秋に芽生え、冬はロゼットで越冬し、早春から花を咲かせます。花は次々と咲きますが、花の終った下の方には、三味線の撥(ばち)の形に似た果実が付くところから「ペンペングサ」と呼ばれますが、実際に耳元で振ってみるとペンペン♪とは聴こえず、シャラシャラ♪と軽やかな音がします。
畑一面に見慣れた赤紫色の花―春の野草の一番バッターはこれ。シソ科オドリコソウ属の「ホトケノザ」です。
別に珍しい花でもありませんが、近づいて見ると、不思議な形をした可愛らしい花です。「仏の座(ホトケノザ)」の名前の由来は、茎を取り巻く半円形の葉を、仏の「蓮華座」に見立てたところから付けられたとのこと。
春の七草」の「ホトケノザ」とは、キク科の「子鬼田平子(コオニタビラコ)」のこと。こちらの「ホトケノザ」は食用にならないとのことですので、勘違いしないようにしてください。
例えて言えば、小さな小さなアネモネのような花。キンポウゲ科セツブンソウ属とのことで、学名「Eranthis pinnatifida」は「er(春)+ anthos(花)」の意味のギリシャ語から。つまり「春の花」ということで、和名の「節分草」ももちろん「節分」の頃に花を咲かせるところから名付けられました。
「冬苺(フユイチゴ)」と呼ばれる種類の木苺。特に珍しいものでもないようなのですが、私は初めて見ました。9月~10月に白い花を咲かせ、ちょうど今頃、熟して食べられるようになります。だから、名前が「冬苺」。「寒苺」とも呼ばれるそうです。
蔓状に地面を這って広がっていました。葉陰から覗く真っ赤なルビーのような実。一粒摘まんで食べてみました。う~ん、なるほど、なるほど。味は「甘酸っぱい」と言うよりも「酸っぱ甘い」感じ。小さな一粒一粒の中に、種が入っています。種の周りを食べるようにして、種は噛まずに飲み込んだ方が美味しいですようです。
「ワタ」はアオイ科ワタ属ですので、花はタチアオイやオクラにそっくり。原産地はインドとも、アフリカとも言われ、日本には平安時代の初め(799年)、お隣の愛知県西尾市に漂着した自称インド人により伝えられたとのこと。ただし、その後の栽培は一旦途切れ、再び栽培が始まったのは戦国時代後期から。全国的に綿布の使用が普及し、三河での綿花の栽培も再開されました。政府の奨励もあり、1930年代には一時的に「綿布」の輸出量が世界一に。しかし、その後、安価なアジア産の綿布に押され、現在の生産量は減少しています。
ユリ科ホトトギス属の野草の話です。若葉や花弁にあるソバカスのような紫色の斑紋が、鳥の「ホトトギス」の胸の斑紋と似ていることから付けられたとされています。漢字で書く時には、鳥の場合は「時鳥」「杜鵑」などと書き、植物の場合には「時鳥草」「杜鵑草」のように「草」を付けます。
「犬蓼(イヌタデ)」とか「犬胡麻(イヌゴマ)」とか、名前に「犬」が付く植物は「似てはいるが価値がない」の意味。何と、犬が聞いたら怒りそうな由来です。
「犬酸漿(イヌホオズキ)」も同じ。「ホオズキ」と言っても 、むしろ小さな小さなナスのような実です。ナス科ホオズキ属ですので、花もナスのようなホオズキのような。茎や葉脈が、黒紫に色づいているところも、ナスのようです。これで、もう少し長く伸びれば、「焼きナス」「揚げナス」「麻婆ナス」…。
「ヤマゼリ」かな?と思ったのですが、同じセリ科シシウド属の「シラネセンチュウ」のようです。日陰のやや湿ったところ生える多年草とのことで、春野町「和泉平」の林道脇で見つけました。「見つけました」と言うよりも、この白い小花を集めた花はよく目立ちます。
「ヤマゼリ」は「山芹」のこと。「シシウド」とは「猪独活」のこと。その根を、冬場にお腹を空かせたイノシシが掘り出して食べるだろうというところから、そう呼ばれていますが、学名では「Angelica polymorha Maxim」。その属名に当る「Angelica」とはエンジェル、つまり天使の意味です。イノシシと天使とでは、ずい分とイメージが違いますね?あなたなら、どっち?
「水引(ミズヒキ)」―実に、縁起の良い名前です。花の時期は8月から11月と言いますから、そろそろ終わりに近いのかな?茎の先から針金のように細く長い花柄を伸ばし、大き目の葉っぱの割には、小さな花をまばらに付けます。実は花弁のように見えるのは「萼(がく)」。上が赤く下が白いため、上から見ると赤く、下から見ると白く見えるところから、紅白の「水引」に例えてこの名が付いたとのことです。「水引」―祝儀袋や熨斗(のし)に懸ける、あの紙を細く撚って作る紐飾りのことです。
「椎の実」って知ってますよね?生食できるドングリが生るため、縄文時代から大切にされてきました。写真は、やや細長い「スダジイ」と呼ばれる種類で、ブナ科シイノキ属。要するに、ごく普通の「椎の木」です。
葉っぱの鋸歯と葉柄の長さからみて、「小楢(コナラ)」だと思います。枝に付いているものもあれば、すでにコロコロ♪状態のものも。ブナ科コナラ属ですが、ちょっと細長い砲弾型。スマートなドングリですね。
「コナラ」は、家庭用の燃料として薪や炭にされた、里山の雑木林を構成する代表的な樹種。伐った痕からよく萌芽をしますので、その成長を待って、また伐採するということを繰り返して来たのです。
「日向猪の子槌(ヒナタイノコヅチ)」だと思います。「イノコヅチ」とは、茎の節のふくらみが、イノシシの膝に似ていて、これを槌に見立てて名をつけたのだとか。「イノシシの膝?見たことないけど…」。別の説によれば「猪の子つき」がなまったもので、イノシシの子に実が付くからだそうです。「つまり、ウリ坊じゃん。こっちの説の方が、ぜったい面白い!」。まあ、よくある「ひっつき虫」です。
よく見かける「ドングリ」を付ける「粗樫(アラカシ)」。少しずんぐりタイプの「ドングリ」は、20種以上もある日本の「ドングリ」の中でも代表的なもの。ブナ科「コナラ属」で、公園や生垣にも多く植えられています。材が硬く、農具の柄などに使われ、「樫」の名前は「堅木」あるいは「堅し」に由来し、漢字も「木偏に堅」。「アラカシ」の「粗」は、枝葉が粗大ということからだとか。
葉の切れ込みの様子から、「血止草」の仲間の「野血止(ノチドメ)」だと思います。セリ科チドメグサ属で地を這うように広がり、茎の先端が立ち上がっています。名前の由来は、文字通り「血止め」に使われたところから。
キバナコスモスのオレンジ色の花を吸蜜中のヒメアカタテハ(姫赤立羽)。少し右上に止まっているのですが、分かりますか?鮮やかなオレンジ色同士で、まるで保護色のようです。秋風に乗って花から花へと素早く飛び回りますので、すぐに気づきます。
ブドウのような赤黒い房の実をつけていますので、遠目にもよく目立ちます。名前は「ヨウシュヤマゴボウ」。北米原産の帰化植物。名前に「ヤマゴボウ」と付いていますが、お土産の「ヤマゴボウの味噌漬け」は、キク科の「モリアザミ」の根や野菜の「ゴボウ」を使っていて、まったくのの別物。むしろ、こちらの「ヨウシュヤマゴボウ」は有毒です。名前に騙されて口にしたら大変。
歩くことができない植物が、自らの子孫をより良い条件の土地に送り届ける方法には、いろいろな「戦略」があります。DNAの多様性を保ち、病気や害虫の可能性を少なくするには、できるだけ遠くに種を運びたいもの。あるものは種に羽をつけて風に運ばせ、あるものは鳥や動物に果肉を食べてもらって運ばせ、また、あるものは自力で種を弾き飛ばします。
「コセンダイグサ」のように表面に鉤毛などを持ち、動物の毛や人間の衣服にひっついて散布させるスタイルを「動物散布」と呼ぶのだそうです。他力本願の彼らは、もし私が通りかからなければ、春になり、茎が腐るまで待つしかありません。「コセンダイグサ」にとって私は救いの神みたいなもの。私のズボンを狙って膝から下くらいの位置に、「オナモミ」や「ヌスビトハギ」「イノコヅチ」などが次々に待ち構えていました
私たちが子どもの頃には、道路は舗装をしてない土の道。雨が降ったら水溜りを避けながら、寒い朝には霜柱を踏みしめて歩いたものです。土の道には草も生えていましたし、人間の足音に慌てたバッタたちが逃げ回っていました。そんな土の道で、一番タフに生き抜いていたのが「オオバコ」。葉が大きいから「大葉子」の字が当てられ、「オオバコ」と読まれました。
まだ、モンキチョウなども見かけないこともないのですが、草原で活発に飛び回っているのが、この「チャバネセセリ」です。漢字で書くと「茶羽挵」。「挵=セセリ」の「せせる」とは「つつく」の意味で、花から花へと飛び回る様子を「セセリ」と言い表したようです。
見てください、この可愛らしい花を。天竜川の堤防で見つけました。名前を「釣鐘人参(ツリガネニンジン)」といい、キキョウ科の多年草です。
和名は見たまんまの釣鐘状の花から来ています。人参というのは、大きな根っこを朝鮮人参に例えたところから。秋風に吹かれて涼やかな響きを聴かせてくれそうですね。
「イヌタデ」―花の色は白から淡紅色までさまざまですが、こうして花穂の先が垂れているのが「オオイヌタデ」。花穂が垂れない種類が「イヌタデ」です。「イヌタデ」と言うより、ままごと遊びで「赤飯」代わりに器に盛った「アカマンマ」と言った方が馴染みがあるかも知れませんね?
「星朝顔」の花の色は淡いピンク色で、直径は2㌢ほどの大きさ。可愛いでしょう?ヒルガオ科サツマイモ属で、「朝顔」と同じようにつる性です。他にもっと小さな花を付ける「豆朝顔(マメアサガオ)」も野生の「朝顔」。でも、厳密には、「朝顔」と言うようよりも「朝顔の仲間」と言った方が良いようです。
「イシミカワ」は、道端や河原など、どこにでも生えるタデ科のつる植物。三角形の葉っぱが特徴的で、茎にある下向きの刺(トゲ)で絡みつきます。別名「カエルノツラカキ(蛙の面掻き)」とも呼ばれるとのことですが、なるほどカエルの顔を引っ掻きそうな鋭さ。素手で引き抜こうとすると酷い目に会いますので、無茶はしない方が身のためです。
今の季節は、緑色だった実が少しずつ紫に色を変える頃。実の下のよだれ掛けのような丸い葉が、団子か果物を盛った皿のように見えます。
「ツルマメ」は日当たりの良い野原や道ばたなどで普通に見られる蔓性の1年草で、直径5㍉に満たない小さな小さな花を咲かせます。まもなく、長さ2~3㌢の莢〈さや〉ができます。大きさこそ違っても、見た目には大豆そっくり。蔓性のものが「ツルマメ」で、蔓性でないのが「枝豆」ではないかとさえ思えます。
秋の彼岸を忘れることなく、毎年決まった場所に花を咲かせるのが「彼岸花」。鱗茎にアルカロイド(リコリン)を含む有毒植物です。ネズミやモグラなどの動物が嫌うため、田の畦や土葬だった墓地に多く植えられ、「死人花(しびとばな)」とか「幽霊花(ゆうれいばな)」などと、不吉な名前で呼ばれることもあります。
釣竿のように長く伸びた枝の上から下まで、小さな丸い実がびっしりと付きます。植物の名前に弱い人でも、まず知っているのが「ムラサキシキブ」。野山に自生していた昔は「紫敷実(ムラサキシキミ)」と呼ばれていたとのことですが、『源氏物語』の紫式部の名を付けた人気の高い落葉低木。でも、写真は「コムラサキ」。見分けが付けにくいのですが。葉っぱの鋸歯が違っているようです。
「ツヅラフジ」―漢字で書くと「葛藤」となります。もともと、「ツヅラ」とは、つる性の植物の総称として使われていた言葉。特に「ツヅラフジ」のつるが丈夫で加工しやすいことから、つる状のものを編んで作る籠のことを材料名から「葛籠(つづら)」と呼んでいたようですが、その後は他の素材を使って編まれた四角い衣装箱を「葛籠」と呼ぶようになりました。
タデ科タデ属の多年草。湿地を好むとのことで、見つけたのも実りの時期を迎えた田んぼの脇。おそらく、珍しくも何ともない「雑草」と呼ばれる類の草なのでしょうけど、小さな白い花は、その名の通りサクラに似た可愛らしさ。除草されずに残った株が開花の時期を迎えています。
「草かんむりに秋」―「ハギ」は、秋の七草としても知られ、文字通り日本の秋を代表する花。日本には、数10種類のハギが自生しているのだそうです。でも、単に「ハギ」と言えば仲間全部を総称していることになるとのこと。長く伸びた細い枝に、濃いピンクあるいは白色の小さな蝶のような花を咲かせる「ハギ」は、旧浜松市の「市の花」にも指定されていました。
「葛(クズ)」は秋の七草の一つ。マメ科の多年草で荒地に繁りますので、山里に限らず、新幹線の敷地内など、誰でもどこでも見ることができます。そろそろ花を咲かせる季節。かつては、「葛」などのつるを「かずら」と呼んで、カゴを編んだり作業に使ったため定期的に切り取られ、今ほどは繁茂していなかったようです。
「エノコログサ」を漢字で書くと「狗尾草」。「狗」は「犬」の意味ですから、「犬の尾に似た草」の意味で「犬っころ草(いぬっころくさ)」が転じて「エノコログサ」になったのだそうです。別名「ネコジャラシ」とも呼びますので、「犬かネコかどちらかにしてくれ!」と突っ込みたくなるような名前ですね?
「クロツバメシジミ」の幼虫が食べるという「ツメレンゲ」―佐久間に自生していると聞いていた「ツメレンゲ」を偶然見つけてしまいました。「へ~、これってもしかしたらツメレンゲじゃん」という感じ。ちょっとした驚きでした。
キクイモ(菊芋)をご存知ですよね?北アメリカ原産のキク科の植物ですが、日本には江戸時代末期に渡って来たのだとか。もともとは飼料用だったようですが、太平洋戦争の頃、加工用作物として栽培され、現在、路傍に花を咲かせているのは野生化したもののようです。